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2016年問題

2013年03月01日前田 一弁護士

表題が大げさで恐縮だが,2016年から変更されるゴルフ・ルールのお話である。

ゴルフは細い棒(クラブ)を振って(スウィング)小さなボールを打つゲームだが,2016年からはアンカーリング,つまり船をアンカー(いかり)で停泊させるように,クラブ(主に丈の長いパター)の柄の先を身体の一部に付けたまま打つ方法が禁止される見込みだ。その理由は,腕だけでスウィングするという伝来の方法に反し,これを行う者に有利になっているからだと言われている。

しかし,これがこれまで数十年間禁止されないでいて,有利だとする明確な証拠もないのに,なぜ今さらと言う反対意見もあり,まだルールの変更は確定していない。

確かにアンカーリングがスウィングの安定に役立つ可能性はあるが,一朝一夕に良い結果が出るわけではない。有名なプロのフィル・ミケルソンはアンカーリングをしばらく試したものの,長い距離のパットが合わず結局止めてしまったほどだ。

最近お騒がせの義足のランナーは,義足によって早く走れるのではないかとの疑いをかけられ,科学的な証拠などをもとにその疑いを晴らした。しかし,アンカーリングについて科学的な証拠を示すのは困難だろう。

そもそもゴルフ・ルールを司る機関がアンカーリングを数十年間放置した理由を十分に説明すべきだと思うが,どうも歯切れが悪い。今回,アンカーリングを禁止しながらそれに使われる丈の長いパターの製造や使用自体を禁止しない見込みだが,それもいかがなものか。

遊びゴルフの私は,アンカーリングをしないで愛用の丈の長いパターを使えるわけもなく,買い替えすら考えている。新たな持ち出しだけでなく,愛着のパターとの別れもつらい…

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