横浜弁護士会新聞

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2003年5月号(1)

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新会長インタビュー パワーアップ弁護士会
4月4日、就任直後の大変忙しい時期に、分刻みのスケジュールの合間を縫って、当会理事者室で、箕山洋二新会長にお話を伺った。
−会長ご就任おめでとうございます。現在の心境をお聞かせください
 いろいろ大変な時期に会長の重責を担うことになりますので、非常に緊張感を持ち身が引き締まる思いです。
−急ピッチに進んでいく司法改革について基本的対応方針をお聞かせください
 司法改革を考えるうえでは、司法改革の法制度を作る議論と法制度ができた後、どのように施行・実施・運用していくのかという点を分けて考える必要があります。
 正しい形で運用等されていかないと、それが前例となってしまう危険性を孕んでいます。諸般の司法改革の法制度が正しい形で運用等されるように力を尽くしていきたいと思います。
 そのためには、弁護士及び弁護士会が力を持つことが必要不可欠です。即ち、「パワーアップ弁護士・弁護士会」の標語のもと、魅力ある弁護士・弁護士会づくりをすることです。
 また、司法改革の議論においては、司法関係だけでなく地方公共団体、隣接士業、経済団体、労組、大学、市民団体、マスコミ等あらゆる方々とも協力して対応することが重要と考えています。
−弁護士会が力を持つためには、どのような方法があるとお考えですか
 当会の組織のあり様、運営方法を革命的に変更する必要があると考えています。その例示として逆ピラミッド型組織構造をもつプロジェクトチーム構想をもっています。
 短期的にはできるとは思っていませんが、数年内にはできるような下地を作っていきたいと考えています。
 ある一つのプラットホームに会員はもちろん会外で興味をもっている方々も自由に参加できるようなプロジェクトチームができればと考えています。
−弁護士会組織の革命的変更というと、会務の継続性・専門性の観点から理事者複数年度制、弁護士事務局長制等が考えられますが、どのようにお考えですか
 理事者単年度制の弊害を取り除くべく調査室、財務室、事務局運営室が設置されてきました。必ずしもこれらの三室だけでは単年度制の弊害を除去できないかもしれません。しかし、現在の理事者の業務の多忙性を考えると、現在の状態のままでの理事者複数年制度の導入は困難だと思われます。また、弁護士事務局長制についても、その必要性は理解できるものの、やはりいろいろなハードルがあるように思われます。現在、総合改革委員会で理事者複数年制や弁護士事務局長制について、様々な検討がなされています。今後、これらの検討結果を踏まえた上で、その導入の是非について考えてみたいと思います。
−日弁連副会長、ロースクール教員等非常に多くの時間を拘束される役職等については何らかの支援を考える必要があると思われますが、どのようにお考えですか
 支援は当然必要だと思っています。そのためには財政の抜本的見直しが必要となるでしょう。
−将来の弁護士・弁護士会像について
 将来の弁護士・弁護士会像を考えることは非常に重要なことです。弁護士会として将来どのような方向に進んでいくべきか、各種委員会とじっくり協議しながら模索していきたいと考えています。
−旅行・ドライブが趣味と伺っていますが
 平成五年度に当会副会長を終えた後、平成六年に人食いバクテリアで命を落としかけ、また、子供も大きくなったこともあり、友人の弁護士夫婦と夫婦単位で、国内外を問わずちょくちょく旅行に行くようになりました。旅先では常に新しい発見がありとても楽しいです。
−印象に残った事件がありましたらお聞かせください
 大分昔のことになりますが、母一人子一人の二五〜六歳の好青年が強盗傷害で逮捕されたことがありました。捜査段階から含めて一年半ほど裁判はかかりましたが、第一回公判前に抗告で保釈を獲得したりして頑張った結果、強盗については無罪判決をいただき一審で確定しました。その後、その青年は結婚して幸せな家庭を築いています。
−県民にメッセージを
 弁護士会として、県民の期待に応える力・信頼に応える力・希望に応える力が必要と考えています。その力を得るためには、県民の協力なくしてはできることではありません。是非ご理解の上ご協力して頂きたいと思います。
−最後に会員に対して一言
 支部を含めて全体として協力体制のなかで一致団結して昨今の難局を乗り越えていきたい。

平成15年度新理事者就任披露懇親会 公正で身近で利用しやすく信頼できる司法の実現へ
 本年四月一日午後六時より、ホテルニューグランド三階ペリー来航の間において、当会の新理事者就任披露懇親会が開催された。
 新理事者の披露に先だち昨年度の理事者を代表して池田前会長から、池田執行部に引き続き箕山執行部に対しても御厚情を賜りたい旨退任の挨拶があった。引き続き箕山会長以下新理事者が紹介され、代表して箕山会長から法制度の激変期にあたり、弁護士会は、公正で、身近で、利用しやすく、信頼できる司法の実現に寄与しなければならない旨抱負が語られた。
 次に、横浜地方裁判所吉本徹也所長より当地における法曹三者の良き関係を保ちつつ協力して司法改革にあたりたい旨、岡崎洋神奈川県知事を代理して小林勲県民部長から横浜高校野球部のように大胆かつ繊細に業務を行って頂きたい旨、中田横浜市長を代理して副市長から民力をぞんぶんに発揮できる都市を目指す横浜市に協力して頂きたい旨、それぞれ祝辞を頂き、箕山新会長の御尊父故箕山保男会員が当会会長のときに横浜に赴任されていた横浜地方検察庁江川功検事正の乾杯の発声で懇親会に入った。
 今までの立食方式から今回はビュッフェスタイルであるものの着席方式になったためか、各テーブルで、来賓の方々、新旧理事者を囲み、司会者のアナウンスが聞こえないほど歓談に花が咲いていた。出席者一七六名の大盛会であった。
 なお、来賓として出席頂いた方々は三面のとおり。

山ゆり
 春、新人の季節である。自分にもそんな時代があったはずだ。新たな世界に希望を持ち、自分自身への期待のみならず、周りからも期待され(ている気になり)、一抹の不安を感じつつも、志を最も高く持つ時期であるような気がする
 「新人らしからぬ」新人もいる。私の身近な職場にもいるが、今年の世界中の新人で最も「新人らしからぬ」新人は、ニューヨークヤンキースに入団した松井秀喜だろう。あの実績・能力、あの顔で、松井が新人であるとは違和感もあるが、メジャーでは新人王の資格を持つルーキーなのだ。メジャーリーグこそが世界一のリーグであるとの考えが背景にあるのだろう。だから、日本は日本シリーズなのに、アメリカでは、アメリカシリーズでなく、ワールドシリーズなのだそうだ
 私は、新人松井がメジャーで大暴れすることを確信しているが、その松井の座右の銘は「努力できることが才能である」との言葉であるらしい。凡人がいくら努力しても、あんな打球を打てるとは思わないが、松井がこの言葉を使うと、かなり重みを感じる。さらに、ビックリなことに、この言葉、松井が小学校三年生の時に父親から贈られた言葉だそうだ。あれだけ実績を積んでも、幼少時代からの考え方を持ち続ける松井。気持ちはとっても新人らしいではないか
 私、この四月で実務四年目に突入したが、最近、体と同様、気持ちに弛みが出てきたような気がする。ヤバイ。これは、松井を見習うためにも、早起きして新人松井を応援するしかないようだ。
(上山智之)

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