横浜弁護士会新聞

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2005年5月号(2)

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もっとADRを利用しよう ADR研修会開催される
 3月10日にロイヤルホールヨコハマで、紛争解決センターの研修会が開催された。
 当会会員39名と神奈川県土地家屋調査士会会員9名が出席した。
 講師は愛知県弁護士会(当時は名古屋)所属渡邊一平弁護士と当会より会員、小嶋干城会員が務めた。
 渡邊一平弁護士は、日弁連ADRセンターの副委員長をされており、ADRの第1人者である。
 渡邊一平弁護士からは「やや苦い話と元気の出る話」という副題で、次のような内容の講演がなされた。
 「ADRとは、裁判外紛争解決手続である。今後、ますます重要になっていくことは自信を持って言える。全国単位会でいわゆる仲裁センターが設置されているのは19会。平成15年度の全国の申立件数は1118件、解決件数540件になる。
 ADRは、法的紛争解決の専門家である弁護士が中心となって支えていくべきである。平成16年11月18日に成立した略称ADR法は、ある機関が法務大臣の認証を受ければ、その機関への申立に一定条件で時効中断の効力を認め、訴訟手続の中止も可能となること等を定めている。
 愛知県弁護士会では、『簡単、早い、役に立つ、納得・公正、費用も妥当』をキャッチフレーズに年間200件を超える申立に対応しており、毎年10%〜20%の増加率が見られる。解決期間は平均3か月で3〜4回で半数程度が解決に至っている。
 具体的事例として、愛知県弁護士会のあっせん・仲裁センターで、ゼネコンと自治体との約3億円の紛争につき、約9か月で解決した事例がある。この事例は新聞報道もされた。
 今後、弁護士会主催のADRが充実していくためには、広報とチーム作り、(弁護士と市民)の応援団作りにより力を入れていくべきである。」
 続いて当会の会員より、新仲裁法の解説がなされた。特に「和解的仲裁判断(仲裁法38条決定)」の利用の増加が見込まれるということが報告された。最後に、当会の小嶋干城会員から、ある職場内の人身事故解決の実例説明がなされた。
 2時間の研修時間はあっと言う間に過ぎたと感じられる程、充実した研修だった。
 当会の紛争解決センターは設立から10年。
 当会より遅れて発足した愛知県弁護士会のあっせん・仲裁センターの実績や熱意に、当会も負けずに頑張らなければならないという思いを強く持たされた1日だった。

あなたの司法 使えるセンター 3・10電話相談 大盛況!
 平成18年秋から日本司法支援センターの業務が開始される予定である。同センターは相談窓口(アクセスポイント)、司法過疎対策、民事法律扶助、公的刑事弁護、犯罪被害者支援等の業務を行うが、市民に十分認識されているとは言えない。
 そのため、日弁連は3月17日に「司法支援センター・フォーラム」を開催したが、そのプレ企画として日弁連の要請により、当会が電話によるアクセスポイント業務と法律相談業務を試行することになった。それが、3月10日に当会会館で行われた「一斉電話無料相談」である。
 当日の流れは、まず当会会員が電話を受けて簡単に相談内容を聴き、適切な担当者を選別して振り分け、弁護士、司法書士、税理士が相談を行うというものである。午前10時から午後3時まで行われ、日弁連からの応援も合わせて弁護士が延べ36名、司法書士が延べ6名、税理士が3名参加した。事前に新聞で取り上げられたほか、当日のNHKの昼のニュースでも放映されたこともあって、予想以上の反響があり、電話は専用に用意された16回線が常時使用中という状態であった。
 記者も受付業務に従事したが、電話に出た途端、「やっと電話がつながった」と言われたことが何度もあった。また、相談の振分先として弁護士が適切と思っても、相談担当の弁護士が全て対応中で、受付担当の当会会員が相談に応じることも多々あった。
 相談は合計351件で、内容は相続、離婚、損害賠償、多重債務、金銭貸借等が多かった。いかに相談の需要があるか、手軽なアクセスポイントがいかに重要か実感させられる1日だったが、電話の応対に追われ非常に疲れる1日でもあった。
(取材 浦田修志)

