横浜弁護士会新聞

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20004年3月号(4)

 
新人弁護士奮闘記 第55期 堀口憲次郎
賃借人が死亡 遺骨引取を拒む家族
 ある建物明渡事件(依頼者は賃貸人)で、明渡しの欠席判決を得たのですが、賃借人と連絡が取れず、やむなく強制執行に入った事件がありました。
 執行の当日、何度呼び鈴を鳴らしても全く無反応。「留守かも」と執行官と話していると、蚊の鳴くような声が聞こえ、中から、骨と皮だけになった賃借人が出現。ここ1か月ほど食事も外部との連絡も取っていないとのこと。これは執行どころではないと、執行は直ちに中止、私は、その足で区役所の福祉課に向かい、男性の保護を依頼しました。そして、数時間後には入院の手続きを取って頂いたのですが、残念ながら、その二日後、亡くなりました。
 その後、執行の手続きを進めるため、息子(相続人)に連絡をとり、事情を説明したところ、「あれは親じゃなく、おれには関係ない。」との信じられない返答。私は、事情がどうあれ、男性をこのまま無縁仏にすることだけは避けようと、その後何度も電話をして、お骨の引き取りを粘り強く息子にお願いしました。その結果、何とか息子の理解を得ることができました。
 私はこの事件でそれこそ無我夢中で行動しました。それは、一人の人間としての使命感に駆られてのことでした。弁護士が私情を交えて仕事をすることは禁物と聞きますが、我々も弁護士である前に一人の人間であるはずです。この事件のように人命に関わるような究極の場面では、熱い気持ちをもって迷わず突き進む気概を持ちたいと思います。

私の修習日記
相模原で修習して
第57期司法修習生 中村 悦朗
 前期修習開始後まもなく、横浜弁護士会から、支部修習の希望を調査するアンケートが配られました。何気なく、「支部修習でもかまわない」「場所は相模原……」と回答した私でしたが、半年後、本当に相模原支部での修習になったときは正直驚きました。
 私がお世話になった大谷豊法律事務所は、大谷先生と事務員3名の、非常に明るい雰囲気の事務所です(調子に乗って毎日馬鹿話をしすぎてしまい、申し訳ありませんでした)。
 大谷先生は、民事、刑事あわせて相模原という地域に根ざす様々な事件を取り扱われているほか(先生は、「私は、『先生のご専門は何ですか』、と問われたときには、あえて『私には専門はありません』と答えます」とおっしゃっていました)、横浜地裁相模原支部の調停委員、相模原簡裁の司法委員、横浜弁護士会相模原支部長の要職にもあり、その上、青山学院大学相模原キャンパスで講師をされるなど、本当に相模原という地域における、様々な仕事をこなされています。私も、先生について、10月からの3か月間、通常の弁護士業務にとどまらず、地域の法律相談や、調停委員、司法委員としてのお仕事の様子、はては支部長としての奮闘ぶりを拝見することができ、多くの貴重な経験をつむことができました。
 さらに、相模原支部は、支部をあげて修習生を迎えてくださる温かい雰囲気がありました。例えば、支部の他の先生が立ち会う強制執行の現場まで連れて行っていただいたり、11月22日に行われた支部行事にも参加させていただき、支部の先生方から、いろいろなお話を伺うことができました。
 ここ相模原での3か月の修習を通じ、通常修習生が経験できることばかりでなく、支部のよさ、地域に根ざす弁護士業務の面白さなどを垣間見ることができました。私は、同期の修習生より実はずっと得したのかもしれません。
(指導担当 大谷豊会員)

2004年は波乱の予感? 横浜法曹テニス「初打ち会」
 年明け間もない1月11日、藤沢市の荏原湘南スポーツセンターにおいて、横浜法曹テニスクラブの新年最初にして最大級のイベント、「初打ち会」が行われた。
 当日は当会会員とその家族、他会の会員や、横浜地域の裁判官、横浜から各地に転任した裁判官など70余名が参加。それぞれペアを組み、さらに実力に応じた3クラスのトーナメントで行われた。
 おとそ気分(というかアルコールそのもの)の抜け切っていない選手や運動不足で早々に勝負をあきらめた選手達も散見されたが、Aクラスでは本間豊と榎本英紀(一弁)のペア(=写真)、Bクラスでは會田努と足がつりながらも勝負をものにした茆原正道のペア、そしてCクラスでは佐々木博征と佐藤真美(佐藤裕の妻)のペアが優勝を果たした。
 試合後に行われた懇親会では、本間の優勝に今年の波乱を予言する声や妻に先を越された優勝に縁のない夫の悲痛な叫び等が聞かれたが、最後には皆一様に今年1年の精進を誓い初打ち会は終了した。
(敬称略)

支部便り マスコミ等で報道 第1回首都圏支部 サミットの開催
 横須賀支部弁護士控室の壁には、支部会員31名の名札が支部への登録順に並べてかけられています。20余年前、確か12番目だったと記憶していますが、その最後尾にかけられた私の名札は今では6番目にあります。横須賀に生まれ育った私は、格別に青雲の志を抱くこともなく、横須賀支部に登録し、ただ漫然とこの20余年を過ごしてきましたが、それでも、名札の位置の変動に応じて多少なりとも支部内に於て果すべき役割が変わってきたと言えるでしょう。
 支部会員の年齢構成は70歳以上とそれ以下とがほぼ半数ずつを占め、いささか高齢に偏っています。名札の順番では6番目の私も年齢的には流石に若手とは言えないものの未だ中堅と言ったところです。
 20年後、名札の並べ方が従来と変わらず、かつ私の名札がまだあるとすれば、おそらく私の名札は1番目になっていることでしょう。「次はお前の番だ、と言われているようで落ち着かない。」と言っておられたかつての老会員の顔が思い浮かびます。会名変更に関する議論に比べると些細なことではありますが、横須賀支部会員の名札の並べ方についても、議論の余地がありそうです。

いろいろな相談にお応えします。
横浜弁護士会総合法律相談センター
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※消費税込

編集後記
 次期理事者が決まりました。取り組むべき課題が年々増大かつ複雑化しており、大変な激務ですが、健康に留意し会のため頑張ってもらいたいと思います。なお、本号は1月取材記事が中心ですが、広報委員会ではメールマガジンを発行し、スピーディな情報発信を行っていますので、未登録の会員は是非登録をお願いします。
デスク 沢藤 達夫 1面担当 滝口 秀夫 2面担当 大河内万紀子
3面担当 佐賀 悦子 4面担当 上山 智之

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