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弁護士の文書表現方法

2022年08月05日大川 雄矢弁護士

 先日,付き合いがあって,人生でほぼ初めて舞台の観劇に行ってきました。

 役者さんたちの迫力ある演技にも圧倒されたのですが,外国の作品が原作であることから,表現について色々と考えされられました。

 洋画の吹き替えや字幕もそうですが,翻訳に際し,外国語を直訳するわけではなく,場面でのセリフの長短や受け取り方,原語と日本語のニュアンスの違いなど,それぞれの文化に合わせて適切に意訳する作業は,かなりの専門性が求められるのだろうと想像されます。

 弁護士の仕事は多岐にわたりますが,特に訴訟では,依頼者から聞き取った内容を訴状や準備書面という書類にして裁判所に提出します。このとき,いわゆる「直訳」ではなく法的な意味合いをもった表現に当てはめたり,情報の取捨選択をしたりすることから,共通している部分があるように思い,このコラムを書いています。

 弁護士は,依頼者にとって最大限の結果を導けるよう文書の表現で創意工夫をすることになります。どのような創意工夫をしているのか,訴訟ではなく身近な例で考えてみます。

 私はこのコラムを事務所の代表弁護士に言われて執筆しています。

 この「言われ」の部分を「推薦され」とするのか「強制され」とするのかで,受け取る側にとって内容が大きく変わってきます。

 「強制」とまではいえないやり取りだった場合,虚偽の事実にならないよう「半ば」を付けたりします。

 他にも,登場人物の人柄を説明することで,受け取る側にメッセージを伝えることもあります。どこかの文で代表が「強権的」とか「暴君気質」と言われているといった情報を与えると,私が断れなかったというニュアンスを伝えることができます。

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 もちろん上記の内容はただの例で,私は自主的にこのコラムを書いていますし,当事務所の代表はかなり変わったところはありますが優しい人です。たぶん。

 日常での観劇を通じて,表現の奥深さに思いが及び,業務での表現への研鑽や推敲をより一層注力していきたいと考えるきっかけとなりました。

 

 

執筆者情報

弁護士名 大川 雄矢

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事務所名 川崎パシフィック法律事務所
事務所住所 川崎市川崎区駅前本町11-1パシフィックマークス川崎ビル6階
TEL 044-211-4401
FAX 044-211-4402
メールアドレス y.okawa@kawasakipacific.com
Webサイト https://www.kawasakipacific.com/

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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