横浜弁護士会新聞

back

2006年1月号(1)

next

霧氷の窓辺
霧氷の窓辺
 綿毛のように乾いて細かい雪が舞う北極圏。白い大地と灰色の空に挟み込まれた異空間。そこに街があり、家があり、窓がある。
 葉を落とした樹々。無数の枝先が霧氷を纏い、白くこごえて凛気を放つ。
 北緯六八度の太陽は、いま三月も低くて遠く、真冬には終日昇ることさえもない。この地にも、人は鉄鉱石を求めて町をつくり、フィヨルドまで、地球最北の鉄道をひいた。
 キールナ。サーメ語でライチョウのことをいう。
福田 護会員

謹賀新年 横浜弁護士会 会長 庄司 道弘
 平成18年の年始め皆様はどのようにお過ごしでしょうか。年頭にあたり皆様の今年1年のご健康とご清栄をお祈り申し上げます。

 年始めですので、過去3年間の司法制度改革を受けて、これからの15年間の弁護士と弁護士会の将来を考えてみましょう。
 何故15年間なのかは、かつて、陪審制は15年で停止したからです。まず、平成21年から開始される裁判員裁判が充実した市民の司法として15年後に、見事に定着するために、個々の弁護士とそれを支える弁護士会の役割は極めて重大です。
 とりわけ、ここ数年は公判前整理手続における類型証拠、関連証拠の証拠開示手続への十分な取組と連続公判手続に耐えうる為の会員にとり頼りがいのある確かな拠点が作られなければなりません。
 更には、今年から始まる被疑者国選事件に伴いいわゆる18年問題、21年問題といわれている現在の10倍程度の規模に膨らむ、爆発的な被疑者事件の増大に向けて、弁護士及び弁護士会が十分な準備を完了する必要があります。このために、国選義務化への準備とオール神奈川方式として本部、支部いずれの会員も事務所所在地のみならず居住地を含めて、機動的に従事する体制を整備する必要性があります。
 更に、今年4月に設立され10月より業務が開始される日本司法支援センターの準備と展開、1月から始まる筆界特定制度、4月から始まる労働審判制度、既に開始されている心神喪失者等医療観察法、法科大学院、弁護士任官、裁判官等の他職経験、任期付行政職員への就任等についても弁護士会として益々重要な役割を担っていかなくてはなりません。
 また、法曹人口が平成21年からは3000人合格体制になり、これに伴い弁護士会として何を準備すべきか、とりわけ研修体制の充実、専門弁護士の育成並びに平成17年に脆弱性を露呈した綱紀懲戒制度、市民窓口などの苦情制度の機能回復を図ることが今後の弁護士会の重要な目標といえます。
 これからの弁護士及び弁護士会は益々忙しくなりそうです。

山ゆり
 本号で紹介のとおり、昨年11月、韓国の水原(スウォン)地方弁護士会が当会を訪問した。交流会は2日間にわたり、文化セミナー・懇親会・サッカーを通じて両会の親睦を深めた。セミナーでは、韓国でも導入を検討しているロースクールの現状について質問が集中した。隣国も司法改革のただ中にあることを知り興味深かった
韓国といえば、3年前の秋、私は韓国ドラマ「冬のソナタ」のロケ地訪問ツアーに参加した。ロケ地として最も有名な南怡島(ナミソム)の並木道をはじめ、主人公の2人が塀を飛び越えた春川(チュンチョン)高校、2人が駆け抜けた東海(トンヘ)の海岸など、数々の名所を巡った。ロケ地となった民家のおばさんに外国人観光客が多数訪問してくることの感想を尋ねると、「韓国にお金を落としてくれるから外国人は大切」と笑顔で答えてくれた
「韓流」と呼ばれる韓国大衆文化ムーブメント。その原因については、金大中政権の映画振興政策・韓国の映画教育の充実など、様々な意見がある。突然のブーム到来に思えるが、その成功は韓国の戦略と努力があってのことだろう
水原地方弁護士会と当会との交流会は3回目を無事に終え、定期的な交流が実現しつつある。両者の交流は、韓国側の突然の訪問がきっかけだとか。こちらの「韓流」も成功を収めたようである。
(本多麻紀)

▲ページTOPへ
戻る
内容一覧へ