横浜弁護士会新聞

2007年9月号  −1− 目次


公益活動等ポイント制ってどんなもの?
覆面座談会出席者
一般的会員(A)
公益活動等をほとんどやっていない会員(B)
理事者(C)
多重会務者(D)

[A] 今期の執行部はポイント制の実現に意欲を見せているね。
[B] ポイント制って? 弁護士協同組合の新サービスか何か?
[A] 違うよ、公益活動等のポイント制のことだよ。
[B] ああ、国選弁護や委員会活動が義務化されるって話か。俺、何もやっていないから、義務化は困るなあ。
[C] いや、公益活動や委員会活動の義務化なら、既に平成11年2月の臨時総会で、会則に九条の二の規定が追加されるとともに、「会員の公益活動及び委員会活動に関する会規」と「横浜弁護士会委員会通則」が制定されて、一応実現しているんだ。
[A] それなら今回のポイント制の趣旨は何なの?
[C] 今回のポイント制は、会員間における公益活動等の負担の公平化を図るとともに、あまり公益活動等を行っていない会員にも、積極的に活動に参加してもらうための制度と考えて欲しい。
[D] 具体的には、どのような内容の制度が検討されているの?
[C] うん、公益活動等をポイント化し、一定のポイントに満たない会員には、財政的貢献として、不足ポイントに応じた負担金を会に支払ってもらおうと考えている。具体的には、例えば、委員会に1回出席するのを1ポイントとするなど、各活動にポイントを設定する。そして、仮に基準ポイント数を年間15ポイントとすると、年間12ポイントしか獲得できなかった会員には、不足分の3ポイントについて1ポイント1万円の割合で負担金を納付してもらうわけ。
[A] でも当会って、そんなポイント制を設けなければならない状況にあるの?
[C] 当会の旧総合改革委員会の調査によれば、平成17年度においては、法律相談を除いた公益活動に全くかかわらず、かつ委員会にもほとんど出席しない会員が14パーセントもいるんだよ。
[D] えー、そうなの? 私なんか、扶助事件も当番も国選も、それぞれ年間10件くらいはやっているし、会内委員会なんか3つも入っていて、それに官公署から委嘱された委員会の委員も含めると、うーん、気が遠くなりそうだわ。
[C] 確かにDさんはすごいね。ただ申し訳ないんだけれど、今回のポイント制は、公益活動等を熱心にやっている会員を表彰しようというものではないんだ。そうではなくて、ほとんど全く公益活動等をしていない会員に、少しでも活動に参加してもらうことによって、会員間の負担の公平化を進めたいんだよ。
[A] そうだとすると、年間の基準ポイント数が重大な問題だよね。
[C] そのとおり。この基準ポイント数は、普通に公益活動等を行っていれば楽にクリアーできるものでなければならないと考えている。全会員の平均獲得ポイント数の半分くらいが目安となるかな。
[B] 「まあ、そのくらいだったら仕方ないのかな。
[D] でも、今後弁護士は大幅に増えていくことが予想されるわけだから、そんな制度を設けなくても、会員一人当たりの負担は小さくなっていくんじゃないのかしら?
[C] そうなればいいね。しかし、東京三会や大阪弁護士会のような大規模会でも同じ悩みを抱えているんだよ。既にこれらの会は、いずれも公益活動の負担金の制度を設けているんだ。当会ではまだそれほど状況はひどくないけれど、ひどくなる前に手を打っておきたいんだ。
[A] 会内合意に向けての今後の予定はどうなっているんだい?
[C] 執行部としては、今年の9月26日に会員集会を予定している。そこで広く会員から意見を出してもらって、それを踏まえて更に検討を加え、12月6日の臨時総会で、会員に賛否を諮ろうと思っているんだ。
[B] 負担金を支払うのが惜しいわけじゃないけど、みんながやるんだったら、俺もやらなきゃな。これからは頑張るよ。
[D] そうそう、その意気。
解説
 現在、執行部では、(旧)当会総合改革委員会から平成19年3月15日付けで提出された提言の趣旨を実現するため、公益活動等のポイント制(仮称)の来年度実施を検討しています。
 今次の司法制度改革は、既に制度の実施段階に移っていますが、それに伴い、弁護士会が果たすべき社会的役割も増大し、弁護士が無償ないし低廉な報酬で行うべき公益的業務や会務活動も拡大の一途を辿っています。
 そのような状況の中で、当会においても、公益活動等を行う会員と行わない会員との不平等が、従来に増して拡大しつつあります。
 今回のポイント制は、このような不平等を是正し、公益活動等を行っていない会員にも、積極的に活動に参加してもらうことを目指しています。
 確かに、純粋な奉仕の精神に基づき公益活動等を行っておられる会員にとっては、公益活動等のポイント化は、自らの活動を弁護士会によって評定されるかのような不快感を持たれるかもしれません。
 しかしながら、本ポイント制は、決して会員の活動を評定しようとするものではなく、あくまでも負担の公平化を図り、最低限の不公平を是正すると同時に公益的活動への参加を一層推進するための方策であると考えて頂ければと思います。
 また、不足ポイントに応じて負担金を支払うという制度は、逆に、公益活動等を行わない会員に、負担金さえ支払えば問題はないだろうという免罪符を与えるのではないかという危惧もあろうかと思います。
 この点についても、あくまで負担金を支払う基準となるポイント数は、一般の会員が平均的に行っている活動の半分以下でしかありません。負担金を支払っても、一般の会員と同程度の貢献をしていることになるわけではないということもご理解願えればと思います。
 ともあれ、9月26日に予定されている会員集会では、この制度に関心を持っておられる多数の会員の参加を得て、充実した議論がなされることを期待しております。
副会長 中村 俊規

山ゆり
 同じ事務所の先輩弁護士が出産した。つい先日まで、お腹の中にいた胎児が、今は1人の人間として存在していることが、とても不思議で神秘的だ
 私が20代半ばになった頃だったか、父が酔っぱらいながら私に言った。母が私を身ごもっていたとき、心音が聞こえなくなったことがあったらしい。医者は、母に早く処置した方が良いと勧めたものの、母はもう1週間だけ待って欲しいと言って断った。そして、後に診察を受けた結果、特に異常はなく、母は私を無事出産したのだと
 私は無性に嬉しかった。恥ずかしながら涙があふれた。母への感謝と、自分の命がこの世に存在することの神秘さを感じずにはいられなかった
 昨今、熊本市で赤ちゃんポストが設置され、賛否両論言われている。命が救われる一方、匿名で預けることができるため、育児を放棄する無責任な親を生みかねないとの懸念も理解出来る。それぞれに事情があるだろうが、親の愛情を受けられない子供たちが不憫でならないお月見
 父から話を聞き、母に真偽を確かめようと聞いてみると、母は「そんなことあったかしら?」と笑っていた。父が作り話をしたとも思えず、母は忘れてしまったのか、それとも照れ隠しか。先輩弁護士の奮闘を間近に見ながら、母のもとに産まれたことを感謝しつつ親孝行を誓う日々である。
(大河内 万紀子)  

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