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言葉の変化

2026年08月21日小野 航平弁護士

 「言うくない?」という言葉に対して、そんな風には「言わなくない?」と感じる方は、このコラムを読む方には多いのではないでしょうか。

 「○○くない?」という表現を肯定の場合にも用いる用法は、最初はなんとも受け入れがたかったのですが、この用法に触れる機会が増えると、自然と慣れるものです。
 いわゆる「ら抜き言葉」なども同じように人によって感じ方の違いがあると思います。

 このような例は、意味としてはどちらでも通じるものですし、言葉は変容するものであり、また、「正しい言葉」というものはない、という認識を持っていれば、問題には感じないと思います。

 もっとも、単語の意味の変容は、少々厄介です。
 例えば、「話のさわりの部分だけでも・・」というときの「さわり」は話の一番の盛り上がりどころを指すというのが、従来からの意味ですが、現代では冒頭の部分、あるいはあらすじという意味で用いられることも多いといいます。
 このような意味の変容がある単語は枚挙に暇がないですが、正確に伝えたいと思うと、本来的な意味、あるいは伝統的な意味での○○、逆に、現代的な意味での○○、というように表現しないといけないなぁ、などと思ってしまいます。

 ちなみに、とあるAIに、桃太郎のさわりの部分を教えて?と尋ねると、概要「核心的なシーンは、犬サル雉とともに鬼ヶ島に乗り込み、鬼を降伏させる鬼退治の決戦です。戦いで財宝を取り戻し、凱旋するクライマックスこそが、物語のさわりとなる見どころです」という、というなんとも微妙(現代的な意味)な回答でした。

 会話をしていると、単語の意味の理解が双方で異なる、指示語の指す対象が曖昧であるなど、様々な要因で誤解が生じることがあります。話の途中で「○○はどういう意味で言っていますか?」「今の"その人"は誰を指していますか?」というような質問をされることは好ましくない、と感じる人は少なくないかもしれませんが、このように細かいことをいちいち確認してくる弁護士に出会ったら、真剣に話を聞き、正しく理解しようとしているのだな、と思ってもらえると嬉しいですね。

執筆者情報

弁護士名 小野 航平

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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