横浜弁護士会新聞

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2002年8月号(3)

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常議員会レポート 第5回(平成14年7月24日)
 第一号議案から第四号議案までは人事案件
 第一一号議案及び第一二号議案は撤回
 五号議案及び六号議案
 第二東京弁護士会に所属する外国法事務弁護士から当会への登録換えによる入会申込と営業許可申請があった件については、継続審議となっていたが、この度、調査が全て終了したことから承認された。
 適正な国選弁護報酬の支払いを求める会長声明
 最高裁判所が定める国選弁護人の報酬基準について、平成一三年に引き続き、今年度も据え置きとなった。二年連続の据え置きは昭和三五年以来四二年ぶりのことであった。記録謄写料、交通費、通訳料などの実費については、一部裁量により認められているに過ぎず、弁護人の持ち出しになっている状況の中での二年連続据え置きは、弁護人に大きな負担を強いるものであることから、これに抗議し、適正な報酬の支払を求める会長声明が採択された。
 会員情報提供の運営規則改正
 当会のインターネット・ホームページには、会員の氏名・住所・電話番号等の会員情報が掲載され公開されているが、弁護士法人についても掲載すること、会員が業務停止の懲戒処分を受けて現に業務停止期間中であるときはその旨及びその期間を掲示することとする二点についてホームページ等による会員情報提供制度運営規則の一部改正が議決された。
 川崎相談所は岡田屋モアーズ3Fへ移転
 法律相談センター川崎相談所は、現在、川崎市中原区の中小企業・婦人会館内に開設されているが、相談者の利便を考慮し、より充実させるために川崎駅前岡田屋モアーズ三階へ移転することになり必要な決議が行われた。一〇月一日開設を目標に準備が進められる。
 相談員の有償派遣制度
 法律相談センターの相談は、相談者に相談所まで来て貰って相談を受ける制度であるが、諸々の事情で相談所まで来られない相談者(病気等で入院中の人、身体が不自由な人、身体を拘束されている人等)のために、申込があれば、有料で相談員を派遣する制度を創設することとなった。
 顧問弁護士候補者の紹介
 当会に対して、顧問弁護士となってくれる弁護士を紹介して欲しいとの要望が寄せられることから、顧問弁護士候補者名簿を作成し、希望者に紹介することとなった。常議員から、「弁護士会でそこまでやる必要はない」「職域拡張のために必要だ」「紹介に公平性が確保できるのか」などの意見が出された。この制度は、あくまでも顧問弁護士候補者の紹介であって推薦ではないことを明確にすることが確認された。
 当会初の常議員提出議案「有事法制三法案に関する声明」可決
 常議員六名から「有事法制三法案に関する声明」を当会として出すようにとの議案の提案があった。「声明」の内容は、有事法制三法案の廃案を求めるものであった。常議員が議案の提案をしたことは、初めてのことであったので慎重に審議が行われた。提案者から趣旨説明の後、決議案の原案を人権擁護委員会が作成したことから、説明員として人権擁護委員会の委員長他の出席を認めるかについても議場に諮られ、賛成多数で説明員として認めた。決議案について、質疑応答、討論があり、採決の結果、賛成多数で「有事法制三法案に関する常議員会決議」として採択された。
 報告事項
1 「民事訴訟法の見直しに関する要網中間試案」について、当会の司法制度改革実現本部及び司法制度委員会が取りまとめた意見を七月二日付けで委員会の意見である旨付記した上で、日弁連へ送付した旨の報告があった。
2 「弁護士と外国事務弁護士等との提携・協同について」の日弁連照会について、当会の弁護士業務対策委員会が取りまとめた意見を七月一日付けで委員会の意見である旨付記した上で、日弁連へ送付した旨の報告があった。
3 県下自治体に対して法律扶助の補助金増額を求める意見書を採択して貰うよう請願を行うこととなり、この夏、理事者が自治体訪問をする予定であることが報告された。
4 平成一四年度横浜弁護士会人権賞の選考外部委員について、阿部浩巳さん(神奈川大学教授)(国際人権法担当)を推薦に基づき選任したと報告があった。
(副議長 森 卓爾)

常議員からズバリひとこと
 常議員になったのは今回が初めてで、最初に出席したときの印象は、まさに儀式が厳格に進行しているなといったものだったが、出席しているうちにだんだんに様子にも慣れてきた。活発な議論がなされるときなどは、争点も明確になっておもしろいと思うが、やはりスピードの早い時代のせいか、常議員会に諮る時間なく報告事項になってしまうのは、少し残念な気もする。
 いずれにせよ、これからもなるべく積極的に参加していきたいと思う。 
     四七期 澤田 久代

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