横浜弁護士会新聞

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2001年3月号(1)

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 去る一月二六日午後四時から、横浜市開港記念会館一階大ホールにおいて、横浜弁護士会臨時総会が開催された。
 議案は、横浜弁護士会会則中一部改正の件であり、右改正案は横浜弁護士会会則中、(1)題名を「神奈川県弁護士会会則」に、(2)第一条の会名を「横浜弁護士会」から「神奈川県弁護士会」にそれぞれ改める、というものであった。いわゆる「会名変更」案件である。
 この問題については、長年にわたる経緯や会員各自の会名に対する考え方が入り組み、これまでも何度か問題にされてきたところであるが、今回理事者から司法改革の視点も加えた形で、会名変更への具体的な方向が打ち出されたこともあって、会名変更賛成意見と反対意見とが活発に議論された。
 ところで、平成一二年九月六日には、この問題について会員の意見聴取を目的として、弁護士会館において、会員集会も行われ、多数出席のなか、賛成意見、反対意見が理由も含めて明確に表明された。
会員二五八名が開催請求
 このような会名変更の是非をめぐる活発な議論の高まりの中で、今回の臨時総会は開催された。
 今回の臨時総会の大きな特徴は、横浜弁護士会の歴史の中でも前例のない会員請求による臨時総会の開催であったことである。賛成意見の会員二五八名から開催請求がなされた。
 他方それにともない、後記のように、会員請求による臨時総会開催の手続について新たな議論も展開された。
 また、開かれた司法の視点から報道機関の傍聴も許された。
 今回の臨時総会は会則改正の議案であったため、会則第一一四条により、全会員の三分の一以上の出席が開会の定足数、出席会員の三分の二以上の賛成が議決要件であった。
 そして、開場後まもなく開会定足数は満たされ、この問題に対する会員の意識の高さを窺わせた。
実質論と手続論が対立
 冒頭、佐久間哲雄会員から議案についての提案理由が述べられた。その理由を要約すると、(1)県民、自治体関係者の誤解とアクセス障害の除去、(2)支部会員の不都合の除去と弁護士会全体の一体感と求心力の強化、(3)他の単位会や関連業種団体の名称変更の動き、(4)県民、マスコミの注目などであった。
 その後、提案理由について出席会員から質問、意見表明がなされた。
 賛成意見の会員からは、提案理由の具体的事例を挙げて議案賛成の意見表明がなされた。主として支部会員からの賛成意見が多かったが、本部会員の中からも賛成の意見表明がなされた。しかし、支部会員の中にも反対意見があり、また会名変更については賛成であるが選択肢として「神奈川県弁護士会」には反対する、他の名称を考えるべきであるとの意見もあった。
 他方、反対意見の会員からは、アクセス障害除去の必要性が明確でない、名称変更の動きは全国の弁護士会全体をみれば大勢となっていない、関連業種団体の名称変更は特殊事情で直ちに弁護士会にはあてはまらない、裁判所や検察庁は一貫して横浜であることや、会名変更は全会員の問題であるから十分な審議が必要であり、委員会の設置、会員アンケートの実施等納得のできる会内合意の形成が必要である、さらには今回の臨時総会の開催が会則改正案件であり会則第一一三条により常議員会の意見を聴かなければならないのに常議員会の議決がなされておらずこれでは意見を聴いたことにならない等、主として会内合意の形成過程や臨時総会開催についての手続的問題点が指摘された。
賛成三分の二に達せず
 このように、非常に活発かつ白熱した議論の後、午後七時ころ討議を打ち切って議場閉鎖し、無記名投票による採決がなされた。
 今回、会員の意思が自由に反映できるように無記名投票による議決方法が採択されたものである。
 会場注視のなか、開票作業が行われ、議長から発表がなされた。
 結果は、次のとおりであった。
 出席会員数四三〇名中、賛成票二三五、反対票一七二、白票一四、無効票一、棄権八。
 賛成票が、四三〇名の三分の二に達しなかったため、会名変更の議案は否決された。
 今回の臨時総会の議案は、否決されたものの、賛成意見が出席会員の過半数に達し、変更意見を持つ会員が多数いることも明らかになった。
 今後は、この結果もふまえ、会名変更の意義や必要性、会員の意見表明の方法、臨時総会開催手続、議決方法等、今回問題となった事項についての議論が一層深化されることが期待される。


