横浜弁護士会新聞

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2002年9月号(4)

 
私のホビー 25
会員 本間 春代
夢のまた夢だったW杯決勝
 六月三〇日、私は横浜国際総合競技場にいた。言うまでもなくW杯決勝の会場である。私がサッカーの魅力に取り付かれたのは、八六年メキシコ大会をテレビで見た時であった。続く九〇年イタリア大会ではイタリア代表に魅せられ、この年の秋にはローマまでセリエAの試合を見に行った。この頃から私の夢は「W杯を生で見ること」になった。しかし九四年アメリカ大会は受験のため、九八年フランス大会は登録一年目だったため、その夢は果たされなかった。そんな中、二〇〇二年W杯の決勝が我が横浜で開催されることになったのである!チケットを申し込むと、幸運にも自分の名前で申し込んだチケットが当たった。こうなるともう頭はW杯一色である。私は一年も前から公式Tシャツ横浜バージョンを買って備えた。
 五月三一日、W杯開幕。私が決勝のカードとして望んだのはイタリア対アルゼンチン、あるいはイングランドであった。ベッカムには前回大会以前から注目しており(当時英国留学していた後輩に頼んで写真集を送ってもらった。今では入手困難な宝物である)今大会の活躍に期待していた。ところがアルゼンチンもイタリアも次々と敗退、イングランドも敗れ去った。この辺りから私は決勝の組み合わせに危機感を覚え始めた。これは単に個人的な好みの問題ではない。W杯決勝には、決勝にふさわしい組み合わせがあるのだ。私の思いが通じてか、決勝はドイツ対ブラジルという強豪同志の初顔合わせ、得点王争いが絡む好カードとなった。
 決勝当日。私は枝豆、オペラグラス、カメラ2個、F・マリノスのポンチョ(雨対策)等々をバッグに詰め新横浜に向かった。駅から競技場への道は大混雑、チケットは何度も確認され、荷物チェックも厳しく、ビールを買うにも長蛇の列で、席に座った頃にはキックオフ間近である。席は二階の六列目、試合を見るには良い高さである。ついに来た、W杯決勝。握り締めたビールが徐々に生温くなる中、キックオフの笛が響いた。試合は決勝にふさわしい名勝負であったし、折鶴が舞うセレモニーも感動的だった。試合後は知人八人と合流し、午前一時半まで試合の感想や過去のW杯の話で盛り上がった。
 夢のまた夢だったW杯決勝。私はその夢を現実にした。新たな夢は八〇歳位になった時、子孫に向かって「二〇〇二年の決勝」を語ることである。

私の修習日記
依頼者の立場にたって
第56期司法修習生 曽我真美子
 早いもので実務修習が始まってすでに一カ月が経った。この間、何人の依頼者と出会い、いくつの「生の事件」に接したことだろう。弁護修習で依頼者と出会い、その話を聞いていると同じ事件は一つとしてないのだと実感させられる。
 一口に離婚事件と言っても、当然のことながら依頼者ごとにその背景は違う。法律的には「不法行為に基づく損害賠償請求」でくくられても、依頼者が本当に求めていることは、それぞれ違っている。
 私が法律相談に立ち会って強く感じたのは、依頼者は、その事件の法律構成を知りたくて来ているのではなく、自分の力ではどうしようもない事態に陥ってしまい、どうしたらいいか分からなくて相談に来ている、ということである。
 篠崎先生は、そんな依頼者の話をじっくり聞かれる。依頼者の話の中には、先生が質問したこととは関係ないなと思うものもある。それでも先生は依頼者の話に大きくうなずいたり、同意したり、依頼者を思いやった優しい言葉をかけたりされながら、必要な話を聞き出していく。先生がじっくりと話を聞かれると、依頼者は本当に嬉しそうな顔をする。時には篠崎先生が、「残念だけれど法律的な主張は何もできないから、私は力を貸せない。」とおっしゃることもある。そんな時、依頼者は残念そうな顔をするが、それでも話を聞いてもらえた満足感からか、笑顔で事務所を去って行く。
 篠崎先生の下での弁護修習を通して、弁護士には法律知識だけでなく、真に依頼者の立場に立って考えることおよび依頼者に心から信頼されることが必要なのだとつくづく感じている。
 残りの弁護修習中も篠崎先生から多くのことを学び、立派な法曹となれるよう、努力していきたい。
(指導担当 篠崎 百合子会員)

環境委現地調査 白神山地ブナ林を堪能
 積極的に視察を重ねている当会公害環境問題委員会は、去る五月二五〜二七日、有志一〇名で秋田県の白神山地を訪ねた。白神山地の中核部分は、屋久島と共に日本の世界自然遺産登録地であるが、そこに至るまでには林道建設を阻止した自然保護運動の苦難の歴史があった。今回はその運動に携わり、今もなお調和ある自然保護に向けて努力されている現地の方々が我々を案内して下さり、非常に有意義な調査旅行となった。
 山中ハイキングでは、瑞々しい草木を目で楽しむだけでなく、ヤマウドやタケノコをほお張り、クロモジの葉の香りを嗅ぎ、フキの葉のコップで涌き水をいただくなど、五感をフルに使って山の恵みを享受した。岳岱(だけだい)の自然観察教育林では、樹齢二百〜四百年の原生的なブナの巨木達に出会い、ブナの林は形にしても音にしても、とても優しいものだと感じさせられた。それは恐らくブナがその豊かな保水力で動植物を育み、太古の昔から人間を包んできた存在だからなのだろう。最終日には絶好の天気に恵まれ、小岳(一〇四二m)への登頂も果たした。その頂上から西側はまさに世界遺産指定のコア地域であり、山塊を包み込んで広がるブナ林の深遠な風景に心を打たれた。
 今回の調査ではこのように豊かな自然を体感できた一方、実はそれが失われてきた自然の残りでしかないのだということも随所で思い知らされた。かけがえのない自然をまさに共通の遺産として次代にどう残していくのか、一人一人が問題意識を持つ必要性を強く感じた。
 なお、当委員会の過去の調査の報告書(屋久島・西表島)ができているので、興味のある方はお近くの委員までどうぞ(会員控室にも置く予定)。
(会員 畑中 隆爾)

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日弁連人権擁護大会 参加のお願い

シンポジウム 日時 一〇月一〇日(木)
午後〇時三〇分から
  場所 郡山市民文化センター及びホテルハマツ
大 会 日時 一〇月一一日(金)
午前一〇時から
  場所 郡山市民文化センター

編集後記
 日本の南にある太平洋高気圧は夏に北上し日本列島を覆う。シベリアには大陸性高気圧があり西高東低と言われるように冬に日本の近くまで張り出してくる。この二つの高気圧の勢力交代時期に前線が日本列島に停滞し、梅雨や秋の長雨をもたらす。日本の気象を非常に簡単に言うとこうなるのですが、暑かった夏に交代する今年の秋はどうなりますか。
デスク 安田英二郎 一面担当 伴  広樹 二面担当 浜田  薫
三面担当 岩田 武司 四面担当 市川 統子

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