横浜弁護士会新聞

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2003年8月号(2)

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須須木永一会員 日弁連副会長退任慰労会 日弁連に常駐した一年
 六月二四日、横浜ロイヤルパークホテル七〇階レインボールームにて、本年三月三一日をもって日本弁護士連合会副会長を退任された須須木永一会員の退任慰労会が催された。 須須木会員は、当会の平成一三年度会長を退任された後の昨年四月一日から一年間日本弁護士連合会副会長を務められた。
 箕山会長からは、挨拶の中で日弁連副会長就任に至るまでの経緯や毎朝八時三〇分に日弁連に登庁し、夜は九時頃まで仕事をされていたという須須木会員の日弁連での仕事振りが紹介された。
 引き続いて須須木会員からは日弁連に常駐すること(欠勤しないこと)を自らの役割として位置付け、一年間それを実践したという話があった。また、日弁連では仲裁やADR、知的財産権といった分野の中でも特に国際商事仲裁の問題に取り組んだとのことであった。
 その後、箕山会長と篠崎副会長から花束や記念品の贈呈が行われたが、須須木会員自らが記念品のカバンを選定したという経緯から目録の贈呈が省略され会場の笑いをさそった。
 乾杯が行われた後に、山下光元日弁連副会長の挨拶を初めとして、多数の列席者から須須木会員に対するねぎらいの言葉が述べられたが、総じて須須木会員のバイタリティと仕事に対する姿勢についての賞賛を内容とするものであった。
 日弁連副会長在任中は、野球等のスポーツで鍛えた強靭な足腰で弁護士会館の執務室まで毎日階段で登庁されていたという須須木会員であったが、列席者から、当日慰労会が開催されたランドマークタワーの七〇階まで階段で来られたのかと冷やかされる一幕もあった。
 慰労会は終始和やかな雰囲気にて行われ、影山副会長からのえいちゃんスマイルを維持して今後も当会の発展のために活躍されたいとの中締めの挨拶をもって、盛況の内に幕を閉じた。
(大和田治樹会員)

横浜弁護士会とともに 小林嗣政会員叙勲祝賀会
 六月六日、ホテルニューグランドにおいて、今春、小林嗣政会員が勲四等旭日小綬章を授与されたことを祝す宴が催された。
 箕山会長の祝辞に続き、小林会員より挨拶があり、実務修習以来三九年にわたる横浜弁護士会への想い、日弁連での思い出等を語られた。中でも平成四年の民暴大会にあたり施行間もない暴対法の逐条解説書を作成したことが印象深いとのことであった。
 篠崎副会長による花束贈呈、佐藤常議員会議長の発声による乾杯の後、会場各所では小林会員を囲んでの歓談がなされ、会場正面に飾られた勲記、勲章の周りでは、小林会員自身による叙勲についての解説も受けることができた。
 途中、小林会員の会長時代の副会長であった山本安志会員、事務所出身者である村田恒夫会員、前会長池田忠正会員(前副会長代読)から祝辞があり、村田会員による「期日二週間前までに書面が出来ておらず、翌朝書こうとしたところ、すでに小林会員が書いていた」とのエピソードは会場の笑いをさそった。
 小林会員は現在も日弁連法務研究財団評議員等を務められており、今後の益々のご活躍を祈念したい。
小林会員よりひとこと
 私は昭和三九年に司法修習生として横浜弁護士会のご指導を受け、昭和四一年に弁護士登録を致しましたが、現在まで約四〇年の永きにわたってお世話になって参りました。この間、常に横浜弁護士会という大きな後ろ盾と、会員の皆様の温かいご指導ご支援のもと、誠に楽しく充実した月日を過ごさせて頂きました。
 この度、横浜弁護士会・日弁連のご推挙により叙勲の栄誉を受けることが出来ましたことにつき、心から皆様にお礼を申し上げる次第です。
 去る六月八日は妻と共に皇居内春秋の間において、関係者の方々と共に天皇陛下のご祝辞を賜り、感激した次第です。当日は小雨が煙り、松と芝生の緑が誠に美しく、忘れ難い思い出となりました。
 今後も健康の許す限り、横浜弁護士会のため、いささかなりとも役立つ会員でありたいと念願しておりますので、皆様の変わらぬご厚情をお願いする次第です。

