横浜弁護士会新聞

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2004年7月号(1)

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平成16年度定期総会 高橋執行部の舵取りや如何に
財政の厳しい状況変わらず
 5月26日当会会館において定期総会が開催された。4月からの高橋執行部にとって初めての会員総会で、高橋会長がその所信を表明し、さらに決算・予算、日弁連副会長に就任した会員への活動費の支給に関する会規制定等の議案を審議し、全ての議案が賛成多数で可決・承認された。
所信表明
 高橋会長は所信表明において、司法制度改革が制度の実施段階に及んでいる中で、「夢と誇りの持てる弁護士会」を目指すと述べ、地域司法の発展への取り組みや都市型公設事務所の設置といった目標を提示した。
議案
 第1号議案の平成15年度決算が前期の会計担当副会長小島衛会員から報告された。
 続いて第2・3号議案の平成16年度予算及び17年度4・5月分暫定予算案が審議された。
 予算案によれば、一般関係においては前年度同様の収入を見込んでいる。しかし、支出面では後述の日弁連副会長活動費や消費税の本則課税への対応のために公認会計士に対して支払う顧問料といった支出が新設されており、最終的な収支の予想としては単年度収支では赤字となっている。いずれにしても会の収支は依然厳しい状況と言えよう。
 会計担当の本間副会長からは収入を増大させるために新入会員の受け入れを増やすことや、支出を減少させるために会館内での不要不急のコピーを控える等の要請があった。今年度においては会費値上げは行われないようだ。しかし、高橋会長の所信表明にある公設事務所の設置等今後会からの大きな支出が予想される事項は増大することが予想されており、そういった支出の増加にどのように対応していくのかについて十分に検討していく必要があろう。

当会選出の日弁連副会長に活動費を支給 4号議案
 「日本弁護士連合会副会長に就任した会員に対する活動費の支給等に関する暫定措置会規」が、圧倒的多数の賛成により可決された。
 本議案は支出を伴うものであったが、質問、意見は全く無かった。これは当案件に関して、既に2月6日に実施された会員集会を経ていること、及び、執行部の提案理由に十分説得的な理由があったからであろう。
 当会において、会務・公益活動は当然のごとく無報酬が原則であった。司法改革等社会情勢の流れとともに、会務・公益活動が質量共に増大し、時として弁護士業務自体に影響を及ぼしかねない状況が生じる事態となってきた。ここに、会務・公益活動に対し報酬等の支給を検討する必要が迫られることとなった。
 理事者交際費・交通費・宿泊費を除けば、当会における報酬等の支給には、平成12年6月から実施されている調査室員に対する報酬の支給(室長月額20万円・室員月額15万円)、及び、1月30日開催の臨時総会で決議された法科大学院教員に対する調査費の支給(今期の支給該当者は辞退されたとのこと)のみであり、その例は極めて少ない。
 最近における他会での会務・公益活動に対する報酬等の支払の例としては、東弁における平成16年度以降の会長・副会長に対する年額各600万円以内の経済的支援の実施がある。
 当会における関連問題としては、5月20日当会会長から総合改革委員会に「理事者交際費・交通費・宿泊費が会予算で適正に計上されているか、改善点があるとすればどのような点であるか、検討されたい」との諮問がなされている。当諮問については、本年度中に答申が提出される予定である。
 当会としても、会員の会務・公益活動に対する報酬等の問題は今後避けて通れない重要問題となってこよう。

3人の後に続け!弁護士任官推進関東ブロック大会
 5月8日、ロイヤルホールヨコハマにおいて、日弁連関弁連共催の「弁護士任官推進関東ブロック大会」が開催され、全国から130名以上の弁護士らが参加した。集会では、最初に、全国及び横浜での弁護士任官推進状況の報告がなされ、続いて実際に裁判官・調停官として活動している人たちの話となった。
 最初の報告は、今年の1月から横浜簡裁で民事調停官(週に1日だけ調停の主宰者として活動する「パートタイム裁判官」)として活動を開始した惠崎和則・両会員からの報告であり、新設の調停官という仕事がいかに魅力的であるかという内容であった。その次に5人の弁護士任官裁判官が登壇し、弁護士任官の楽しさを話した。当会から昨年10月に任官した渡辺智子・阿部雅彦両氏と今年4月から任官した間部泰(山田泰)氏に加え、横浜地裁で4月から勤務している尾崎康氏と、渡辺氏の部の部総括となった水野邦夫氏(元日弁連事務次長)である。いずれの裁判官の話も、ユーモアに富んだ語り口で、裁判官の仕事が弁護士と違う魅力を持った楽しいものであることを強調していた。特に任官して1か月の間部氏は、弁護士時代にこんなに話をしただろうかというくらい、生き生きと保全部での仕事を語っていて、水を得た魚というような印象であった。
 この集会を受けて、ぜひ横浜から3人の後に続く、弁護士任官が出ることを期待したい。
(小野 毅会員)

「横浜弁護士会紛争解決センター」に改称
 「あっせん・仲裁センター」はその業務内容について市民が理解しやすいように名称を「横浜弁護士会紛争解決センター」に変更します。

山ゆり
 我が家には5歳と3歳の子がいる。言語の習得といった知的部分では一生のうちで最も成長の度合いが大きい時期のようである
子供たちは毎日新しい言葉を幼稚園での遊びやテレビの中から見つけ出しては物まねして使っている。アーやウーとうめいていた時期からわずか数年で多くの単語を覚え、さらには幾つかの単語をつなげて話すようになり、ついには親をやり込めるような厳しいことも言うようになるのである。先日など話の中でちょっと冗談を言ったら「嘘八百だな」などと言われた
とても意味がわからないであろう言葉でも音で覚えるらしく使ってみる。そして親や大人は正しい使い方なら褒め、誤った使い方ならそれを正すのである。彼らは間違えることになんらの羞恥心も覚えないようで気楽そうである。 イラスト
さて、自分はここ数年新人弁護士として言わば幼児期を過ごしてきたが、子供たちと同じように成長しているのだろうか。仕事である以上子供が言葉を覚えるときのように簡単に間違えるわけにはいかないが、先輩たちのやり方を真似しつつより良いものを目指す努力は怠るまい。
(佐藤 裕)

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