中規模弁護士会の抱える諸問題について活発な意見交換
 3月12日、横浜情報文化センターで、三会交流会が開催された。この会は、愛知県弁護士会、福岡県弁護士会と当会との三つの弁護士会が、毎年持ち回りで開催しているもので、東京・大阪に次いで会員数の多い中規模の弁護士会の理事者が一堂に会し、互いに抱えている共通の問題について情報交換をしながら交流を深めることを目的としている。
 今年は、当会からは、理事者の諮問機関である三室(調査室、財務室、事務局運営室)の室員も参加し、日本司法支援センターや法教育、新司法修習への対応といった今次の司法改革に関連した問題や、都市型公設事務所の設置や会務の有償化問題といった、正に中規模の弁護士会が抱えている問題に関して、各地の対応状況や今後の進め方などについて活発な意見交換がなされた。特に、平成18年4月に設置が予定されている日本司法支援センターについては、工夫を凝らしながら準備作業を進めている報告がなされ、また、都市型公設事務所については、具体的な検討段階に入っている愛知県弁護士会から、その目的や役割、設置に向けた具体的な手続きや費用などについて質問がなされた。
 夕方からは中華街で懇親会が催され、美味しい上海料理に舌鼓をうちながら、お酒の勢いも手伝ってか、各会から本音を交えた報告がなされ、盛況の内に幕を閉じた。なお、次年度は愛知県弁護士会での開催が予定されている。

新理事者就任披露懇親会 来賓の方々
順不同・敬称略
横浜地方裁判所長
 淺生 重機
横浜家庭裁判所長
 安倍 嘉人
横浜地方検察庁検事正
 松永 榮治
神奈川民事調停協会連合会会長
 池田 忠正
神奈川家事調停協会連合会会長
 大久保 博
横浜検察審査協会副会長
 河野千恵子
神奈川県副知事
 大木 宏之
神奈川県広報県民課課長
 山田 直子
神奈川県議会議長
 新堀 典彦
自由民主党神奈川県議会議員団団長
 榎本 与助
民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団副団長
 大木  哲
県政21・県民の会神奈川県議会議員団団長
 笠間 茂治
公明党神奈川県議会議員団団長
 金子 武雄
横浜市副市長
 金田 孝之
横浜市市民局広報相談部長
 守矢  直
鎌倉市企画部長
 兵藤 芳朗
茅ヶ崎市総務部広報広聴課長
 木村 竹彦
大磯町町長
 三澤 龍夫
横浜商工会議所会頭
 高梨 昌芳
神奈川県司法書士会副会長
 木村 一美
東京地方税理士会副会長
 西海  亨
神奈川県土地家屋調査士会会長
 横山 一夫
神奈川県社会保険労務士会会長
 大山 昭久
社団法人神奈川県不動産鑑定士協会会長
 杉田 義朗
神奈川県行政書士会副会長
 関口 午郎
日本公認会計士協会神奈川県会副会長
 中野  明
社団法人神奈川県建築士会副会長
 藤田  武
社団法人神奈川県建築士事務所協会副会長
 米澤 榮三
日本建築家協会関東甲信越支部JIA神奈川代表
 山口洋一郎
産経新聞社横浜総局長
 渡辺 茂大
日本経済新聞社横浜支局長
 高木 伸二
日本労働組合総連合会神奈川県連合会会長
 白石 俊雄
神奈川県労働組合総連合議長
 菊谷 節夫
社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会かながわ権利擁護相談センター所長
 相生 正弘
神奈川県人権擁護委員連合会会長代理
 坂田 清一
社団法人神奈川県社会福祉士会会長
 
社会福祉法人横浜市社会福祉協議会会長
 齋藤 史郎
財団法人中小企業災害補償共済福祉財団常務理事
 渡貫 伸二
財団法人中小企業災害補償共済福祉財団神奈川支局長
 酒井 良明
横浜国立大学大学院国際社会科学研究科国際経済法学研究系系委員長
 田中 利幸
横浜国立大学大学院国際社会科学研究科法曹実務専攻長
 野村 秀敏
横浜国立大学大学院国際社会科学研究科評議員
 池田 龍彦
神奈川大学学長
 山火 正則
神奈川大学大学院法務研究科委員長
 矢口 俊昭
関東学院大学大学院法務研究科専攻主任/横浜弁護士会綱紀委員会委員
 松原  哲
桐蔭横浜大学大学院法務研究科長
 千種 秀夫
衆議院議員
 池田 元久
衆議院議員
 上田  勇
衆議院議員
 大出  彰
衆議院議員
 小此木八郎
衆議院議員
 加藤 尚彦
衆議院議員
 河上 覃雄
衆議院議員
 桜井 郁三
衆議院議員
 佐藤謙一郎
衆議院議員
 志位 和夫
衆議院議員
 菅  義偉
衆議院議員
 鈴木 恒夫
衆議院議員
 田中 和徳
衆議院議員
 田中 慶秋
衆議院議員
 樋高  剛
衆議院議員
 古屋 範子
衆議院議員
 松本  純
衆議院議員
 山際大志郎
参議院議員
 浅尾慶一郎
参議院議員
 小林  温
参議院議員
 齋藤  勁
参議院議員
 千葉 景子
参議院議員
 小泉 昭男
参議院議員
 松 あきら
横浜弁護士会資格審査会委員
 長井  圓
横浜弁護士会懲戒委員会委員
 並木 裕之
横浜みなと会計事務所公認会計士
 江田  寛

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