横浜弁護士会新聞

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2004年6月号(2)

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常議員会正副議長紹介
会員の多様性に配慮
議長  岩村 智文
 私が常議員会議長になったことを知ったある新人弁護士が「ところで常議員会って、何ですか」と聞いてきた。質問者の意図とは別に確かにまともに考えてみるとよく分からない。会則第5条の2第2項、第72条に審議、決議すべき事項は規定されているが、今ひとつその位置づけ、性格がはっきりしない。しかし現実には、総会に次ぐ機関として種々の問題を審議し、決議しているようである。襟を正して、会議に臨まねばなるまい、と心に期しているところである。
 弁護士会は、全員加入の組織である。様々な立場、考えをもった会員で構成されている。その多様性を踏まえつつ、人権擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の機関にふさわしい、審議と決議がなされるよう心がけていかなければならないと自らに言い聞かせている。
 幸にして副議長に水地啓子会員が選出された。当会の会務、慣例に疎い私には何より力強い助っ人だ。これで安心して会議に臨むことができる。副議長がその持てる手腕を発揮できるような運営をはかることが肝要と思われる。
 1年後、諸先輩に伍すことができたと言われるよう、努力する所存です。よろしくお願いします。
常議員会レポート がんばります
副議長  水地 啓子
 今年度常議員会副議長に選任されました。
 副議長の職務は、常議員会の充実した審議と円滑な進行のため、議長を補佐することと心得ておりますが、今年度の岩村議長の緩急自在な議事運営に関しては、補佐役などまず必要とは思えません。
 私が、常議員会中にすることと言ったら、問題になっている規則等を会則集から探しだして議長に示したり、進行についての執行部からの連絡事項等を聞いて、議長に耳打ちするくらいでしょうか。
 1年間常議員会で黙っているのはたまらない(から副議長はどうしても遠慮したい)と言う同期の中で、会議中に黙っているのは苦にならない(本当です)消極的な私としては、発言できないことはまったく問題ではないのですが、それよりもこの1年大変そうなのは、この横浜弁護士会新聞の常議員会レポートと会員にFAXでお届けしている常議員会速報の作成です。
 今年度の常議員は第1回常議員会後の懇親会で、毎回必ず一言は発言したいと抱負を述べていた方も多かったのですが、その言葉どおり、第2回常議員会はなんと4時間にわたって活発な議論が繰り広げられました。そのことからも、毎回の充実した議論をまとめて報告するのは、かなり大変な作業になりそうで、執筆担当者としては正直やや気が重いのですが、なんとかがんばりたいと思っています。
 1年間どうぞよろしくお願い致します。

元気印のひと
裁判より早期に解決も
地労委公益委員 関一郎会員
 神奈川県地方労働委員会(以下「地労委」と略称する)で公益委員として活躍されている関一郎会員に、その苦労話などを語っていただいた。
−地労委の組織及び職務についてご説明ください。
 地労委は公益委員、労働者委員、使用者委員という3つの委員で構成されており、集団的労使関係の中でも不当労働行為の審査を中心に行っています。また、個々の労働者と使用者との紛争についても、あっせん、調停、仲裁などを行っています。
−公益委員に就任して何年になられますか。また、本年度4月15日から、会長代理に就任されていますが、会長代理の仕事内容についてご説明ください。
 公益委員になり今年で7年目になります。会長代理の仕事は、会長が職務を行えなくなった場合に代わってその職務を行うことや、公益委員の幹事として、労働委員、使用者委員との調整を行うことです。
−公益委員を経験されてのやり甲斐や苦労話についてお聞かせ下さい。
 全く労使関係についての知識に乏しい使用者が不当労働行為を行う事件の場合、公益委員等が間に入ることで、事件が和解で速やかに解決することがあります。このように速やかに事件が解決した時などは嬉しいですね。
 一方、大企業等では労働組合が複数存在する関係上、労使間の紛争というよりも、労働組合間での紛争がその実態である事件があり、このような場合は解決が困難を極め、苦労しますね。また、組合の組織率が2割を割っている現状で、もっと地労委の活躍の場を増やせないか、具体的には新しい労働形態である派遣社員やパートタイマーに関する労働問題にどう対応していくかなど、地労委としての大きな課題もあると思います。
−最後に会員へのメッセージをお願い致します。
 事件によっては、裁判所よりも地労委に申立てをした方が早期に解決に至ることがあります。会員の方には、地労委の存在を十分認識してもらい、労働事件の相談を受けた際に、地労委に申立てをすることも十分視野に入れて欲しいと思います。
−ありがとうございました。
(聞き手 常磐重雄)

いよいよ始まった法科大学院その4 “良き法曹”を生み出す手助け
関東学院大学法科大学院教授  本田 正士
 法科大学院がいよいよ始まった。関東学院も4月2日に入学式を済ませ、種々のガイダンスを経て同月12日より本格的な講義が開始された。関東学院は、当初未習者・既習者コース各30名の60名体制を予定し、前・後期日程の志願者計890名弱から合格者100名強を選抜したが、最終的には未習者コース27名・既習者コース18名でスタートした。学院としては、定員割れへの対処について議論をしたが、水準維持のために追加・補欠合格による定員合わせは見送った。
 当会からは専任・みなし専任教員が4名、非常勤講師が8名参加する。私は2年次生の「法文書作成」と「民事裁判実務」、3年次生の「民事訴訟実務の基礎」の3科目を担当し、来年開講予定の「民事訴訟実務の基礎」については当会の小林俊行会員及び裁判官教員の3名体制で原告代理人・被告代理人・裁判官とそれぞれの立場から多面的・具体的に民事訴訟手続きの流れ・展開を学生に考え理解してもらおうと思っている。
 また学生にきめの細かい対応をするため、未習者を2クラス、既習者を1クラスに分けて担任制をとり、担任が自分のクラス生の学習全般について相談等に当たり、私も既習者クラス18名を担当する。
 私のクラスの構成は女性5名に男性13名で平均年齢は29歳、他学部出身者と社会人経験者がそれぞれ半分弱を占める。社会人経験者の中には医師や司法書士が複数名おり、個人面談を通して伝わる彼らの司法にかける情熱や法曹資格取得後における希望活動分野の具体的なこと、目的意識の明確さ等に圧倒されつつも、20年以上前の自分自身を少し思い出したりもしている。そして私自身も彼らの情熱に負けることなく、その希望実現に協力し、ひいては次世代のより良き法曹を生み出す手助けができればと思っている。これから暫くは、錆びついた頭で要件事実と格闘する日々が続きそうである。

黒川参事官との意見交換会開催
 黒川弘務法務省官房参事官との意見交換会が以下の要領で開催されます。当会の実情を伝えると共に、日本司法支援センターの現状を把握する絶好の機会ですので是非ご参加下さい。なお、事前に質問事項あるいはご意見のある方は、事務局会員課(担当諏訪)までご連絡下さい。
日 時 平成16年7月2日 午後2時
場 所 横浜弁護士会館(人数により変更の可能性あり)

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