横浜弁護士会新聞

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2001年11月号(3)

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 今、国選弁護事件をより多くの会員に受任していただけるようにこんな制度を考えています。「国選弁護事件の当番制度」と仮に名付けましたが、この制度は、国選弁護登録者に予め国選担当日を割り付け、後日、当該担当日にある事件の中から各自が受任する事件を選択していただき、推薦する制度です。
 裁判所からは、遅くとも公判日の四週間前に事件を弁護士会に出してもらいます。事件がきたら弁護士会から当該期日の担当の国選弁護登録者に通知をしますので、以後一週間の間(事件選択期間)に各自弁護士会に来会して、当該担当日を公判期日とする事件の中から自分が受任する事件を「先着順」に選んで、推薦を受けていただきます。担当日は、「一日単位」で決めたいと考えています。「事件選択期間」内に来会して事件を選択せず、かつ当該担当日を公判期日とする事件が残った場合には弁護士会のほうで適宜事件を割り当て、その事件を担当していただきます。ただ、国選担当日として日程を確保していただいていても当該期日に開廷される事件数が少ない場合には、事件を受任できない場合があります。
 国選弁護事件の担当日は、アンケートにより国選登録者に年間の国選担当希望回数を聞き、原則的にその回数分を担当していただきます。
 国選担当希望回数をどう聞くかについては、現在検討中ですが、「年一回程度なら新たに国選登録してもよい」という会員も含め、できるだけ多くの会員に国選を受任していただきたいので、年一〜三回、四〜五回、六〜一〇回、一一〜一五回、一六〜二〇回、二一回〜としてアンケートをとることを考えています。また、各自の担当日の割付については、できるだけ負担が少なくなるように、担当日と担当日の間をあけるようにしたり、当番弁護士の担当日との間もあけるようにしたいと考えております。
 対象は、当面、横浜地方裁判所本庁及び横浜簡易裁判所の国選弁護事件のみ。平成一四年四月一日からの予定です。
 国選登録会員の四〇%が年間〇〜二件受任するだけ。これを機に新たに国選弁護登録をお願いします。
 このような制度を考えたのは、より多くの会員に国選弁護事件を受任していただきたいからです。本制度は、年間予め決められた担当日(公判日)に、予め決められた件数の国選事件を担当していただくので、事件や日程の予定が組み易く、これまで「忙しいのでなかなか国選までは……」と国選弁護登録をしていなかった会員にも登録していただきやすくなるものと考えます。また、平成一二年度の集計では、国選受任の意思はあり登録はしているものの四〇%の方は公判期日の他の予定との折り合いが付かないなどの理由で〇〜二件しか受任しておりません。一方、年間八三件を受任した登録会員をトップに受任事件数上位一〇名で国選事件全体の二〇%を受任しているという状況です。国選の多数受任が必ずしも問題ある弁護活動につながるわけではないかもしれませんが、被疑者国公選制度の実施がいよいよ射程内に入ってきた今、やはり一部の会員だけで国選弁護制度を担っている実情は早急に改善されなければならないと考えます。
 本年度は、予め公判期日で国選事件の担当日を決めますが、当該期日にある事件の中ではありますが各自で事件を選択していただけるというのが要点です。一〇月三〇日の会員集会でもご意見を聞きましたが、より良い制度とするために積極的に皆さんのご意見をお寄せ下さい。
須須木永一会長

