横浜弁護士会新聞

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2004年5月号(3)

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理事者の独り言
副会長  橋本 吉行
 理事者に就任して日も浅く、弁護士会の仕事をこなしていると言うよりは弁護士会の仕事にただただ驚いている毎日である。驚きの中でも、感心して驚いたことのトップは事務局のまことに頼もしいバックアップぶりである。日弁連等の取り扱い、当会の会則、会規上の位置づけ、従前の例など、疑問に思うことがあればすぐそれに関係する資料のコピーをとって理事者室に持って来てくれる。頼もしくありがたい限りである。各種委員会に所属される会員諸先生の真摯な活動ぶりにも驚かされる。司法改革の嵐のなかであらゆる体制が見直されてきているが、実に熱心な議論が展開され、議論は意見書等の文書として残されていく。委員会の中で異質に映る社交委員会の働きぶりも刮目に値する。名前のせいか軟弱な委員会と思われがちだが、一年間に会員が集まる会合・式典等は相当数に上り、その会場の手配、人数の予測、当日の進行など社交委員会が存在しないとお手上げ状態になることに驚かされる。
 感心したのではなく戸惑って驚いたことは大小問わずに挙げれば数限りない。そもそも会長・副会長のことを理事と言わず理事者と言うのも驚きだが、理事者が目を通す文書が受信文書だけでも年間3000件を超えていることやら、理事者が会務で外に出かけても交通費すら出ないことがあることやら、会務に伴う出費を理事者がしても弁護士会から費用が出ないために例年理事者は自己のポケットマネーを拠出して理事者会計の名のもとに管理していることやら、会館の時間外利用があった場合に最後の見回りをするのは理事者であることやら、理事者の会議室にはエアコン暖房が入っておらず、電気ストーブ2個を入れて寒さをしのいでいることなど…こちらの驚きもまことに新鮮といえば新鮮で、これを受け入れて行く自分がちょっと怖い感じがする。
 ところで、最後に理事者になって一番驚いたこと。それは三木副会長が副会長就任を機に永年嗜んできたタバコをやめたこと! これって、新聞に書いちゃっていい? て聞くと二つ返事でいいときっぱりと答えたことにまた驚いた。

私の独立した頃(98) 岡村三穂会員の巻
準備書面は写真屋さんでコピー
 1972年4月、当時横浜駅西口にあった横浜法律事務所に入れていただき、私の弁護士生活が始まりました。その4年後、夫が国政選挙に出馬したのを機会に、当時厚木にあった相模合同法律事務所に移りましたが、それが私の独立と言えるでしょうか。
 横浜法律事務所に入って間もない新人3年目でしたが、真新しい最高裁判所で弁論する機会が巡ってきました。横山國男先生を筆頭にして私も一員に加えていただき、逆転勝訴した事件です。ちょっと遅れて建物に入った私は慌てて近道をしようとしたところ、新しい建物の廊下は迷路のようで、どうにも目的場所にたどり着かず、元の位置まで戻ってやり直したことを覚えています。
 76年4月から相模合同法律事務所での仕事が始まり、自宅は平塚・事務所は厚木・裁判所は小田原という三角形を移動する毎日となりました。平塚・厚木間は交通の便が悪く、自動車運転免許を持たない私はバスを乗り継いで通う日々、しかも幼子を抱えて時間のやり繰りに四苦八苦し、間もなくダウン!やむなく平塚にあった団体事務所の一角を間借りし、そこで準備書面を手書きする始末、書き上げた準備書面は裁判所近くの写真屋さんでコピーし、ホチキスを借りて完成となるのです。最後のページ(当事者名がなくて良かった!)をコピー機上に置き忘れ、親しくなった写真屋のご主人に指摘されたことがあり、思い出すと今でも冷や汗が出てきます。
 写真は74年の秋、横浜法律事務所と馬車道法律事務所に加え、協力関係にあった弁護士と事務局の方々が参加した木曽路の旅の1コマです。すでに故人となられた陶山圭之輔先生、三野研太郎先生の元気なお姿もあります。この旅行には陶山和嘉子先生、佐伯剛先生、三浦守正先生も参加されたはずですが、この撮影の時にはどこにいらしたのでしょうか。

