横浜弁護士会新聞

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2002年2月号(3)

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新シリーズ えいちゃんは考える
広報の再構築を考える
1、新聞・会報・委員会ニュースなどの一本化
2、IT利用で会と会員、会員相互の情報交換
3、弁護士会はマスコミにもっと登場し発言してもよい
 当会の会員数の増加や相談センター・当番弁護士など市民に対するサービスの著しい増加に伴い、会員や市民に広報すべき情報は爆発的に増えています。また、インターネット、ホームページなど通信手段の目覚しい発達と普及により、「情報の新鮮さ」が強く要求されるようになるとともに、双方向の情報交換が可能となりました。このような状況を踏まえ、いま弁護士会の広報について見直す時期がきているのではないでしょうか。
《会と会員間、会員相互の情報交換》
 会から会員に向けた情報の提供は、現在、毎月一回発行される弁護士会新聞、年一回発行の会報のほか、随時、メールボックスや郵便、ファクシミリ、そして最近ではホームページ(会員専用ページ)によって伝えられています。また各委員会からは委員会ニュースが発行され、会員にその都度冊子が配布されています。しかし、これらは情報の伝達方法としてはバラバラだと思いませんか。新聞や会報は広報委員会が、委員会ニュースは各委員会がそれぞれ編集し、発行しています。数日単位の速報性が要求されるものは別として、新聞や会報と委員会ニュースは毎月一回発行する会誌(現在の会報のような分厚いものでなく、情報誌的な冊子)一冊にまとめられないでしょうか。無論、毎月一回発行ですから、最低でも情報は一か月以内のものでなければなりません。現在の弁護士会新聞は「新聞」とはいうものの、一月中の出来事がおよそ二か月遅れの三月号で報じられており、従前から「情報が古い」と批判されていました。新しい会誌の場合も他会を見習い、速報性を失わないように発行体制を再検討する必要があると思います。
 また、現在、インターネットを使った当会の会員向けメーリングリスト(以下「ML」)では、毎日、倒産・民事再生事件や消費者事件などに関する会員同士の情報交換や法律相談担当日の交替依頼なども活発に行なわれています。これをもっと拡充し、倒産・再生MLや刑弁ML、少年ML、業改MLなどで会員相互での情報の交換が活発にできるような環境を整えるべきだと思います。更に、これらの情報システムを利用して、会(理事者)と会員との間も情報や意見をキャッチボールができるようにすることも可能だと思います。小泉首相もメルマガジンなどを使って有権者の声を直接政策策定に反映させることを考えているというのですから、弁護士会にこれくらいの情報交換システムがあってもよいと思うのです。
《市民に対する広報》
 当会が市民に直接情報提供する手段として、ホームページでの情報提供は今後一層重要性を増してくることと思います。ホームページ上で弁護士会が市民に対する新鮮で有効な情報を次々と発して行く広報体制が広報委員会を中心に早急に作られる必要があると考えます。
 また、何といっても影響力の大きいのはマスメディアによる報道です。当会は、今後これまで以上にマスコミを利用した広報にも力を注ぐべきであると考えます。神奈川新聞などの新聞以外にも、TVK、ケーブルTV、FM横浜など地元のテレビ・ラジオにも弁護士会はもっと登場して、積極的に発言していってよいのではないでしょうか。
 いうまでもなく、どちらの手段も「市民のための司法改革」を実現するうえで真剣に取り組むべきであると考えます。
(須須木 永一会長)

