横浜弁護士会新聞

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2004年8月号(4)

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理事者の独り言
副会長 三木恵美子
 副会長になってから、今日のそして明日の日程に追い立てられるようにして、90日が経過した。7月はじめ、家裁と子どもの権利委員会との懇談会で、「昔の暴走族のヘッドやサブは自分を少年院に送って他は勘弁してくれと言ったけど、近頃のは“なりたくってなったんじゃねえ”とか言ってばかりいて腹が据わってない」という話を聞き、「これって、私のことだ!」と反省した。
 そこで、自分の担当で、05年4月までにやらなきゃならないことを逆算してみることにした。
 裁判員制度は5年後に実施というものの、06年には改正された刑訴法が施行されて、公判前争点整理や連続開廷が導入されるだろう。すると、これらについての運用の細則を05年度内に決めておかねばならない。そのためには、05年度早々に改正刑訴法と裁判員法にもとづく裁判を試行し、それぞれ研修を積んで、また実験して、研修してということになる。となると04年中に3庁協議会を作り、実験の日程や段取りを決めておかねばならない。また、裁判員制度を支えるためには、司法教育委員会の学習・意識化活動に期待するところ大であり、年度内に市民とともに作るシンポジウムを実現したい。
 言うまでもなく、敗訴者負担は、今年の9月の臨時国会が正念場とすると8月に準備は、…あれれ、また、今日の明日の、の話になってしまった。
 それにしても神奈川地域司法計画と、会務負担の公平化ぐらいは、横弁の総意をみんなで練って、きっちり出したい。
 追伸:横弁の規則とか、先例って、整合性のないところがある。問題点のピックアップだけはしておくから、こういうのをきちっと詰める人、来年の副会長になってください。

私のホビー
ホテルウォッチングって何?
西川 雅晴  会員
 「ホテルウォッチング」と聞いて首を傾げる方も多いだろう。ここで、「ホテル」と言うのはリゾートホテルのことである。「ウォッチング」と言っても批評家的精神で観察する訳では無い。チェックイン早々に部屋に入り、酒を飲んだり、本を読んだりして、ぶらぶら過ごす、ただ、それだけである。その行為は何とも名づけようがないから、他人には「ホテルウォッチング」と称している。旅行をしても基本的に名所、旧跡は訪れない。沖縄には何度も行ったが、首里城にも足を運んだことが無い。
 怠惰な時をホテルで過ごすことに何らかの意味があるのかと問われたならば、自信を持って「ある」と答えよう。良いリゾートホテルには不思議な非日常的空気が満ちていて、その空気が疲れた心身を確かに回復させてくれるからである。
 実際の所、そうしたホテルは数少ないが、その幾つか紹介しよう。
ホテルオリカ
 北海道、富良野のホテル。部屋から富良野の美しい田園風景と十勝岳連峰を一望できる。
八甲田ホテル
 東北、八甲田山麓にある木造ホテル。紅葉の時よりホテルが雪に埋もれる冬が私の好み。
宮古島東急リゾート
 沖縄、宮古島のホテル。ホテルから見る海の美しさは日本のホテルの中で随一。ある方は「天国の入口」と表現した。
カヌチャベイホテル
 沖縄本島、名護市のホテル。ジュゴンが生息する美しい海を一望。
 あと、ウィンザーホテル洞爺(北海道、洞爺湖)、ホテルグランデコ(裏磐梯)、屋久島いわさきホテルなどなど。
 長期間、良いホテルに滞在しているとある日、心の中でカチッと音がして至福の時が訪れる。それは心のギアが「弁護士」から「人間」にチェンジする音である。その時、ホテルと言う作られた天国は真実の天国に変わる。誰かが言ったようにホテルはやはり天国への入口なのだ。

常議員会レポート 第5回(平成16年7月9日)
〈第1号議案〉
 各種行政関係委員等の推薦及び当会委員会委員の選任など人事案件16件につき審議した。
 司法研修所教官については、自薦・他薦アンケートを実施したが、今回は推薦見送りとした。
〈第2号議案〉
 会員からの会費免除申請があり、承認した。
〈第3号議案〉
 刑事弁護センター運営委員会による国選弁護人希望者名簿搭載の不承認議決に対する不服申立に関し、申立人の意見陳述を聞き、次回に継続して審議することとした。
〈第4号議案〉
 前回常議員会において承認された川崎支部事務所の移設に伴う諸経費を予備費から流用して支出することを承認した。
〈第5号議案〉
 横須賀商工会議所の移転に伴い、明渡しを求められていた横須賀法律相談センターの移設を承認し、移転先の賃貸借契約締結を承認した。
〈第6号議案〉
 消費税の本則課税適用により、当会の顧問公認会計士に対し、消費税に関する申告書作成及び税務代理を委託すること、及び報酬額増額を了承した。
〈第7号議案〉
 神奈川県知事から国、裁判所、検察庁に対し、裁判官・検察官の増員等に関する要望書提出を要請するため、参考として、県に対して当会司法制度改革実現本部の企画による「神奈川司法計画に関する要望書」を提出したいとの提案に対し、議会情勢等に鑑み、提出時期については慎重に配慮されたいとの意見を付して、了承した。
〈第8号議案〉
 関東十県会夏期研修会実行委員会作成による報告書「建築請負・建築瑕疵の法律実務」の概要が報告され、ぎょうせいとの出版契約の締結を了承した。
〈第9号議案〉
 BC級戦犯横浜裁判調査特別委員会の最終報告書「法廷の星条旗―BC級戦犯横浜裁判の記録―」を日本評論社から出版することを承認した。
〈第10号議案〉
 国選弁護人の報酬の支給基準減額に断固抗議するとともに、国選弁護人に対して適正な報酬及び実費の支払いがなされることを強く要望するとの会長声明を承認した。
〈第11号議案〉
 交通事故相談員支援事業の地方自治体から内閣府への事業移管に伴い、内閣府の委嘱による交通事故紛争処理センターとの間で交通事故相談員アドバイザー業務委託契約を締結することを了承した。
〈第12号議案〉
 神奈川県社会福祉士会の「成年後見制度地域啓発事業実施」に関し、後援することを承認した。
〈第13号〜18議案〉
 あっせん・仲裁センター会規を紛争解決センター会規に改正したことに伴い、和解あっせん・仲裁手続規則、同手数料規則を制定する等、必要な規則等の改廃について審議し、いずれも提案どおり承認した。
〈第19号議案〉
 「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の成立に対する会長声明について、趣旨を承認し、字句修正等は執行部に一任した。
〈第20号議案〉
 パート職員を1名枠増員し、2名採用することを承認した。
〈報告事項〉
 懲戒審査の開始、保証制度の見直しに関する要綱中間試案についての会長談話の発表、同試案についての司法制度委員会の意見書提出等についての報告があった。
常議員からズバリひとこと
 前年度理事者として今期の常議員となりました。今期理事者を支えるために協力をしようと毎回出席を心掛けている。先輩の会員、期の若い会員の発言が目立ち、議論は活発である。横浜刑務所在監者からの人権救済申立、国選弁護人の事前承認とか、議論すべき内容も豊富である。夏を迎え現執行部の独自色が出て来る頃になり、楽しみだ。
(36期 小長井雅晴)

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