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会長声明・決議・意見書(2016年度)

オスプレイ事故への対応に抗議し、その飛行禁止と配備撤回を求める会長声明

2017年02月10日更新

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、2016年12月13日に沖縄県名護市の海岸近くの浅瀬に不時着水して大破した。同日、オスプレイの別の機体が米軍普天間飛行場に着陸する際、脚部の故障で胴体着陸する事故も起きた。

 当会では、2012年12月12日、「オスプレイの我が国への配備及び訓練に反対する会長声明」を発出し、オスプレイの危険性を指摘しその配備及び訓練に反対してきたが、その後も事故は続き、最近も2015年5月にはハワイで着陸に失敗し、搭乗していた隊員2名が死亡するなど多数の事故が起きている。今回の事故はまさに指摘してきた危険が日本においても現実のものとなったものである。

 ところが、米軍沖縄地域調整官は、事故翌日の12月14日には、今回の事故は空中給油訓練中に事故機のプロペラが乱気流で給油ホースに接触して破損し飛行が不安定になったため起きたなどと早々に結論づけ、「機体には問題はない」と強調した。そして米軍は、機体の残骸がまだ海面に残る事故からわずか6日後にオスプレイの飛行を再開し、2017年1月6日には空中給油訓練も再開した。事故の調査や説明が十分になされないまま飛行及び訓練を再開したことは、住民の怒りや不安を無視した対応といわざるを得ない。

 そして日本政府もまた、明確な根拠もなく米軍の訓練再開の判断を「理解できる」などと追認しており、極めて遺憾である。

 他方、千葉県木更津市の陸上自衛隊木更津駐屯地は、2017年1月から米軍普天間飛行場所属のオスプレイの定期整備拠点になっており、また米軍横田基地には、2017年後半には空軍仕様のCV22オスプレイが3機、2021年までに7機の計10機が配備される計画である。

 さらには、陸上自衛隊も2018年度から、17機のオスプレイを順次導入する方針で、同じく木更津駐屯地が整備拠点に予定されている。

 神奈川県の米軍厚木基地では2016年だけで約60回もオスプレイが離着陸しているが、米軍横田基地へのオスプレイ配備や木更津駐屯地での定期整備が始まれば、さらに頻繁に人口の集中するこの神奈川県上空および首都圏上空をオスプレイが飛び交うことになり、ひとたび墜落等の事故が起これば多くの市民の生命身体や財産を犠牲にする大惨事に繋がりかねない。

 よって当会は、
    1  米国政府に対し、今回の事故対応に強く抗議するとともに、オスプレイの飛行の禁止

      及び配備撤回を、

    2  日本政府に対し、安易にオスプレイの訓練再開を追認した今回の対応に強く抗議す

      るとともに、自衛隊のオスプレイ配備の撤回並びに米国政府に対しオスプレイの飛行

      禁止及び配備撤回を求めるなど政府の責任を果たすことを、

    それぞれ求める。


2017(平成29)年2月9日

神 奈 川 県 弁 護 士 会
    会 長  三 浦  修

                                      
 
 
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