横浜弁護士会新聞

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2004年12月号(3)

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理事者の独り言
専門研究会を知ってますか
副会長 本間 豊
 相談者あるいは依頼者から「専門はなんですか。」と一、二度聞かれた経験は誰でもあると思う。私はその都度「特にありません」と答えながら、胸を張って言える知財法などの専門分野に精通していないことにいささか後ろめたい感じを持ってきた。
 今後も我々が関与する必要のある法律が増えることはあっても減ることはないと予想されるが、相談者らから相談あるいは依頼を受けやすくするために弁護士が精通、あるいは継続して勉強している専門分野を事前に明らかにすることは不可欠と思われる。私自身、これまで、ある程度自信をもって答えられるような専門性を身につけたいと内心では思いながら、忙しさを言い訳にして、つい目先の事件に負われて今日まで来てしまった。
 ところで、当会の会員の中には、倒産法研究会、マンション研究会あるいは医療過誤弁護団などの自主的な研究会などで活発に活動している会員がいる。しかし、当会が一三年前に開設した流通法研究会、税法研究会、会社法研究会、知的所有権法研究会の四つの専門研究会があることを知っている会員は少ないのではではないだろうか。
 いま、これらの研究会を再度見直し、現在活動している自主的な研究会とともに、研究会の充実を図り、将来的には専門家としての認定制度につなげる構想を検討中である。
 先日韓国の水原弁護士会との交流のために韓国を訪問してきたが、同地の弁護士は、運転手付きの車で移動することが珍しくないほど優雅に暮らしていることを知った。専門性を身につけても、水原の弁護士のような優雅な生活ができるとは限らないが、相談者や依頼者に対して、多少胸を張って「○○を専門でやってます。」と答えることはできるはずである。
 ただ、私の場合、夕方になると、酒と肴が目にちらつく生活が身に付いている状況で、はたして継続的な勉強に耐えて専門的知識が身につくかどうかが一番の問題かもしれない。

伊勢エビのプレゼントにびっくり −日南・吉川弁護士−
 平成16年10月8日、宮崎で開催された日弁連人権擁護大会の合間を縫って、日南ひまわり基金法律事務所の吉川晋平弁護士を訪問した。
 弁護士過疎地域に赴任したため同弁護士は市民との交流に当初は苦労をしたようであったが、今ではそのようなこともなく、市民と接する中で経験したという。
 業務との関連で特徴的なことといえば、同姓の依頼者が多いため、時々内容まで確認しないと事件の区別が出来なくなるとのことだった。
 また、依頼者が謝礼として持ってきた箱を開けたら伊勢エビが飛び出し跳ね回ったという日南ならではのエピソードが披露された。
 吉川弁護士の任期は平成17年7月まででその後当会に戻って再び元気な姿を見せてくれることになっている。

支部便り 横須賀支部 小林秀俊会員
 平成16年1月の相模原支部を皮切りに、3月に県西支部、そして9月に川崎支部と、横須賀支部を除く3支部が裁判所を出て独立の支部事務所を持つに至った。
 最後に残った横須賀支部はどうするのか。横須賀支部でも支部事務所の移転の問題は検討し、平成16年1月の支部総会では真剣な議論が闘わされた。平成16年8月には横須賀の相談センターを移転させる必要があり、相談センターを移転するに際し、弁護士会支部事務所を併設した方がいいのではないかという意見があったからである。そして支部総会の結論は、「相談センターのみ移転し、支部については現在のまま裁判所の中に間借りする」というものだった。
 相談センターを移転するならば、市民に利用しやすいように交通の便利なところでなければ意味がない。支部事務所を作るならば、裁判所から遠く離れたのでは使い勝手が悪い。ご承知のとおり、裁判所横須賀支部は交通の便の悪いところにある。いろいろ検討したが、弁護士にとっても市民にとっても使い勝手のよい手頃な建物がなかったのである。
 現在の裁判所が移転する可能性も否定できない。そのときにはじめて横須賀支部の支部会館が現実味を帯びてくる。相談センターは、もとの場所から50メートルも離れていない場所に移転した。支部事務所は、裁判所に間借りしたままである。

常議員会レポート 第9回(平成16年11月11日)
 臨時総会の招集と議案の提出について審議し承認した。
〈第1号議案〉
 前回常議員会で設置規則を制定した日本司法支援センター対策特別委員会の委員22名を選任したほか、日弁連・関弁連委員及び行政関係委員の推薦など、提案どおり承認した。
〈第2号議案〉
 神奈川県、横浜市、川崎市に対して、包括外部監査人候補者各3名を推薦した。
〈第3号議案〉
 東京弁護士会から登録換えの入会申込者(56期)1名があり、異議なく承認した。
〈第4号議案〉
 臨時総会の招集及び議案提出について審議し、承認された。あわせて、会則及び外国特別会員会の一部改正に関する常議員会の意見を求めた。
 提出予定の会則一部改正案は、これまで常議員会付議事項とされていた事項のうち、建議・答申(会長声明等)に関する事項を例外的に事後報告で足りるとすることのほか、対外的人事推薦を原則として人事委員会付議事項とし、これに伴って人事委員会を会則上根拠づけること、職員の任免等に関する事項についても常議員会事項から外すこと、並びに、弁護士職務経験法の施行に伴うものである。
 これらのうち、建議・答申に関しては、総会への報告を要することとする「特に重要な」との要件は付するべきでない、事後報告でなく事後承認を要することとすべき等の意見があり、常議員会としては、これらの各意見を参考に条項案の作成を求めるとの意見とした。
 また、人事推薦に関しては、常議員会の承認を求める重要な人事案件を定める規則の制定予定についての説明を前提として改正に賛成意見であり、職員の任免等に関しても、事務局運営室設置規則の改正を条件として、常議員会事項から削除することに賛成意見であった。その他の会則及び外国特別会員会規の改正については、いずれも賛成意見であった。
 なお、第11議案として提出される「市民のための司法の実現とその財政的基の確保を求める決議」については、方向性を承認したうえ、文案については執行部に一任した。

〈第5号議案〉

 「全国サービサー協会からの債権管理回収業に関する特別措置法改正に関する要望書」に対する日弁連の照会書に対して、消費者問題対策委員会の意見等を参考にした意見書を日弁連に提出した旨説明があり、承認した。
〈緊急議案1〉
 新潟県弁護士会への震災復興援助として、義援金寄付及びボランティア弁護士の登録等について、具体的方法は執行部に一任して行うことを承認した。
〈緊急議案2〉
 本部扶助課配属のパート職員1名の採用を承認した。
〈報告事項〉
 本年度人権賞受賞者が、「夜回り先生」水谷修氏と在日高齢者交流クラブトラヂの会に決定されたことのほか、新潟県弁護士会にお見舞文を送付したことなどの報告があった。
常議員からズバリひとこと
 当会の常議員会は、いつも能率的というわけではない。けだるい午後である。そんな中、理事者の提案説明を聴いて、なにか落ち着きの悪さ、いい足りなさを感じていると、必ずどなたかが手を上げて、最初は周辺部分、そして段々と核心が掘り出されてゆき、最後にはピントが合ってくる。気がついてみると結構大事なことだったね、と思う。そんなことの繰り返しだ。でも、理事者は忙しそうだし、今後ますます重要案件が増えたら「そんなことの繰り返し」が出来なくなるなぁ。
 大事なことが揉まれることなく、ストンと決まってしまう危うさ。
 11月11日の常議員会の議論は、常議員会の本質的な課題を言い当てていた。
(42期 田中 徹男)

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