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外国人と裁判 ~黒船来航から21世紀~

2015年05月01日澄川 圭弁護士

およそ150年前の1853年に,浦賀沖に黒船が来航しました。

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そして, 1858年には欧米5カ国との条約(安政五カ国条約)が結ばれました。

この条約下では相手国に領事裁判権が認められており,例えば日本国内でアメリカ人が日本人に対して罪を犯した場合,アメリカの領事がアメリカ法に従って裁判をすることになっていました。

この領事裁判では,日本人に不利な判決が下されることも多く,日本の立場からは,とんでもない制度といえました。ただ,逆に,諸外国の立場に立てば,近代的な法律や司法制度が整備されていない国で自国民が裁かれてはたまらない,ということもあったのでしょう。いつの時代においても,国家が国際的に対等に活動していくために,法律や司法制度の整備は重要なのです。
その後およそ40年,日本の法整備も進み,20世紀に入る頃に領事裁判権は撤廃されました。日本の司法について,一応は信用できると評価されたということです(現行の民法もこの頃に作成されたものです)。

しかし,それから100年以上を経た21世紀の現在でも,外国人の裁判が適切に行われているかというと,疑問も残ります。外国人が犯罪の疑いをかけられた場合,取調べや裁判では通訳がつきますが,通訳の質に問題のあることも少なくありません。私がかつて経験した裁判で,通訳のレベルがとても低く,英語のYesとNoさえ適切に訳せていないことがありました(YesとNoは文脈によって「はい」にも「いいえ」にもなります)。
これが,弁護人にも全く理解できない言語だった場合,問題に気づくことさえできません。そして,事後的にチェックしようとしても,取調べや裁判では,原則として日本語の部分しか記録されないのです。かつて,日本人旅行者が海外で適切な通訳をつけてもらえずに有罪となった事件がありましたが,その国では取調べの状況が録画されていたため,事後的に問題点を検証することができました。日本でも,せめて事後的に通訳をチェックできるようにすることが求められます。

2020年には東京オリンピックも控えており,今後,国際化はさらに進んでいきます。私も,開国の地である神奈川県の弁護士会に所属する者として,日本に好意をもって来日される外国人の方々がより安心して過ごせるように努力していきたいと考えています。

 

執筆者情報

弁護士名 澄川  圭
事務所名 澄川法律事務所
所在地 川崎市川崎区砂子1-8-4 アサヒヤビル3階
TEL 044-276-8773
メール web@smkw.biz
ホームページ http://sumikawa.net/jpn
 
 
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