横浜弁護士会新聞

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2002年6月号(1)

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平成14年度 新執行部の所信表明
 平成十四年四月一日、ホテルニューグランドにて新理事者就任披露パーティーが開催され、池田忠正会長により所信表明がなされた。
 私たちは、本日横浜弁護士会会長、副会長に就任いたしました。
 明治の代言人組合以来の長い歴史と伝統に輝く横浜弁護士会の会長に選任され、また、小田原支部から初めて選ばれましたこと、心から光栄に存じ、選んで下さった会員の皆様に心から感謝いたします。
 私は感謝の気持を忘れずに、会員の皆様と当会のために一年間誠心誠意を尽す所存です。
 当会は、東京三会と大阪を除けば、名古屋に続き、二番目に会員数の多い単位弁護士会であり、日弁連や関東弁護士会連合会、関東十県会などの中で、誠に重い地位を占めるもので、会長として重い責任を痛感しております。
 弁護士、弁護士会の使命原点は申すまでもなく人権擁護と社会正義の実現にあります。この混迷の時代とこの社会には、様々な社会的弱者や様々な被害者がいます。これらの人権擁護に取り組むことは、社会正義の実現に直結するもので、先輩会長に続きこれに真剣に取り組みます。
 今日ほど、司法が国民や市民の耳目を集めている時代はなかったでありましょう。
「市民がアクセスしやすい弁護士会を目指して」
 そして、市民に一番近い位置にいる法曹である弁護士は、それにも拘らず市民から、敷居が高い、どうしたら弁護士に頼めるか、などと今尚言われております。
 弁護士が事務所の奥から街中に出て行けば市民は弁護士と接触し易くなります。その先に法律相談センターや行政などへの相談弁護士派遣の問題があります。
 弁護士の数がもっと多ければ、市民はもっとアクセスし易くなります。その先に法科大学院の問題があります。
 弁護士の名前が体を表すようになれば、県民にとって弁護士会を分かり易くなります。その先に会名変更問題があります。
 そして、これらの問題に共通して大事なことは、市民にとって弁護士が身近になると、アクセスし易くなること、すなわち現に弁護士会とアクセスできていない市民の立場に立って、ものを考えることであると思います。
 しかし、新しい試みには往々にして痛みが伴います。例えば、法科大学院問題です。弁護士会から教員派遣が必要となることは明らかです。関係のご来賓には派遣教員の待遇に格別のご配慮をいただきたいと存じますが、それでも当の弁護士にとって充分な待遇になるとは限りません。それならどうしたら良いのか。当会は既に会を挙げてこの問題に取り組むと総会決議しました。そうである以上は、支援は欠かせません。そうでないと教員のなり手がないかも知れないからです。
 そのためには一千万円・二千万円という単位の資金が必要となるかも知れません。当会の繰越金の蓄積は一昨年度の永井執行部からのご努力で増えましたが、たかだか八千万円です。この教員の支援だけでも二〜三年で消えてしまいます。弁護士任官の役目を終えて帰ってきた弁護士の支援、多忙を極める日弁連副会長の支援をどうするか。その先はどうしたらよいのか、痛みを伴います。
 会名変更問題もそうです。神奈川八五万県民の半数以上は横浜市民以外の市民です。支部管轄地域の市民は約四八%です。しかし、横浜の会名を神奈川と変えれば、五百人以上を占める横浜市内の弁護士は悲しい思いをするでしょう。しかし、それ以外の二〇〇人の弁護士は既に少なからず痛みを覚えている。そこでこの先をどうするか。
 地方の時代と言われて少なくない時が流れています。
「各支部の歴史と伝統をふまえた会則上の位置づけを」」
 当会の四支部は、その歴史に濃淡はありますが、立派に活動しています。先日は相模原支部が独力で裁判所に合議部を設置する問題のシンポを開催し、市民の注目を浴びました。小田原支部は、今年度裁判員制度に関する模擬裁判を計画しています。
 国選弁護については、支部会員は横浜本部在籍の会員のほぼ二倍の件数を処理しております。
 各支部の実力と実績にふさわしい当会会則上の位置づけをすべき時期であろうと思います。
 そのためには、支部会員も国選手数料から会へ納付する納付金の問題を検討して欲しいと思います。
 これらの諸課題を中長期的に検討する機関として財務室と事務局運営室が設置されました。また、総合改革委員会の答申もあります。それらを元にして一定の道筋をつけて行きたいと思います。
 今年は、司法改革実現元年です。政府の進める計画に様々なご意見があることは承知しております。大事なことは、この改革によって、良きにつけ悪しにつけ、影響を色濃く受けるのは若い期の会員であります。四四期以降の会員数は二二〇名を超えています。私は若い期の会員とできるだけ接触する機会を得て、その意見を会運営に反映させて行きたいと考えます。
 弁護士の不祥事ほど落胆することはありません。倫理研修の充実はもちろんですが、依頼者からの預り金を流用するといったことは、弁護士倫理以前の問題で、市民からそのような弁護士は氷山の一角であると思われてしまいます。仲間を裁くのは断腸の思いですが、泣いて馬謖を切ることも止むを得ません。懲戒制度が健全に機能することは、自治の要諦だからであります。
 私は当会会員の感受性を信頼します。市民が弁護士、弁護士会に何を望んでいるか、そして、止むを得なければ痛みも敢えて甘んじて受ける。そして、これからの将来の長い若い会員の気持ちを理解する。支部所属の弁護士の苦労も察する、そういった感受性を信頼します。
 会と会員のために尽くすと言っておきながら、痛みのお願いばかりで恐縮です。
 今こそ七四〇余名の叡智を結集してこの難しい時代の難局に立ち向かってゆこうと決意しております。
 私は、大学時代の恩師から教えられた「現実に即して理想に生く」と、小田原高校時代に掲額されていた明治の元勲山縣有朋の「至誠無息」を会務運営の座右の銘としたいと存じます。
 どうか一年間宜しくご協力の程、お願い申し上げます。

