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企業向けセミナー 開催事例
2026年3月開催分
2026年3月、神奈川県内にある公益社団法人様の主催により、登録施工業者スキルアップセミナーへ弁護士1名を講師派遣いたしました。高齢者向け住宅の改造施工に関わる施工業者の皆様を対象として開催されました。テーマは、「施主との良好な関係を築くためにできること ~住宅リフォームに関わる判例を紐解く~」です。
当日は、住宅リフォーム工事をめぐるトラブルの実情について統計上のデータを確認した上で、施主との関係で問題となりやすい場面や、トラブルを未然に防ぐために実務上留意すべき点について、判例や相談事例を交えながらご説明いたしました。
レジュメでは、住宅リフォームに関する相談件数が相当数継続していること、不具合だけでなく、契約関係、工期の遅れ、追加費用請求などをめぐる紛争も多いことを取り上げ、リフォーム工事においては施工そのものに加えて、契約時及び施工中のコミュニケーションが重要であることをお話ししました。
また、講義では、訪問販売型の詐欺的リフォームに関する典型的な相談事例にも触れ、消費者被害の実情と、適正な事業者として施主の信頼を損なわないために何が必要かという観点から解説しました。さらに、契約した内容どおりの施工が行われない、あるいは契約外の工事が問題となるといった、いわゆる約定違反リフォームの類型を題材に、紛争予防の観点から、契約内容の明確化、説明内容の記録化、追加変更時の確認の重要性などをご説明いたしました。
今回は、施工業者の皆様に向けた講習会ということもあり、単なる法令説明にとどまらず、住宅リフォームの現場で実際に問題となりやすい事項を意識しながら、施主との信頼関係を築くための対応、苦情や不具合申出への初動、説明義務や契約書面の整備の必要性など、日々の業務に直結する内容となるよう心がけました。判例を素材にすることで、どのような対応が紛争に発展し、どのような対応が紛争予防につながるかを、具体的にイメージしていただけるよう工夫いたしました。
住宅リフォームの分野では、技術的な施工能力はもちろん重要ですが、それに加えて、施主への説明、要望の聞き取り、工事内容や費用変更に関する丁寧な合意形成が、結果として大きな紛争を防ぎ、良好な関係の維持につながることを改めて共有する機会となりました。弁護士会としても、こうした実務に即した研修の機会を通じて、事業者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
