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「異議あり!」を磨く

2020年12月18日小島 啓弁護士

 「『異議あり!』とか裁判でやってるの?」とご質問をいただくことがあります。
 弁護士が主人公のゲームやテレビドラマで良く登場する台詞なので、やはり印象深いようです。
 この「異議あり!」を筆頭に、弁護士というと、法廷で活躍する場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。敵側の証人に見事な質問をして嘘を暴く場面は、法廷ドラマで最も盛り上がるシーンの一つです。

 しかし、実は、司法試験の勉強の中で「上手な尋問とは何か」や「どういう時に異議を出すべきか」を詳しく学ぶ機会はありません。弁護士は司法試験の後、尋問技術や異議申立てについて、殆どゼロから学んでいくことになります。

 ところが、学び始めて分かる、この「尋問技術」や「異議を申し立てること」の奥の深さ!

 上手に尋問をするためには、法律の知識だけでなく、実に様々な能力や準備が必要なことを痛感します。
 例えば、自分の依頼者や、味方になる証人に質問をするときは、弁護士は、映画監督や演出家的な役割を求められます。回答者である依頼者や味方証人に、自分の言葉でスムーズに話をしていただくことがミッションになります。そのためには、依頼者や味方証人を活かすための演出家的な質問技術が必要です。
 一方、自分の依頼者に不利な話をする証人に質問をするときは、全く違う技術が必要になります。この場合、対戦スポーツの試合に臨むのと同じように、こちらの失点を防ぎつつ、こちらに有利なポイントを獲得するための準備と技術が必要になります。
 「異議あり!」も、それを法律上出せるか、そして出すことが戦略上有利かまで、一瞬で判断する力が必要です。

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 言うは易し、行うは難し。
 研鑽の道のりは険しいですが、少しでも成長を実感したときの喜びは格別です。
 テレビやゲームで登場するような法廷で活躍できる弁護士を目指し、今後も頑張りたいと思います。

 

 

執筆者情報

弁護士名 小島 啓
事務所名 小島法律事務所
事務所住所 〒234-0054
神奈川県横浜市中区住吉町2丁目21番1号
フレックスタワー横浜関内402号室
TEL 045-671-9141
Webサイト http://www.law-kojima.com/

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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