外国人弁護事件で通訳人を接見に同行する場合のお願い
通訳人の氏名を教えないで下さい
 外国人被告人弁護事件(被疑者弁護事件についても同様です)において、通訳人を同行して接見を行う場合、あるいは家族・関係者と打ち合わせを行う場合などには、被告人本人やその家族・関係者に通訳人の氏名・住所・電話番号などは一切教えないようにご注意願います。
 その理由は、通訳人の氏名・住所・電話番号などが被告人本人や家族・関係者に知られることにより、通訳人やその家族がいわれのない逆恨みなどをされて危害を加えられるおそれがあるからです。
 こうした被害を防ぐためには、通訳人の住所・電話番号はもちろん、通訳人の氏名も明らかにしないで下さい。「氏名くらいは良いではないか」と思われる方もあるかとは思いますが、日本に滞在している外国人の社会は私たちが予想する以上に“狭い”ものであり、通訳人の氏名が明らかになるだけでこうした被害は現実化するおそれがあります。
 また、被告人の家族・関係者が通訳人の住所・電話番号を知ることにより、その後、頻繁に通訳人に直接連絡をしてきたり、弁護事件とは関連性のない様々な依頼を直接してくるようになり、通訳人が対応に苦慮したという苦情も聞かれます。
 以上の点につきましては、多くの会員の方々には既に十分にご留意いただけていることとは思いますが、最近若干の苦情が通訳人から出されているようですので改めてお願いいたします。
(刑事弁護センター運営委員会委員長 岡田 尚)

山ゆり
 以前の私は旅行といえば国内と決めていたが、横浜法曹スキー同好会で海外スキーに行ったことや、友人の強い勧めもあって、海外へ旅行する機会をもつようになった
 出かけてみると、新たな刺激を受けることが多く、これまで国内しか旅行しないと考えていたこと自体、自分の視野を狭くしてきたと残念に思う
 遺跡を見ると当時の人々の生活がしのばれ、こんな昔にこのような構築物・建造物を作ったのかと考えると、同じ時代の日本と比較してみても、その技術の高さに驚かされるし、何かの歯車が違えば、現在の世界情勢も違っているのではないかと考えたりする
 そう考えると、訪問先の歴史を勉強して訪れれば、より楽しく有意義な旅行になると思うし、言葉も勉強していけば、より楽しいだろうと思う。英語すらままならない私であるから、それ以外の国の言葉など覚えるのは不可能な状況にあるが、日本からかなり遠い国であってもその言葉が日本語と似ていたりすると、日本人のルーツはなどとも考えたりもする
 そういう様々な刺激を受けて、帰国するときは、高校生の時以来勉強していない世界史を勉強してみたいと思ったり、せめて次に旅行するときは、その国の歴史ぐらいは勉強してからと思うが、ついつい日々の業務にまぎれてそんなことも忘れてしまう イラスト
 時間の使い方を工夫して、もう少し充実した日々を送りたいと思いつつ、意志が弱くて、なかなか変化のない生活を送ってしまう自分に反省しきりである。
(澤田 久代)

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