横浜弁護士会新聞

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2003年2月号(1)

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平成15年度 次期理事者のプロフィール
 平成15年度の当会会長、副会長の顔ぶれが決まった。次期理事者の自己紹介とともに、各理事者の抱負などを紹介する。
 (1)略歴、(2)趣味、(3)自己評価、自己分析、(4)好きなものと嫌いなもの、(5)新理事者としての抱負の順。

力のある弁護士・弁護士会になる為に 次期会長  箕山 洋二(29期)
(1)  昭和二二年一〇月一二日生まれ。昭和一六年生まれの兄との二人兄弟の次男。平穏無事に大学を卒業し、東京修習の後、昭和五二年東弁登録。ぜひ東京でイソ弁を行い、父親の仕事とは違う勉強をしたいと考えたため。父が七〇歳になり、叙勲を受けた事を契機として昭和五五年秋、当会に入会。弁護士になった年の秋に結婚、男子二人を授かる。横浜に戻っての数年は、仕事がないのに家族が増えるという苦節時代を過ごした。
(2)  旅行、ドライブ。佐久間年度副会長の大久保博会員や杉崎茂会員と国内、海外を問わず家族旅行をしている。これも前回副会長任期満了後に、人食いバクテリアに感染したものの、死地からの脱出に成功した事が多分に影響しているものと思われる。ゴルフはハンディーもなく、年々下手糞になっている。
(3)  小さなことを気にし、案外気の小さいところがある。しかし、仕事や会務については結果が出るまで粘り強く頑張る。
(4)  好きなもの。友人知人と大いに語らいながら美味しい物を食べ、美味い酒を飲むこと。嫌いなもの、嫌いな物ではないが、嫌いな事は高い所と狭い場所。
(5)  司法制度は否応に拘わらず、どんどん結論が出、法案が作成されています。本年度はこれらを実施する年となります。県民や会員の期待に応えるには、弁護士会がそれなりの力を持っていなければなりません。また、弁護士もこれら司法改革に応えるにはそれぞれが力を蓄えていかなければなりません。情報化時代であり、情報ツールも整った現在、これらの高度な活用が求められていると考えています。次期副会長の高い専門性を活かしつつ、真剣に取り組みたいと考えています。

楽しくやりたい 次期副会長  小島 衛(34期)
(1)  昭和二一年一二月一八日生、逗子生まれの逗子育ち、逗子開成高校を経て早稲田大学法学部卒業。東京都職員、マレーシア大使館、学習塾勤務などを経て司法試験合格。横浜修習。東京で三年間の勤務弁護士をした後に昭和六〇年に当会に入会。家族は妻と一女、二男。
(2)  家族で歴史的な場所を訪れること位。でも、子供の成長に伴い、全員で行動することが難しくなりました。アンコール遺跡群と関ヶ原にはもう一度行きたいです。
(3)  気配り、目配りが足りない(勿論、金配りは予算の都合で全然しない)。長所は根拠がなくとも何とかなるだろうと信ずることができるところ(実は甘いだけ)。
(4)  飲食での好き嫌いは特にありません。飛行機の窓から下の景色を眺めて、どの辺りを飛んでいるのか考えるのが好きです。ヨーロッパアルプス、スイスを眼下にした時は感激しました。
(5)  季節外れの三四期ですが、せっかく機会を与えて頂いたので楽しくやりたいと思います。ですから、私の顔が引きつっている時があっても楽しいから引きつっていると思って下さい。

