横浜弁護士会新聞

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2005年5月号(1)

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庄司道弘新会長に聞く 県民に向かってもっと「かけ橋」を作ろう
─会長就任おめでとうございます。現在の心境をお聞かせください
 会長の重責を前にして身が引き締まる思いです。
─新執行部のキャッチフレーズは何でしょうか
 「県民に向かって、もっと『かけ橋』を作ろう」を合言葉にしていきたいと考えています。一例としては、弁護士会が、より県民個々の需要に結びついた法的サービスを提供するための橋渡し役を担っていければと考えています。具体的には、現在行われている一般法律相談等に加え、前執行部の下で立ち上げられた各研究会所属の弁護士が、研究会で得た知識を生かして相談に応じる専門別法律相談の設置を今後の課題としたいと思います。
 司法支援センターにおける取り組みなどと併せて、県民と弁護士会との間に幾重にもわたる重層的なかけ橋を作ることができればと考えています。
─司法改革も一つの形が見えてきましたが、これにどのように対応していくお考えですか
 市民にとって「身近で早く、利用しやすく、頼りがいのある司法」という、この改革の目標を実現できるように制度を運用していかなければならないと考えています。
─平成18年より業務を開始することになる司法支援センターに対しどのように関わっていくべきでしょうか
 「改革」の結果、現在よりも法的なサービスの質が低下するようなことがないよう、日弁連、関弁連、他の単位会と連携を取って、強く意見を述べていくつもりです。
 また、将来的には公設事務所、相談センター、ADR等の活動を統合したワンストップ・サービスを提供する拠点にできればと考えております。
─司法改革後の弁護士、弁護士会像についてお聞かせください
 これまでのように事務所で依頼者を待っているのではなく、県民に弁護士や弁護士会からアプローチし、県民の需要の受け皿をできるだけたくさん作っていくことが求められているのではないでしょうか。
 また、行政による事前規制から、自由競争を前提とした事後規制の方向に時代が移りつつある現在においては、小さな行政・大きな司法といった言葉で表現される自立した社会を実現するために、司法の一翼を担う弁護士会も努力していく必要があります。
─ご趣味は
 ゴルフと山歩きです。
 ハンデはオフィシャルで13です。
─長所と短所は
 長所は、他人に寛大であること。
 短所は、自分にも寛大過ぎるときがあることでしょうか。
─印象に残った事件がありましたらお聞かせください
 弁護士12年目の頃に、同世代の弁護士数人で担当した医療過誤事件が非常に印象に残っています。
 新生児が出生直後に低血糖症に陥った際の医療ミスに関係するものだったのですが、お互い遠慮なくあれほど議論した事件は他にありません。「この準備書面を出せないなら辞任する!」なんて言いながら深夜まで徹底的に議論したことが今でも思い出深いです。
─県民に対してメッセージを
 県民からもっと見えやすく、馴染みやすい位置にあるように、弁護士や弁護士会全体で努力していきますので、県民の皆様も身近な存在として利用していただきたいと考えています。どうぞ、よろしくお願いします。
─最後に会員に対して一言お願いします
 司法支援センターや都市型公設事務所の設置準備の時期となりますが、これらの活動も一般会員の助力があってこそのものとなります。これからも物心両面でのご協力をお願いします。

新理事者就任披露懇親会
 4月1日午後6時より、ホテルニューグランド3階ペリー来航の間において、当会の新理事者の就任披露懇親会が行われた。
 披露に先立って、昨年度の理事者を代表して高橋前会長から司法改革をはじめ、昨年度の活動内容などの報告がなされた。
 続けて新理事者が紹介され、代表して庄司新会長より挨拶があった。当会は明治13年6月発足以来125年の歴史を有しており、それを支えてきたのは名もない弁護士の活動であったこと、司法改革のうねりの中で、身近で、早く、頼りがいのある弁護士会を目指したいとの決意が語られた。また、全国のモデルケースとなるような司法支援センターの開設、都市型公設事務所の設立、紛争解決センターの充実、専門性を備えた法律相談活動の充実、裁判員制度開始に向けての市民への啓蒙活動、などの抱負が語られた。
 次に、淺生重機横浜地方裁判所長より来賓の挨拶があり、裁判員制度の実現のために弁護士会、裁判所、検察庁の法曹三者の協力が不可欠であること、前理事者における県内38の地方公共団体への訪問、各支部の会館設置による司法サービスの充実など、国民に開かれた裁判への当会の活動につき評価をいただいた。
 続いて、大木宏之神奈川県副知事、中田宏横浜市長を代理して金田孝之副市長、神奈川県議会新堀典彦議長より祝辞をいただき、横浜地方検察庁松永榮治検事正の乾杯の音頭で懇親会に入った。
 挨拶の時は若干緊張気味であった庄司会長や副会長も、宴が進むと各テーブルを回り、出席者一同その気さくな性格と率直な人柄に触れることができた。
(取材 栗田誠之)

山ゆり
 私のパソコンには、弁護士会新聞用の書式が設定してある。文字数を合わせ、2段組で印刷できるようにしてあるだけだが、こうすると原稿のチェックがしやすい。足掛け8年近く本誌の記者をしたささやかな証である
最初は、重鎮の先輩弁護士が主に集まる会合の取材では、自分が場違いな気がして、「プレス」という腕章が欲しいと思ったものだ。しかし、そのうち図々しくなり気軽に話を聞けるようになった
また、「広報委員会ですが」と言うと、会員の方も事務局の方も非常に丁寧に対応してくれる。それだけ新聞が親しまれている証だ。広報委員会出身の先輩弁護士からは、最近は取材記事が少ないとか、報告記事ばかりでおもしろくないとか、いろいろな苦言も耳にするが、これも新聞が読まれ、気にされている証である
メルマガ全盛の時代でも、椅子にどっかとふんぞり返り、両手で広げれば見出しと写真が目に飛び込んでくる新聞はやはり貴重だ。私はずっと一介の記者だったが、広報委員会にはさらにデスク、編集委員という猛者(失礼)がたくさんいる。今後も新米記者を叱咤激励しつつ、愛される新聞を生み出し続けてくれるに違いない
今回、広報委員会から外れることになって少し寂しいが、本紙の愛読者であることはいつまでも変わりがない。
(浦田修志)

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