常議員会レポート 第1回(平成16年4月8日)・第2回(平成16年4月22日)
 第1回(4月8日)
〈第1号議案〉
 議長に岩村智文常議員(31期)、副議長に水地啓子常議員(35期)を選任。
〈緊急議案〉
 登録替えの入会申込者は異議なく承認し、旧々5条3号の申込者は小委員会を設置して検討することとした。
 第2回(4月22日)
〈第1号ないし第3議案〉及び
〈第13号議案〉
 人事案件。一括審議を承認したうえ、提案された人事案件を全て承認した。
〈第4号議案〉
 登録替えの入会申込者2名と元検事・公証人の入会申込者については異議なく承認し、旧々5条3号の申込者については小委員会であわせて検討することとした。
〈第5号議案〉
 人権救済申立事件に関する要望書の件
 横浜刑務所の受刑者が、投薬を願い出たにもかかわらず、願出に必要な願箋用紙の交付を受けられなかったとの人権救済の申し出に対し、これを人権侵犯行為と認め、横浜刑務所に対し、今後速やかに願箋を交付すべく職員に指導徹底されるよう要望するとの人権擁護委員会提案の要望書に対し、願箋を交付しなかった具体的事実関係、願箋交付についてのシステム等について、多くの質問が出された。
 また、要望の趣旨について、個人の救済と制度運用に関する要望をどのように考えるべきか等の意見も出され、これら常議員の意見を踏まえて、人権擁護委員会と理事者において再検討したうえ、次回継続して審議することとした。
〈第6号議案〉
 刑事弁護人・少年付添人推薦のための当番弁護士制度運営要綱一部改正の件
 当番弁護士・少年付添人の推薦について、国選弁護人推薦と同様の事前承認及び推薦停止制度を設置する規則改正案が提案された。
 これに対し、会員の権利を制限する制度であり、本来会規によるべきであるとの意見のほか、事前承認と推薦停止の要件、少年が起訴された場合の当番弁護士の義務に関する解釈などに関し多くの質問・意見が出されたが、早急に制度を設置したいとの理事者の強い要望により、理事者において、会規とすることも含めて継続して検討されたいとの要望を付して、提案どおり承認した。
〈第7号議案〉
 国選弁護人推薦名簿について、毎年名簿搭載希望の取り直しをせず、会員の希望の都度追加・抹消することとする規則改正を承認した。
〈第8号議案〉
 横浜弁護士会司法制度改革実現本部の委員を構成する委員会の改組・名称変更による同本部設置規則の一部改正を承認した。
〈第10号議案〉
 サービサー法による取締役推薦の申出について審議し、常勤の意義等について継続して調査するため、次回継続審議とした。
〈第11号議案〉
 平成16年度4・5月暫定予算につき、予備費から相模原支部及び県西支部の支部及びセンター事務所の家賃等に充当することを承認した。
〈第12号議案〉
 通常総会の招集及び提出議題のうち決算承認・予算等に関する議題について承認した。
〈緊急議案〉
 パート職員補充採用の件について承認した。
常議員からズバリひとこと
 私は、初めての常議員であり、かつ、本年度の常議員の中で2番目に若い期の出身である。当然、知識・経験とも、至らない点が多いが、第1回常議員会における諸先輩方の「若手にどんどん発言してもらいたい」という言葉を実践すべく、分からない事柄については、素直に質問・勉強をし、自分なりの意見がある事柄については、積極的に発言をしていきたい。結果、少しでも常議員会が活性化し、自分も成長できれば幸いである。
(53期 徳田 暁)

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