自然体で実行したい 次期副会長  小長井雅晴(36期)
(1)  昭和二六年一月三日、静岡市で生まれ、高校卒業まで同市で過ごす。日本大学法学部に入学したが、その年は東大の入試が大学紛争で中止となって影響が大きかった。大学に入学しても紛争の真っ只中であり、お陰で卒業するまでに五年が経ってしまった。大学を卒業する年になって就職をどうするかの選択を迫られ、司法試験の受験を考えた。卒業後、アルバイトで生計を立てながら勉強をした。この頃合格はもとより、将来どうなるのか不安が一杯であった。しかし、今思えばそれなりに充実した日々であった。
(2)  趣味は高校生までは郷里の実家に池があり、そこで鯉を飼っていた。その後三〇年以上も中断していたが、一昨年あたりから自宅で少しずつ小さな鯉や金魚を飼い始め、毎日餌をやったり水を換えたりして、世話をするのが楽しみとなった。また、私ども夫婦には子どもがいないため、飼っている猫三匹が子どもに等しい。猫は家族、鯉と金魚がペットというところか。あと、妻の誘いで温泉巡りや音楽会に行き、映画を一緒に見るというのが趣味と言える。
(3)  自分の自己評価となると難しい。妻に言わせると、人の話を聞くことが出来るタイプだそうだ。しかし、自分では独善的な部分もあると自戒している。元来は怠け者の部類に属すると思うのだが、反面、粘りもあると思う。ただし、飽きやすい点が難であると妻に言われる。もう少し計画性を持って、地道にやらないといけないと反省している。
(4)  好き嫌いは食べ物に関してはなし。読書は好きだけど読むのが遅いので、量がはけず趣味とまではいかない。スポーツはすべて観るだけだが、出身が静岡なので、子どもの頃は野球よりもサッカーで遊んでいた。プロ野球はベイスターズのファンであるが、森前監督によって優勝チームが最下位球団となり、非常にがっかりした。タイプの違う監督を有名だからといって呼んでもうまくいく訳がない。フロントの責任だと思う。
(5)  新理事者の抱負としては、第一に司法制度改革に取り組みたい。改革案の多くが国会審議が確実となり、その実施が大きな課題となろう。残りにも重要なものがあり、これからどうするかその正念場を迎える。第二に高齢者問題。私自身が義母の介護を通じて体得したものがあり、その体験を少しでも生かせればと思っている。

司法改革は始めが肝心 次期副会長  影山 秀人(38期)
(1)  一九五八年(昭和三三年)一月二〇日に横浜市金沢区で出生し、その後高校までは静岡県富士市で毎日富士山を仰ぎながら育ちました。早稲田大学法学部を卒業し、大阪修習を経て当会に入会しました。現在は茅ヶ崎の海岸沿いで、妻と一三歳の娘の三人で烏帽子岩を眺めながら暮らしています。
(2)  残念ながら趣味と言えるようなものはありませんが、強いて言えばクラシック音楽を聴くのは大好きです。CD全盛のこの時代ですが、大学時代に集めた二〇〇枚以上のレコードを今でも大事に聴いています。日本フィル横浜公演の定期会員です。
(3)  多分辛抱強く粘り強いタイプだと思いますが、時代の変化には乗り遅れる方です。私の原稿は未だにすべて手書きです。
(4)  好きなものは寝ること、美味しい物を食べること、努力すること、嫌いなものは争いごと、人前で挨拶すること(不思議に講義、講演は嫌いではないのですが…)。
(5)  是非を問わず、司法改革はいよいよ実現の時期を迎えます。何事も始めが肝心、市民および会員の皆様に有益な形で動き出せるよう微力を尽くしたいと思います。

お役に立ちたい 次期副会長  篠崎百合子(38期)
(1) 一九五二年鎌倉市で生まれ、湘南高校、中央大学へと進学し、新婚時代の数年間を横浜で過ごしたことを除き、今も鎌倉市で暮らしています。家族は夫(第一東京弁護士会所属)と飼い主に似ず気性の荒い雑種犬ハナがおり、隣の家に住む私の両親に未だに何かと世話になっている状況です。
(2) 趣味は「歩くこと」で、年二回上高地へ行き、土日は鎌倉周辺のハイキングコースを歩いています。寒い冬の夜、星を見ながら犬の散歩をすることも大好きです。ただし、「登山」のように「重い荷物を背負って」というのは苦手です。
(3) のんびりしているところがあると思えば、せっかちな一面もあります。「体が弱い」と言うと誰も信じてくれませんが、自分ではパワー不足と感じることがあります。
(4) 「好きなこと」は、気の合う人たちとおいしいお酒を飲み、食べることです。これからも「気の合う人たち」が増えていけばいいなと思っています。
(5) 理事者の役に就くにあたって、「役に立つ」という言葉を噛み締めてしまいました。これまで弁護士としての私を育ててくれた横浜弁護士会のために少しでもお役に立てるよう努力する所存です。

