横浜弁護士会新聞

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20004年4月号(4)

 
新人弁護士奮闘記 第55期  城田 孝子
資格ある者の責任
 海が好きだ。横浜の港も素敵だが、私は湘南の海のジメっとした潮風や、漁港の匂いにアロマテラピーさながらの癒しを感じる。
 1年半前、修習を終え小田原の事務所に就職することになった私は、潮風を感じながら心穏やかに働くはずだった。ところが、この1年半の間「海が綺麗だ」などと感じられた瞬間がどれほどあっただろう。気づくといつも眉間には皺が寄っていた。自信がないから右往左往し、自分の言葉には何て説得力がないのかと落ち込む日々の連続だった。
 「弁護士になって良かった」と思えるようになったのはいつ頃からだろうか。依頼者の笑顔や感謝に触れた時、自分の犯した罪を悔い涙を流す被告人の姿にもらい泣きしそうになった時、少年院に行った少年から「頑張ってます」の手紙をもらった時、それらはごく些細なことかもしれないが、少しずつ少しずつこの仕事が好きになってきた。自信は経験によって培われることを身をもって実感した1年半だったかもしれない。
 弁護修習中、「別にあんまり働かなくてもいいんです。食べていければ。」と言った私を、指導担当の先生が「資格ある者には責任がある」と戒めた。普段めったにお説教じみたことを言わない先生だったから、その言葉は強く印象に残っている。最近その言葉の意味をしみじみと考えることがある。弁護士の力を必要としている人はたくさんいるのだ。使命感を抱きつつ感じる潮風はひときわ気持ちいい。

私の修習日記
めざす、脂の乗った修習生
第57期司法修習生 山根 基宏
 私たち57期B班は、検察、刑裁に続き、この1月から、第3クールで弁護修習に入りました。
 今まで、模擬裁判その他の行事で、弁護修習を経た班の修習生と会うと、なぜか、自分たちよりも脂が乗った人たちだとの印象を受けました。「隣の花は赤い」ということもあるのかもしれませんが、川崎に来て三週間が経ち、むべなるかなと思うようになりました。
 指導担当の田中先生の事務所は、駅前繁華街のテナントビルにあり、お役所と違い、敷居が低い場所です。
 そして、この事務所を拠点に、僅か三週間の間にも、各地の裁判所の他、顧問先や、決済の現場など、臨機応変にスケジュールを組んで出かけ、いろいろな方にお会いする機会をいただきました。
 また、和解期日の進行について、担当裁判官に直接電話をかけて相談をしたり、相手方当事者と共通の利益を見いだして係争不動産の売却を考えたりと、弁護士は柔軟にいろいろなことが出来る身軽さを持っているのだと実感しました。
 修習委員長講話の際、永井先生は、「弁護士にも『市民感覚』がない人はいる」、「『一般』国民という、自分は特別だということを前提とするような用語を使ってはいけない」と私たちを戒められていました。弁護修習は、まさに、私たち修習生が、生の当事者と会って、率直な話を聞き、また、裁判所に正式に出てこない現実社会のもやもやに触れることで、「市民感覚」を磨くのに最適なのだと思います。
 幸い、田中先生は何でも見せてやろうという熱意にあふれる方で、56期の井町先生は、一期違えばこれだけ違うことを実感させてくださる存在で、事務員さんも気さくな方々です。また、この川崎という地は、都会と田舎が共存する面白いところです。この恵まれた環境で、貪欲に修習に励み、脂の乗った修習生になって、本庁に戻りたいと思います。
(指導担当 田中徹男会員)

ボーダーも初参加 スキー同好会ルスツツアー
 横浜法曹スキー同好会では、北海道ルスツにおいて、2月27日から3月1日まで、スキーツアーを行った。
 同会では、海外スキーと国内スキーを毎年交互に開催しているが、今年は、国内であったこと、日程的な参加のしやすさから、55期・56期を中心とした若手会員の参加が目立っていた。これまでスキーヤーのみであった当同好会にもスノーボーダーが初めて参加したり、初参加の若手会員のスキー技術の高さから、これまでの常連組は、いい刺激を受けたようである。やはり同好会活動においては、新人の加入は必要的事項のようである。
 初日こそ吹雪でリフトやゴンドラが止まったり気温も低かったりとあまり恵まれたコンディションではなかったが、二日目以降はお天気にも恵まれ羊蹄山や洞爺湖が山頂から見えるなど(そのおかげで山頂でビールを飲む一行も出現したが)、参加者は各人各様に楽しんだようである。
 ともあれ、参加者全員怪我もなく無事ツアーを終えることができた。

なさけない!でも楽しかった 3庁囲碁大会
 2月21日、当会5階大会議室において、第12回となる3庁対抗囲碁大会が開催された。AクラスBクラスに別れて競いあった団体戦はAクラスが裁判所A1チームの優勝(昨年に引き続き2連覇)、Bクラスは検察チームの優勝となった。
 Aクラス優勝チームはメンバーが風邪をひいていたのに大暴れ。「くしゃみで相手がいやがった」と謙遜の言葉。検察庁は途中から大将副将入替策を取ったが、及ばず。弁護士A1チームもがんばったが、心ない弁護士会A2チームに足を引っ張られ(負け)戦線脱落。
 Bクラスは層の厚い検察チームが優勝。実力Aクラスのメンバーが流れてきた様子。準優勝は裁判所B1チーム。裁判所と検察庁の混成チームが3位に入賞。弁護士会B1チームは集合時間10分前になっても3名そろって姿を見せず、作戦会議でもやっているかと周囲を感心させたが、結局、3名ばらばらに到着したのでした。
 弁護士会は団体戦で入賞せず。さらに全勝者(6名)も弁護士会からはなし。本間会員の「なさけない!」の大声で盛り上がった懇親会でした。来年こそ!
(会員 植田 薫)

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編集後記
 インターネットの検索エンジンで自分の名前を検索したところ、弁護士会新聞で以前書いたこの編集後記が引っかかってきて驚いた。弁護士会新聞がインターネット上で公開されているためである。インターネットには無縁と思っている皆さんもどこかに名前が載っているかもしれませんよ。
デスク 安田英二郎 1面担当 両角 幸治 2面担当 長澤 洋征
3面担当 安田英二郎 4面担当 澤田 久代

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