 山本安志会員と須須木永一会員の立候補により、去る二月九日、平成十三年度横浜弁護士会会長選挙が行われ、六票の僅差で、須須木永一新会長が選出された。
 投票結果は、有権者数七二二名のうち、投票受付者五五七名(投票率約七七%)で、山本安志候補者の得票数二七三票、須須木永一候補者の得票数二七九票、無効票五であった。
 早速、新会長の横顔を紹介する。
平成一〇年以来の選挙を経て会長に就任される訳ですが、その点どういうご感想をお持ちですか?
 私の考え方を支持してくださった方とそうでない方がほぼ同数であったという結果が出たわけですから、今後どのように会内合意を形成していくかを特に慎重に考えていかなければならないと思っています。
会長に就任してまず最初に実現したいと考えていることは何ですか?
 会員の方々へのお願いです。様々な問題が山積みされています。それぞれの課題について広く皆様にご協力をお願いすることになると思います。
 もうひとつは、できるだけ幅広い会員の皆様の意見をうかがうことのできる機会をより多く設けていただきたいと思っています。
今、どんなことに興味をお持ちですか?
 私はどちらかというと体育会系と評価されているので、興味のあることといえばスポーツということになるでしょうか。しかし最近年のせいか心境の変化があり、歌舞伎とか侘・寂の世界、ちょっとくだけて粋の世界などに興味を持ちはじめました。
ご自身の性格についてどう見ていますか?
 かなりボーッとした性格だと思っています。そのため周囲の人をいつもいらいらさせたり、ハラハラさせたりします。
 そのくせ短気な面もあるようです。ただ人の話は良く聞くように心がけていますが、そのため決断力に欠けるのではとの評価もあります。しかし決断を下したことについては、貫き通すという強い面もあります。
次年度の会長として一言お願いいたします。
 次期理事者として副会長の方々と一同に集まりを持つことができたのは、まだ一度だけです。しかし、私が想い描いていた以上に素晴らしい方々でしたから、どのような事柄にも力を合わせて立ち向かっていくことができるという勇気が湧いてきました。
 話題は変わりますが、会の運営その他について他会との情報交換を活発にする機会をより多く持つことが出来たらという夢を持っています。現在、名古屋弁護士会との交流があるとのことですが、この輪を広げていくことで新しい風を吸収し、これが当会のエネルギーになるのではないかと考えているからです。そのときにはまた皆様のご協力をお願いします。 

山ゆり
 去年から、暇を見つけて英会話の練習をしています。別に学校に通う訳ではなく、安い本を買ってきてはただ音読みするだけです
煙草その他で脳細胞が劣化していますから翌日になるともう忘れています。ざるで水をすくうようなもので、子供があきれています
何で人間は違った言葉があるのだろう、一緒だったら便利だろうにと思います。言葉は、文化の源です。言葉の違いは、文化や考え方の違いをもたらします
これに対し、遺伝子は、ほとんどの生き物であまり変わらないのだそうです
気の遠くなるような長い年月の間、生き物は進化を続けたのでしょうが遺伝子はまるでノアの箱船に乗っているかのように、みずからを存続させてきたようです
人間は、この普遍性に気づかずに様々な文化や制度を築いてきたようです。そして、文化や制度に身動きがとれなくなって命を絶つ人までいます。戦争も起こります
この両者のギャップは一体何なのでしょうか。自然の摂理と人間の文化・制度はどこかで繋がっているのでしょうか
人ゲノムも解読されてこれからは遺伝子の役割が確実に明らかになるでしょう。文化や環境と遺伝子のかかわりが将来の思想に一石を投ずるかも知れません。文化や人間観の違いが対立を生むかも知れません
こんなことを考えても、英語が上達する訳ではありませんが、自分の能力の無さにいささか疲れるとこんな馬鹿なことが頭をよぎってしまうのであります。
(國村 武司) 


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