支部だより 相模原の司法を考える市民集会の報告
相模原支部 大谷豊会員
「支部ではじめての市民集会」
 横浜地裁相模原支部では、平成六年四月新規に発足して以来、合議制による審理は行われていません。
 裁判所側では発足当時、当分の間合議制を行わないとのことでした。
 相模原支部が取り扱う地域は、相模原市、座間市、津久井郡の城山町、津久井町、相模湖町、藤野町で、発足当時の人口は、七〇万人を超える程度でした。現在は八二万人を有に超える全国的にも有数の人口過密地域です。
 そして、相模原市では、法律の成立が前提ですが、平成一五年度に中核市となる宣言をするため準備をしている状況です。
 このような現状の中で、未だ合議制の審理を行わない、その予定もないという異常事態をふまえ、本部の司法改革推進委員会との打ち合わせをかさね、平成一四年一月二五日、横浜弁護士会相模原支部が主催となり、相模原市などの横浜地裁相模原支部管内のすべての地方公共団体の後援のもとに、「相模原の司法を考える」市民集会を実施することになりました。
 もちろんその目的は、司法改革推進審議会でいうところの市民のための司法の実現を目指すもので、地域司法計画の作成を呼びかけている日弁連の司法改革推進委員会に応えようとするものでもあります。
 市民集会は二部構成となっており、
 第一部では、日独裁判官物語を上映し、
 第二部では、学識経験者、市民代表、相模原市役所職員、弁護士をパネリストとして、相模原における法曹界全体のあり方、地域における内容となっています。
 相模原支部会員が、一丸となって進めた事業で、このような催しは継続していくことが大切だと考え、三月一五日、各自治体の長、国会議員、県会議員等を迎えて、今後の活動方針などを議論することになりました。
 今後とも相模原支部の会員のみならず、横浜弁護士会会員全員のご協力を賜りたくよろしくお願いする次第でございます。

常議員会レポート第11回常議員会/平成14年1月18日
総合法律相談センター運営要綱改正される
(四号、五号)
会員の名簿への登録の拒否または抹消の措置を明確化する
 総合法律相談センター運営要綱細則(規則第二三号)に七条の二として新たに次の条文が加えられた。
 法律相談センター運営委員会は、会員に以下のような事由があった場合には、会員に対して名簿への登録の拒否または抹消の措置をとることができるというものである。
1、 本会の会則、運営要綱又はこの細則に違反したと認められるとき
2、 センターの関与に係る法律相談又は受任事件の処理を誠実に行わないと認められるとき
3、 センターの関与に係る法律相談又は受任事件の処理に際し、弁護士又は弁護士会の信用又は品位を害するおそれがあるとき
4、 国、地方公共団体その他の団体からの本会への委託による法律相談に関し、その団体から当該会員を特定して法律相談を担当することに異議が述べられたとき
5、 法律相談の担当日に正当な理由なく遅刻、欠席するなど、センターその他の法律相談の主催者に著しい迷惑を与える行為があったとき
6、 センターの関与に係る受任事件の承認、報告、納付金の納付その他所定の手続、準則等の履行を怠り、センターとの信頼関係を阻害したとき
7、 必要な研修会、ガイダンス等に参加しないとき
8、 懲戒処分を受けたとき
9、 会費を三箇月以上滞納したとき
10、 その他のセンターの業務の遂行に支障を及ぼすと認められるとき
 この規定を厳しいと見るか当然と考えるか見方はさまざまであろうが、あらためて気持を引き締めて業務にあたりたいものである。
倫理研修会の結果が報告される
欠席者は日弁連にも報告される
 昨年一一月二七日と二八日に行われた第一三回倫理研修会の結果が報告された(報告事項)。
 対象者は昨年四月三〇日の時点で登録後満五年から四〇年までの間で、五の倍数の期間が経過した者で対象者の総数は一三七名であった。
 小島副会長の講義、事例研究方式によるパネルディスカッションなどが行われた。
 平均の出席率は八九・〇五%パーセントで最も出席率の良かった期は一〇〇パーセント、最も悪かった期は八〇・〇パーセントであった。
 倫理研修会会規によりこの倫理研修会欠席者の氏名は常議員会で報告され、日弁連にも報告されることになっている。
任期付職員法に基づいて採用する職員の募集
 内閣府国民生活局より任期付職員の募集があった。
 苦情相談事例の法令適用可能性を分析するとともに法執行機関と協議を行い、悪質事例への迅速な対応を図るとともに、現行法制では対応不可能な事例について、対応策を検討する職務にあたる。
 採用条件があるため該当者には個別に理事者より連絡が行くことになっている。
常議員からズバリ一言
 常議員会は、一〇年前に比べると若返った。良いことだ。しかし、気になることがある。何につけコストパフォーマンスを最優先させる人が散見されるようになったことだ。弁護士法一条をひくまでもなく、弁護士ないし弁護士会に我が法体系が期待しているものは人権の擁護と社会正義の実現である。少なくとも、社会的、法的問題については、人権と社会正義をコストに優先させる姿勢を貫くべきだ。国家レベルでは、そこに予定調和が生まれると思う。
42期 藤田 温久

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