横浜弁護士会新聞

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2002年6月号(3)

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弁護士任官は適任者の推薦で
司法制度改革実現本部第一部会 部会長 藤村 耕造
(弁護士任官・裁判官制度)
 日弁連全体でみると、最近弁護士任官希望者が続々と登場して、大ブレイクが起きる予感さえ漂ってくる。
 ところが、わが会に目を転じると、任官「冬の時代」があいかわらず続いたままだ。わが弁護士会は、中規模会のなかでは任官「後進」会のひとつと言えるだろう。
最高裁も本気
 この温度差は、情報不足からくるのかもしれない。最高裁側でも、専門裁判官制度(家裁調停や特許等、担当分野を限った任官制度)や、一定の任期(五年以上?)を区切った任官など、任官を促す新たなメニューを登場させている。最高裁も本気で弁護士任官に取り組んでいる。
他薦アンケート
 同僚である弁護士は、同業者である弁護士の実務能力、人格、社会的経験の豊富さ等を適切に評価できる。同僚から適任者と評価された会員に、任官を検討いただきたい。
 弁護士任官部会(司法制度改革実現本部内)では、任官にふさわしい人を推薦してもらう他薦アンケートの実施を検討している。
 他会でも他薦アンケートと、その結果を踏まえての被推薦者への働きかけは、大きな成果を生んでいる。早期実施を是非お願いしたいと思う。
 推薦された方には、許されるならば、推薦者の評価を受け止め、一度は任官を真剣に検討いただければと思う。一線で活躍している弁護士ならば仕事にやりがいも愛着もある。任官を真剣に考えれば考えるほど、様々な障害が登場してくるだろう。現在担当している事件や顧問先はどうするのか。弁護士に戻って来るとその受け入れ体制はどうなるか。
 今後は、経験と力のある会員の方々の協力を仰ぎながら、任官希望者のハードルを少しでも低くするための方策に取り組む必要があるだろう。
温度差の解消を
 任官希望者だけでなく、そうした任官に協力していただける事務所なども、できればお願いしてゆきたいと思っている。所属弁護士のなかから任官者を積極的に出そうという事務所、弁護士任官希望の修習生を受け入れる事務所、任官者に協力をしていただける事務所など、様々な形態が考えられるだろう。
 理事者内の担当者尾立副会長のもとに、全国の息吹を吹き込み「温度差」を少しでも緩和してゆきたい。
弁護士会ごと任官者(裁判官)集計表
弁護士会 人 数
東  京
第一東京
第二東京
横  浜
埼  玉
群  馬
静岡県
大  阪 18
京  都
兵庫県
奈  良
名古屋
福岡県

新人弁護士奮闘記 第53期 吉川知惠子 会員
一年半でついた貫禄!?
 弁護士となり山田・池田法律事務所に勤務するようになってから早くも一年半が経ちました。四人の先輩弁護士の仕事ぶりに学びながら毎日充実した日々を過ごしています。
 刑事裁判で検察官の尋問に初めて異議を唱えた際、模擬裁判とは違う緊張感でしばらく興奮が冷めなかったこと、執行猶予の判決を得て涙する家族の姿にもらい泣きしそうになったこと、膨大な資料の中から消息不明の当事者の手がかりとなる書類を探し当てたときのこと、民事の和解の席で突然裁判官相手に暴走した依頼者を汗びっしょりになって説得し和解を成立させたこと、証人尋問の日に相手方からいきなり隠し撮りビデオを証拠に出され平静を装いながらもそんな汚い手に負けてなるものかと熱くなったこと、脅しにきたはずの相手方からほめられたこと…無我夢中でやってきた一年半ですが、振り返ってみると色々なことがありました。
 起案の苦しみはいつものことながら(?)事件の背後にある依頼者の悩みや苦しみ、ときには憎しみといったものを重く感じて悩むこともありますが、そんな時に救ってくれるのもまた依頼者のような気がします。
 裁判が終わった後で被告人や被告人の家族から近況を知らせる手紙が届いたり、夜遅くまで長時間事情聴取し陳述書を書き上げた離婚事件の依頼者から「話していくうちに気持ちの整理がついて楽になった」と言ってもらったり。弁護士になってよかったと思う瞬間です。
 また本誌二〇〇一年四月号に「ゴハンを食べさせておけば…」でデビューした同じ事務所の先輩佐藤弁護士同様食べることが大好きな私。山田・池田両弁護士に食事に連れて行って頂くことも多く、そんな「ゴハン」も明日への活力となっています。
 もっとも久しぶりにお目にかかった先輩弁護士から「貫禄ついたね」と言われ、自分でもスーツがきつくなったことを実感しているだけに、危機感を募らせているのも事実。体型はいつまでも新人のままでいたいと思うこのごろです。