きれいな自然が好き、だから守らなきゃ 公害・環境問題委員会 奄美大島自然環境を調査
 公害・環境問題委員会は、六月二〇日から二三日まで自然環境調査のため奄美大島を訪れた。奄美大島には地理的・気候的条件から、アマミノクロウサギやルリカケスなど固有の国内希少動物種が生息している。しかし近年、大規模土木工事による環境破壊や、ハブ撲滅の目的で移入されたマングースによる固有生物捕食などのため奄美の生態系は撹乱され、危機的状況にある。このような状況を受け、奄美大島中部に位置する大和村では、平成一三年、市町村レベルでは全国的にも珍しい野生生物保護条例を制定した。
 環境破壊や移入種による固有の生態系撹乱は全国で発生している問題であるところ、神奈川県も例外ではなく、現在当委員会では野生生物保護を目的とする条例案作成のため種々の調査を行っている。その一環として、今回大和村役場で上記条例作成の経緯・運用上の問題点等につきヒアリングを出来たことは今回の調査の大きな収穫だった。詳細は割愛するが、行政を巻き込んで野生生物保護の法的整備を図ることの困難さを実感した。
 また、現地で環境保護運動に携わっている方々の話を聞く機会もあり、三〇数世帯の小さな集落が長年にわたり採石場の粉塵による多大な被害に苦しんでおり、集落や村が一致して反対しているにも関わらず、県が新たな採石場の認可を出そうとしているという非民主的状況を目の当たりにしたり、砂利の無計画な採取により、かつては美しい砂浜で有名だった海岸が荒れ果ててしまった無残な現場を見ることが出来たのも貴重な体験だった。夜の林道では絶滅が危惧されている希少動物を見ることができ、感動的だった。
 三泊四日という短い行程ではあったが、人為的要因による生態系撹乱の問題性とその法的整備のあり方、開発による産業振興と環境保護の調和、果ては弁護士過疎の問題まで、何かと考えさせられることが多い、実りある調査だったと思う。
 他方で、マングローブ森のカヤックツアーや無人島散策、透明度の高い海でのシュノーケリングに海辺でのバーベキューなど、「だからきれいな自然が好きだ」「だから守らなきゃ」と単純素朴に思える楽しい企画も盛りだくさんで、日焼けしてしまった肌(奄美海岸でも日傘を差したが守りきれなかった)の手当をしながら、次回の自然調査は海か山かと楽しみに考えている。
(太田啓子会員)

研修会、民事重要判例紹介
 六月二三日、弁護士会館五階において、「一般民事判例紹介〜平成一四年度を中心として」と題し、会員研修が行われた。講師は前年度同様、佐藤彰一立教大学教授・第二東京弁護士会会員である。訴訟参加関連や当事者能力関連、抵当権に基づく物上代位権行使を制限する事例、消費者契約法九条一号関連の下級審判例等全五〇件につき解説いただいた。最新の判例につき学説を踏まえたアップトゥデートで詳細な解説をいただき、大変参考になった。
(高島 誠会員)

第13回日弁連業対シンポジウムに参加しよう
 日弁連主催の業務改革シンポジウム(委員長高橋理一郎会員)が、本年11月14日(金)鹿児島市で開かれますので、ぜひ多くの方の参加をお願いします。
 私は、高橋委員長から「法律事務所とIT」のシンポジウムがあると聞いて、押しかけ幹事にしてもらいました。法律問題リンク集、テレビ電話、プリペイドカードによる決済など参考になるものばかりです。裁判所は着々とIT化を進めている一方検察庁はそれほどでもないなど、最先端の情報にも接することができ、毎回楽しく参加させてもらっています。
 今回のシンポジウムは「事務職員との協働による業務革命」「21世紀を生きる弁護士のためのIT」「自治体・議会と弁護士の新たな関係」の3つの分科会がありますが、いずれも皆おもしろそうで、すぐに役に立つものです。ただ、鹿児島が遠いので、参加者が少なくなるのではないかというのが、唯一心配です。そこで、屋久島観光をメインにその前にシンポジウムに参加しようと呼びかけ、横浜と千葉から17名の参加を得ることに成功しました。興味のある方はぜひ山本まで連絡下さい。
 高橋会員が委員長を務めるシンポジウムです。当会からの50名を超える参加で、盛り立てて下さい。
(山本安志会員)

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