横浜弁護士会新聞

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2001年1月号(4)

 

 平成一二年一一月二五日、第一三回全国法曹サッカー大会が三ツ沢公園陸上競技場において六チームが参加し開催された。
 初めての横浜開催ということで、我らが横弁サッカー部「横弁FC」は悲願の初優勝を地元で飾るべく、多数のサポーターを引き連れて出場四回目の大会に臨んだ。
 開会式では主催地を代表して会長が開会の挨拶をした。
 横弁FCは予選リーグ初戦で二連覇中の東京と対戦。開始早々GK鈴木健選手が相手FWと交錯して鼻血・退場のアクシデントにもめげず王者東京相手に堂々と渡り合った。しかし後半、セットプレーから無念の失点で〇−一のまま試合終了、早くも決勝進出が絶望となってしまった。
 それでも横弁FCは予選第二戦の対広島戦、コーナーキックからのこぼれ玉を野木大輔選手が豪快にミドルシュート、これが見事に決まって一−〇で広島を下し、三年連続の三位決定戦進出となった。
 しかし、三位決定戦では初出場の名古屋相手に二失点、〇−二で敗れ、最終順位は四位であった。
 新戦力が加わっても、やはり相当な練習を積まなければ全国の壁は厚い。横弁FC選手一同としても、来年の大阪大会に向けてさらなる精進が不可欠である。
(主将代行 阿部雅彦) 


第54期修習生 犬木  寛
指導担当 須藤 公夫会員
「実務では柔軟さが大事」と痛感
 弁護修習が始まり、はや一ヶ月、持った感想はやはり適格な事実認定の難しさと法律構成の重要性である。
 まず、事実認定の難しさについてであるが、これは事件資料の精査不足という点で感じた。初日から、指導担当の須藤弁護士に、ある賃貸借契約終了に基づく建物収去土地明渡請求事件の訴状の起案をするように言われた。そこで、初日からはりきって起案に取り組んだのだが、契約存続中、当初の賃料が変更されていた。しかし、この変更時期が手元の資料からどうしても正確に特定することができない。そのため、借主がかつて現在の賃料額で供託をしていたので、これを根拠に少なくとも○○という時期には賃料が変更されていた、という曖昧な認定でごまかした。当時はこれで満足していた。しかし、この後、須藤先生が起案した訴状を拝見させていただくと、正確な変更時期が特定されている。そこで、「先生、依頼者に聞いたのですか。」と聞くと、先生は「違う。証拠はある。これをもう一度見なさい。」と笑いながら、領収書の束を私に渡した。その一つに目を凝らすと片隅に賃料の変更時期を特定するための記載が確かにあったのである。こんな小さなところまで専門家は注意しているのだと唸った。一体どんな目で資料を検討しているのかと驚いたものである。
 次に、法律構成の重要さであるが、これは詐欺的あるいは強迫的に保証人にさせられた依頼者をいかに救済するか、という問題に直面したときに感じた。これに対して、自分はもう即座に、「詐欺あるいは強迫による取消しをすればいいのではないのですか。」と何にも考えないで答えた。しかし、残念ながら関係者の話によれば、訴訟になった場合、そのどちらの主張も認容されるか確実とはいえなかった。
 そこで、先生は自分が受け流して聞いていた事実に着目したのである。それは、この依頼者は保証人になるにあたって債権者との間に「Xさんが保証人になるまでのつなぎの保証でいいよ。」という約束をしていた、と関係者の話を聞くと認定できそうだったのである。そして、実際、Xさんは保証人になっているのである。そこで、前述の約束は解除条件であり、本件ではこれが成就しているのだから、依頼者の保証契約は失効しているというのである。この判断能力の速さにはやはり驚いた。と同時にその発想を聞いたとき司法試験的には条件なんてマイナーじゃん、と考えていた自分の傲慢さが恥ずかしくなった。
 これらのことから実務では広い意味で柔軟さが大事であることを痛感した。残り二ヶ月になったが、これからも期待できそうだ。


 二〇〇〇年の最後をかざる法曹ゴルフ会の忘年ゴルフコンペが去る一二月二一日、磯子カンツリークラブで行なわれた。一〇月下旬とも思える暖かな一日、二九名が参加して熱戦を繰り広げた。
 終わってみれば満七一才になる豊島昭夫会員がアウト四一、イン四〇、グロス八一、ネット六六の六アンダーでベスグロ優勝、沼尾雅徳常議員議長の寄贈にかかる見事なカップを獲得した。 
 ここ数年、法曹ゴルフ会にも、若手会員の入会や台頭が目につくが、昨秋には、某大学ゴルフ部出身の本格派新人、五三期の井上雅彦会員が入会し、五十嵐公証人や沢藤会員、その他多くの腕自慢達の心胆を寒からしめている。そんな中、これらの新興勢力を制し、優勝記念スピーチにおいても「実は今日は朝から体調不良で…」と豊島節は絶好調、まだまだ後進に道を譲る気はないらしい。


 平成一二年一一月一一日、恒例の横浜弁護士会囲碁クラブによる秋期囲碁大会が開催された。参加者は、Aクラス一六名、Bクラス八名の合計二四名。
 待望の新人女性会員(姜 文江会員)も加わり、熱戦が繰り広げられた。
 Aクラスは徳永勝会員が優勝し、弁護士会会長杯を獲得(二位は宮下浩司会員)。Bクラスは田上尚志会員が優勝し、常議員会議長杯を獲得した(二位は松本幸男会員)。
 当クラブでは、春と秋に囲碁大会を開催しています。美味しいお弁当にお酒もあり、大変楽しい大会です。腕に自身のある方も初心者の方もお気軽にご参加下さい。参加希望の方は、幹事の柴野眞也会員までご連絡下さい。

いろいろな相談にお応えします。
横浜弁護士会総合法律相談センター

・相談日

月〜金
(本部のみ午後1時15分〜4時15分、その他は1時〜4時)
・相談方法 面接相談(電話で予約)
・相談料金 1回45分 7,500円(消費税別途)
[本部]
(045)211-7700
横浜市中区日本大通9番地(横浜弁護士会)
[相模原相談所]
(042)776-5200
相模原市中央3丁目12番3号(商工会館3F)
このほかに、小田原相談所(0465-24-0017)川崎相談所(044-422-9600)海老名相談所(046-236-5110)横須賀相談所(0468-22-9688)横浜駅東口相談所(045-451-9648)もあります。お電話でどうぞ。

編集後記
 あけましておめでとうございます。ついに新世紀の幕開けです。二一世紀はどのような世紀になるのでしょうか。楽しみな反面、司法にとって初頭は激動・大改革の時代となることは必至であり、不安もあります。「司法改革」の大きな流れの中で、「果報は寝て待て」とはいきそうにありません。飛躍のためには自己変革を含めた積極策が必要のように思いますが、皆様は妙案をお持ちでしょうか。
デスク 小林 雅信   一面 市川 統子   二面 岩田 武司
三面 安田英二郎   四面 浜田  薫      


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