常議員会レポート第3回 平成14年5月8日

「日弁連から当会に対しての意見照会に迅速に回答する方策の検討を!」

 第一号議案から第五号議案までは人事案件
 人事案件の一つとして、平成一四年度横浜弁護士会人権賞の選考外部委員のお一人として、ジャーナリストの増田れい子さんを選任した。増田れい子さんは、昨年に引き続き選考委員をお願いするものである。
 第六号議案
 「民法の親権規定の改正に関する意見書」
 日弁連照会「民法における親権規定の改正に関する提言について」に対する当会の意見回答の件
 日弁連は、「子どもの権利条約が求める親子のあり方をめざして」民法の親権規定を改正すべきとの提言をまとめようとしており、日弁連人権擁護委員会がまとめた提言案について当会の意見を求めてきた。
 当会では、子どもの権利委員会が意見をまとめた。
 日弁連の提言案は、親の居所指定権、職業許可権などを必要がないとして削除を求めている。
 当会の意見案は、児童虐待防止の観点から現行規定は改正すべきであろうが、完全に削除を求めることに躊躇を覚えるという意見があったと懸念も表明している。
 常議員会では、この点が議論された。オウム真理教など破壊的カルトとたたかってきた会員から居所指定権の改正は行うべきでないという強い意見が出された。また、単に実体法だけの問題ではなく、家庭裁判所の手続きについても具体的に検討すべきとの意見が出された。これらの意見をふまえて、当会の意見書の内容は修正され承認された。
 報告事項
 「今年も弁護士フェスタ開催」
 会員に対する懲戒請求について、網紀委員会が懲戒相当の議決をしたので、懲戒委員会に審査請求がなされた旨報告された。
 日弁連理事会の審議概要について、本年度日弁連理事の小島周一会員から文書で報告がなされるので、これをFAXにより送付して、会員への周知することになった旨報告があった。
 「担保・執行法制の見直しに関する要綱中間試案」について、日弁連から意見照会が当会に来ている件について、四月一二日に意見照会があり、その期限が四月三〇日であり、五月九日の日弁連理事会で審議される予定となっていることから、当会の司法制度委員会が取りまとめた意見について、四月三〇日付けで委員会の意見である旨付記した上で、日弁連へ送付した旨の報告があった。
 五月七日、正副委員長会議が開催され、本年度も弁護士フェスタを開催する方向で意見が集約されたとの報告があった。
 なお、報告事項にあるように、日弁連から当会へ意見照会がある場合、短期間で答申することが求められるような事項が多くあるのではないかと考えられる。意見照会がある場合に、関連委員会の討議にかけ、委員会の意見を得た上で、理事者が常議員会へ議題として提出するという従前の方法では、時期に遅れて、当会の意見を述べる機会が失われるのではないかとの懸念もある。その点について、常議員会ではどのように考えるかが意見交換された。この点について会員各位からもご意見があれば、常議員会担当の古川副会長まで意見をお寄せ頂きたい。
(副議長 森 卓爾)
常議員からズバリひとこと
 四月五日の第一回から五月八日まで三回の常議員会が開催されたが、出席者は定員三五名のうち、それぞれ三二、三一、二六名で、出だしの良さが三回目にして失速しそうな気配となっているのは残念だ。待ったなしの司法改革をはじめ、憲法の基本にかかわる法案の提出や実体法手続法の改正など重要課題が山積し弁護士会の役割が重要性を増しているだけに、横浜弁護士会約七四〇名の代議員としての自覚を持って頑張りたいし、常議員各氏に期待したい。
(二八期 畑谷 嘉宏)

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