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会長声明・決議・意見書(2021年度)

藤沢簡易裁判所家庭裁判所出張所を併設し、整備を求める意見書を国に提出することを求める請願

2021年10月14日更新

 

第1 請願の趣旨

 「藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設することと、そのための人的物的体制を確保し、その予算措置を講じることを要望する」旨の意見書を、貴議会より、内閣総理大臣、財務大臣、法務大臣、最高裁判所に提出していただきたく、請願します。

 

第2 請願の理由

  1.  貴議会は、平成27年3月19日、藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設することを求める意見書を採択し、内閣総理大臣、財務大臣、法務大臣、最高裁判所宛にこれを執行しました。その後、茅ヶ崎市議会及び寒川町議会においても同旨の意見書を採択し、それぞれ執行をしました。
  2.  平成30年3月30日、衆議院法務委員会において、これらの意見書に基づいて、松田功議員が、藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設することを求める動きが地元で行われていることを指摘し、最高裁当局にどう考えるかと質問しました。中村愼事務総局総務局長は、「直ちに新設しなければならない状況にあるとは考えていないが、今後とも、人口動態、交通事情の変化、事件動向、IT技術の進展等さまざまな観点を注視して、適正迅速な事件処理に支障のないようにしていきたい」と答弁しました。この答弁から3年あまりが経過しましたが、当会は、この答弁に同意できません。
  3.  藤沢簡易裁判所の管轄にある藤沢市、茅ヶ崎市、大和市、綾瀬市、海老名市、寒川町の令和2年の人口を合わせると118万人を超えており、横浜家庭裁判所の支部のある横須賀支部の管内人口約54万人、相模原支部の管内人口約85万人よりも多くなっております。管内に法律事務所を持つ弁護士数も100人を超えています。いずれの数字からも、本来は貴市に家庭裁判所支部があってしかるべきであると考えます。
  4.  交通事情で見ると、藤沢駅から横浜市中区にある横浜家庭裁判所本庁(以下「本庁」といいます。)まで電車で行くときは徒歩を含めて約50分、茅ヶ崎駅から約60分、寒川駅から約70分、大和駅から約50分、海老名駅から約60分、綾瀬市の最寄り駅から約90分かかります。
  5.  管内の5市1町で行われている成年後見・保佐・補助(以下「成年後見等」といいます。)事件の数は、横浜家庭裁判所横須賀支部及び相模原支部管内よりも多くなっております。高齢者人口の増加は進んでおり、管内成年後見等事件の数は引き続き増えるはずです。本庁の調停事件の中に、横浜家裁藤沢出張所があったとしたら、同出張所で扱われることになる事件件数がどれだけあるかは公表されていないので分かりませんが、人口比からすればかなりの件数があるはずです。同出張所管内にある自治体が行っている無料法律相談の件数の約45パーセントの相談が、家庭裁判所で取り扱う案件です。この地域が家庭裁判所を必要とする需要を多く抱えていることは明白です。
       ちなみに、本庁の調停事件数は、かなり前から増加を続けており、コロナ禍に入る前の待合室は座りきれないほどであり、期日も先になりがちでした。しかも、そうした繁忙のため、本館の調停室だけでは事件を処理できず、プレハブの別館を増設して事件を処理してきました。しかし、3階建ての別館にはエレベーターがなく、高齢者や障害のある当事者・関係者には苦痛となっています。本庁において「適正迅速な事件処理」が「支障」なく行われているとは言えない実状にあります。
  6.  藤沢簡易裁判所管内の面積は、川崎支部管内及び横須賀支部管内の面積よりも広いです。また、藤沢市には、神奈川県が設置している中央児童相談所があり、令和2年の中央児童相談所の児童虐待相談件数は、横須賀市、相模原市の児童相談所の相談件数を上回っております。虐待が疑われる児童の一時保護の司法審査の強化を求める社会の動きも強まっており、中央児童相談所のある藤沢市内に家庭裁判所がないことは、社会のインフラとしても問題だと言わざるを得ません。
  7.  中村総務局長は上記答弁で触れていませんが、平成29年3月24日に、政府が閣議決定した成年後見制度利用促進基本計画は、成年後見等事件の増加に対応して、家庭裁判所(本庁・支部・出張所)の必要な体制の整備が望まれるとしています。同計画が、成年後見等制度の利用促進のためには、従来、地域で行われていた保健・医療・福祉の連携だけではなく、「司法も含めた連携の仕組み」を構築する必要があると述べていることからしても、国は、家庭裁判所のない5市1町の現状を放置すべきではありません。
  8.  加えて、今年、JR東海道線藤沢駅と大船駅の中間に村岡新駅(藤沢市 仮称)が新設されることが決まり、開発が始まろうとしており、さらに管内人口が増えることが見込まれます。率直に言えば、藤沢市、茅ヶ崎市、大和市、綾瀬市、海老名市、寒川町に住む118万人の市民にとって、家庭裁判所がないことは、「首都圏の司法過疎」と言うべき事態であり、家庭裁判所出張所を「直ちに新設しなければならない状況にある」と考えます。
  9.  また、当会は、本年12月4日には、貴市において、第14回弁護士会支部サミットを開催し、多くの市民の方々にもこの問題を知っていただき、家庭裁判所出張所を併設させるための運動を加速させます。
  10.  よって、貴議会に、地方自治法第99条に基づき、政府及び最高裁判所において、速やかに、藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設し、家事受付・家事手続案内はもとより、調停、審判、成年後見等の事件処理を開始するよう、人的物的体制の確保と十分な予算措置を講じることを強く要望する旨の意見書を提出していただきたく請願します。

 

 2021年(令和3年)8月19日
横浜市中区日本大通り9番地
神奈川県弁護士会   
会  長 二川 裕之

藤沢市議会議長
 佐賀 和樹 様

 
 
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