微力を尽したい 次期副会長  石橋 忠文(41期)
(1) 昭和二八年一一月一七日、東京都江戸川区に生まれ、都立小松川高校、早稲田大学卒。高校時代、音楽家を目指したが才能・資金不足により断念。ピアノの趣味が残った。「司法試験は自分でやるもので法学部にいても授業には出ないよ」との兄(現千葉県弁護士会所属)の言葉を真に受けて政治学を専攻。甲府修習の後、八王子で三年半イソ弁、まだ地裁支部もなかった相模原で独立。会務とは無縁で田舎でのんびりするつもりだったのが、支部ができ目算が大崩れ。家族は妻と中三、小三の男の子二人。一家でそれぞれ趣味中心の生活。
(2) 子供と遊ぶ。ピアノ演奏。読書。英語学習。映画鑑賞など。
(3) 本当はのんびりが大好き。でもせっかち。ストレート勝負一本。何時までも一つのことを続けたがる。何にでも好奇心を持ちたがる。趣味命。話を短くするのが課題。
(4) 好きなものは趣味。嫌いなものは締め切りに追われた大部の準備書面などの作成。
(5) 今年は司法改革、諸立法への対応に追われる大変難しく激務の年になりそうです。自分にできる範囲で会長をよく補佐し、他の副会長とも協力し、諸委員会の皆様・事務局などともよく意志疎通を図りつつ、横浜弁護士会・会員の皆様のために微力を尽くしたいと思いますので、宜しくお願い申し上げます。

山ゆり
 そろそろ春の息吹が聞こえてきそうだ。それはとても小さな声ではあるけれども、はっきりと聞こえてくる
 手が切れるように冷たかった北風が、次第に温もりを帯びた南風に変わっていく。枯れているかのようだった木々にも、新しい芽があちこちに生えている。春は人々から白い息とコートを柔らかく奪い、モーツァルトのピアノコンチェルトのように自然に町を淡い色に染め上げていく
 春の日差しは山の雪を溶かし、土を暖め、様々な生命の目を覚ます。小さなダンゴムシは忙しそうに這い回り、鳶は大空を誇らしげに翔る。桜はドミノ倒しのように南から北へ駆け抜け、勢いに乗った春風は若い緑を山々に撒き散らす。素晴らしき生命の源である春
 やがて森の木々や草たちが碧の濃さの逞しさを競い合う頃、厚い雲たちは水桶をひっくり返したように雨を降らし、数多のものを濡らしていく
 その雨の最後の一滴が乾くと今度は夏だ。町中の冷房機がぶんぶんと音を立てて、外には熱い空気を焼けた道路に吹き付ける夏。町を一歩離れると蝉たちが大声で騒ぎ立てている(でも夏がどんなに暑くても、冬になるとそれを忘れてしまうのはなぜだろう) イラスト
 ある日突然夏は過去のものとなり、豊かだけど寂しい秋となる。秋は町を金色に染め、そして徐々に色をなくしていく。秋はブラームスのクラリネット五重奏曲のように深みと渋みを増して、一つ一つの生物たちの肩を叩き冬へといざなっていく。銀杏の金色を脱ぎ捨てた町がクリスマスの蝋燭を纏う頃、冬の重い扉は開いていく
 日本は何と素晴らしい「季節」を持った国なのだろう。
(岩田 武司)

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