支部便り
川崎支部 中野和明
生きた司法改革 川崎支部の「簡易管財」
 一昨年の四月、東京弁護士会から横浜弁護士会に移籍し、神奈川の先端川崎に事務所を構えて早いもので二年数か月が経ちましたが、まだまだ川崎支部の長い歴史を語れるほどの実績はないので、川崎支部の「新しいこと」を紹介したいと思います。
 ここ川崎で新しいことと言えば、「少額管財」です。少額管財は、平成一一年に東京地裁から始まったもので、予納金の少額化・手続の簡素化を骨子とする手続ですが、横浜地裁川崎支部でも、昨年からこれに倣った手続が実施されています。初めは、個別の事件に関し、数名の川崎市内の弁護士が実験的に関与しておりましたが、やがて口コミ情報で評判が広まり、少額管財扱いの事件数が増えていったことから、なかば自然発生的に、地裁支部と弁護士会支部の間で協議が持たれるようになりました。
 これまでのところ、二か月に一回の割合で地裁支部と弁護士会支部の意見交換会が行われ、また、地裁支部の協力を得て法律事務所事務職員向けの研修会も行われました。特に、意見交換会は、裁判官ばかりでなく、書記官も参加し、弁護士会支部側からは毎回一〇数名以上の積極的な参加があり、活発な意見交換が今も行われています。
 この意見交換会の特徴は、完全なフリートーキングスタイルにあります。予め議題を決め、地裁支部・弁護士会支部双方がそれぞれ内部意見を調整しておいて、お互いの代表者が意見をぶつけ合うという形式張ったものではありません。裁判所側からは、全国の他の裁判所の傾向や立法の動向などの有意義な情報提供がなされることもありますし、弁護士側からは、自らが扱った具体的な案件を題材とした自主的なレポートがなされており、毎回、具体的な問題に関し活発な討論が行われており、勉強会的な側面もあります。
 その一つの成果が金融法務事情一六一四号の特集記事として発表され、これをきっかけに川崎支部の少額管財は「簡易管財」と呼ばれています。そして、裁判所と弁護士の共同作業により、「簡易管財」は今も進化を続けており、ここ川崎では生きた司法改革が実践されていると自負しております。

常議員会レポート第8回:平成13年10月11日
日弁連執行部案の「網紀審査会」設置に反対の意見書提出へ
 いずれも人事案件であり、詳細は常議員会速報に記載しているが、常議員会で議論されたことを報告する。
最高裁判所裁判官推薦の件
 以上の議案のうち三号は最高裁判所裁判官候補者推薦の件である。
 今回、当会からは候補者を推薦しないという結論になったのだが、最高裁判所裁判官や司法研修所教官その他の重要人事について、当会から積極的に候補者を推薦するための体制作りを考えていくべきではないかということである。
 再三ご報告しているとおり、来年の四月以降当会から隔年ごとに日弁連副会長を推薦(実際は選出)することになっている。日弁連副会長の仕事もかなりの激務ということである。
 これらの重要かつ激務な役職の人選が積極的に行えるよう理事者、人事委員会等において長期的な視点からの体制作りを検討していく必要がある。
網紀審査会設置についての当会の意見書
 今回の常議員会の中で最も時間をかけて審議された議題であった(四号)。
 日弁連執行部の原案に対する当会の意見書は、基本的に原案に賛成しながら、網紀委員会が「懲戒不相当」の結論を出した場合は懲戒請求人が日弁連に設置される網紀審査会に不服申し立て(審査申出)ができる制度を作ることに現時点では反対するというものである。
 常議員からは弁護士自治を重視すべきとの立場から網紀審査会を設置することを認めるべきでないという意見が出され、あるいは逆に市民に聞かれた弁護士自治を強調しすぎては市民の信頼を失ってしまう恐れがある。
 いまや懲戒制度にも積極的に市民参加を考えていくべきである。」などの意見が出された。
 採決の結果、出席者二〇名のうち賛成が一二名、(賛成理由について反対する者を含め)反対六名で理事者提案が可決された。
司法制度改革審議会の意見書に対する当会の意見書を提出
 当会の意見書が審議会の意見書に反対している点は
(1) 簡易裁判所の感覚拡大・小額訴訟の上限の大幅引き上げは現状の簡易裁判所の体制においては望ましくない
(2) 弁護士報酬敗訴者負担制度は原則導入とすべきではない
(3) 裁判官、検察官の増員について具体的な数を示すべきである、などである。賛成多数で可決された(五号)。
国選弁護事件の受任割当て方法が変更されることに
 理事者より(仮称)「国選弁護事件の当番制度」の内容が報告された。
 理事者は会員集会やその後の常議員会での議論を経て平成一四年四月一日から実施したい意向とのことである。
 具体的な内容については常議員会速報等を御覧頂きたい。
(副議長 湯沢 誠)
常議員からズバリひとこと
 弁護士四年目(五〇期)であるが、今年の常議員の中では私が一番期が若かった。そのため私の発言が五〇期以降の若手の意見のように思われがちなので、若手の代表として言いたいことをしっかり発言しようと思っている。常議員会では、弁護士会の仕組みや構造がよくみえ、また弁護士会の直面する問題などが見え隠れしており、非常に勉強になる。「一度は常議員を経験しておくものだな」というのが、現段階での感想である。
(五〇期 河合 秀樹)

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