幸運のマンタ

2021年09月17日沖田　翼弁護士

　１　ダイビングは楽しい
　趣味でダイビングをしています。今はコロナなので、ダイビングをして「いました」という状態になるほど、直前のダイブから大分時間が経ってしまいました。

　飽きっぽい私がなぜダイビングを続けられているかというと、一言で言えば楽しいからだと思います。

　仲間と集まって車に乗り込み、騒ぎながら民宿まで移動するのはもちろん、エントリー（入水の意）した後陸とは違う３次元の動きができることも楽しいですし、現地の新鮮な海鮮と地酒もたまりません。何より海の中の生き物に会えるのが一番楽しいです。

　特に印象に残っているのが、沖縄の海での出会いです。

　２　マンタスクランブル
　「マンタスクランブル」とは石垣島の川平近くのスポット名で、比較的マンタの出現率が高いことで知られています。もっとも、仲間内での情報交換だと、一切でないこともザラらしく、マンタは幸運の象徴とも呼ばれています。

　入水前の打合せで、かなり揺れる海であることはわかっていたため、通常時もよりも重いタンクを使用し体勢が安定するよう備えました。

　午前１１時３２分エントリー、直後１０メートルほど離れた海面付近にウミヘビが泳いでいるのを発見しました。ウミヘビは毒をもっており、血清がないため、噛まれた場合はその部分ごとすぐ切除しないと命が危ういとのことでしたので、これには肝をつぶしました。

　海は想像以上に揺れており、とにかく右に左に体が揺さぶられます。岩にしがみつきながら、スポットを目指して地道に進んでいきました。なかなか見つからず、ガイドから別の場所を打診された時、ふと目をやると、マンタがゆったりと周遊しているではありませんか。激しく揺れる海の中、岩にへばりついてカメラを構え、なんとか撮影できました。

　その後、複数のマンタや、さらに珍しい黒いマンタにも会え、文字通りのマンタスクランブルを堪能して全５４分の潜水時間を終えたのでした。

執筆者情報

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