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会長声明・決議・意見書(2022年度)

「家族法制の見直しに関する中間試案」の取りまとめの延期を受けての会長談話

2022年09月21日更新

法務省法制審議会家族法制部会(以下「家族法部会」という)において2022年8月30日に予定されていた「家族法制の見直しに関する中間試案」(以下「中間試案」という)の取りまとめが急きょ延期された。

家族法部会は、法務大臣の諮問を受け、2021年3月から家族法の見直しに関する調査審議を行ってきた。これまでに19回の会議を重ね、2022年8月30日には中間試案を取りまとめ、その後、広く国民から意見(パブリックコメント)を募る予定となっていた。

ところが、8月26日に開かれた自民党法務部会において、法務省が家族法部会の議論状況を説明したところ、一部の議員から中間試案の内容の変更を求める強い要求があり、法務省側が取りまとめを見送る方向で場をおさめたと報じられている。そして実際に、同月30日の家族法部会では、同日の中間とりまとめが見送られた。

いうまでもなく、法制審議会は国家行政組織法第8条及び法務省組織令第54条に根拠を有する審議会であり、法務大臣の諮問に応じ、様々な分野から選ばれた学識経験を有する専門家が、法務に関する重要事項等を調査審議する公的機関である。

今回対象となっている離婚や親権に関する家族法は、多くの人々に影響する重要な法制度である。さまざまな意見が鋭く対立する中で、家族法部会では、法務大臣の諮問を受け、要綱案の答申に向けこれまで数多くのヒアリングや調査結果を踏まえ、専門的な知見に基づき慎重に議論を積み重ねてきた。こうした調査審議が終盤に至っている段階で、今回のような要求がなされ、中間試案の取りまとめが急きょ見送られるという事態に至ったことは、誠に遺憾である。

当会は、家族法部会が、他からの要求に影響を受けることなく、これまでの専門的知見に基づく調査審議を踏まえ、中間試案の取りまとめを行うよう求めるものである。

2022年9月21日

神奈川県弁護士会

会長 髙岡 俊之

 
 
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