横浜弁護士会新聞

2010年2月号  −2− 目次

千葉景子法務大臣就任祝賀会 「やっぱりここが実家だなあ」 激務への意気込みも
 当会所属の参議院議員である千葉景子会員(34期)が昨年9月に法務大臣に就任したことを祝い、12月14日夜、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルにおいて同会員を囲む会が開催された。
 千葉会員は修習地も横浜で、当会岡部光平会長とは同期同班。岡部会長の修習旅行の思い出話から宴は始まり、千葉会員から、弁護士魂を忘れずに大臣の職務に立ち向かいたい旨の挨拶があった。
 花束や記念品が贈呈され、乾杯となった後は、千葉会員にゆかりの深い諸会員からの祝辞が続いた。勤務先事務所の先輩野村和造会員からは、入所時の面接で千葉会員が「男性を見る目はあります」などと言ったという秘話が公開され、修習先事務所に所属していた木村良二会員からは、当時から初々しい中に熟した雰囲気があった、にこやかで涼しげに上に昇っていくタイプに感じたとの言葉。
 同期の藤村耕造会員からは、議員に立候補して初演説をしたときは声が裏返っていたと。そのほかの会員のスピーチでも、千葉会員の飾らず偉ぶらない人柄や人権問題への地道な取組みが紹介され、また大変な立場に就くことへの激励と成果への期待の言葉が贈られた。当会会員で一年生議員の横粂勝仁衆議院議員もかけつけ、いつもお母さん的にお世話になっていると話した。
 思わぬ秘話の連続に会場は沸き返り、千葉会員はにこやかながら照れまくりの姿。もう一度アンサーの機会を、ということでマイクの前に立った千葉会員。「色々な所から矢が飛んできて苦労する立場だが、やはり弁護士に原点を思い出す。取調べの可視化や人権の問題、民法改正にもしっかり取り組んでいきたいが、今日は大変あたたかく、やっぱりここが実家だなあと元気をもらった」と述べて最後を締めくくった。
 渡辺穣副会長の「当会は矢ではなく盾になる」との閉会の辞で終了。千葉会員が見事激務を乗り切っていくことを皆が願って幕を閉じた、素敵な夜の宴であった。
(会員 畑中 隆爾)

弁護士フェスタかながわ 2009 シンポ「学校に行けない子どもたち」 通い続けられるためのサポートを
 昨年12月12日、当会人権擁護委員会は、「外国籍の子どもの未就学問題を考える」というテーマで、4名のパネリストを招き横浜市開港記念会館にて、シンポジウムを開催した。フェスタのメイン会場から離れた会場ではあったが、まずまずの盛況で、パネリストの鋭い問題提起に皆真剣に聞き入っていた。
 最初に、多文化共生教育ネットワークかながわの代表で現役の高校教師である高橋徹氏から、学校に通う外国人の子ども達の現状報告があった。外国籍の子どもの高校進学率は非常に低く、たとえ通えてもいじめや差別に苦しむ現状が示された。
 次に、NPO法人外国人教育生活相談センター信愛塾センター長の竹川真理子氏から、外国籍の子どもの未就学問題は、古くから存在し、そして現在でも未だ解決の途上であるとの報告があった。非正規滞在のために親が子どもを学校に行かせない例があったり、就学しても親や子ども本人の言語の問題があったりし、解決すべき課題は山積している。
 最後に、ブラジル学校校長の松村マリザ・ヒロコ氏と「在日ブラジル人等の不就学児を無くす若手弁護士の会」呼びかけ人の沢井功雄会員より、1995年頃より急激に増加した在日ブラジル人の子ども達が抱える問題についての報告があった。ブラジル学校は法的には私塾扱いなので、不況により学費を払えずに通えなくなる子どもが増えている、しかし、かといって日本の学校ではいじめや差別の問題が激しく、結局未就学となってしまうということであった。
 様々な立場からの問題提起により、外国籍の子ども達に共通した問題が浮き彫りとなった。このような子ども達が日本の学校に通い続けるためには、文化や言語の相違を補うサポートが必要であるが、現在の日本ではそれがないに等しい。外国人との共生はもはや避けられないテーマであり、特に子ども達が日本で幸せに過ごすために、弁護士として何ができるのか、深く考えさせられたひとときであった。
(会員 石井 眞紀子)

弁護士フェスタかながわ 2009 劇団四部第2回公演 裁判員劇で各支部の存在感示す
 昨年12月12日に開催された弁護士フェスタでは、四支部が合同で「劇団四部特別公演 ザ★裁判員」と題する企画を催し、横浜市開港記念会館にて寸劇の上演とパワーポイントによる各支部の紹介をした。
 かつて四支部が催していた展示企画はほとんど人目を引いていなかったが、支部企画の存亡をかけて前年度に寸劇を上演したところ、有名劇団のデザインを参考にしたポスターも話題を呼び、会場から観客があふれんばかりの盛況となったため、今年の出し物も寸劇となった。
 今回の企画の準備は県西支部が幹事役となり、昨年4月から11月まで計6回の検討委員会を開いて進められた。各支部から集まるのはなかなか大変ではあったが、委員は活発に動いた。
 当初は各支部が労働審判など様々な場面の台本を持ち寄って検討していたのだが、東京地裁の裁判員裁判第1号事件が世間の注目を集めたため、話題性を考えて、急きょテーマを裁判員裁判に統一することとなった。そして支部ごとに台本を作って演目の稽古を行い、直前には本番会場を使用してリハーサルを行う支部もあった。
 公演当日、約100名を収容する会場はほぼ満席となった。寸劇は刑事裁判の流れに沿って進められ、裁判員に選任されることを心配する市民が弁護士に相談する場面を横須賀支部が、候補者の希望がまったく通らない裁判員選任手続の場面を県西支部が演じた。ついで川崎支部が従来型の裁判で無実を必死に訴える被告人があっけなく有罪とされる場面を演じ、そのストーリーを受けて相模原支部が刑事裁判の理想に目覚めた裁判員の評議により無罪判決が言い渡される場面を上演し、終幕となった。
 いずれの劇中でも、地域の司法が抱える問題点や会名変更の問題がさりげなく盛り込まれており、支部の存在を市民にアピールすることに役立っていた。
(会員 佐藤 直大)

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