横浜弁護士会新聞

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2005年7月号(1)

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『身近で早く利用しやすく頼りがいのある』庄司執行部 平成17年度通常総会
 5月25日当会会館において通常総会が開催された。庄司会長から所信表明がなされ、続いて平成16年度の会務報告がなされた後、決算・予算、各種委員会委員等選任についての議案を審理し、全ての議案が賛成多数で可決・承認された。
所信表明
 庄司会長は所信表明において、司法制度改革が立法作業を終えて実施段階を迎えたことを踏まえて、「身近で早く、利用しやすく、頼りがいのある司法」という改革目標を実現するために「市民とのかけ橋」となることを目指すと述べ、5月17日に開催された裁判員裁判の3庁合同模擬裁判と5月21日に開催された法教育シンポジウムの報告を行うと共に、来年4月に発足する司法支援センター設置の準備や公設事務所開設実現への努力、法律相談活動の発展・充実などといった目標を提示した。
会務報告等
 平成16年度一般会務報告、支部活動報告、調査室・財務室・事務局運営室の各活動報告がなされた後、各種委員会報告がなされ、5委員会より口頭にて別途報告がなされた。
 刑事弁護センターの金子泰輔委員からは公判前整理手続・被疑者国選弁護制度・裁判員裁判についての報告、情報問題対策委員会の彦坂敏之委員からは個人情報保護法についての報告、司法教育委員会の藤村耕造委員からは法教育シンポジウムの報告がそれぞれなされた。また、総合改革委員会の森和雄委員からは弁護士会の今後の役割を検討課題とする旨の報告及びこれにあたっての各会員に対する協力の要請、会館調査検討委員会の瀬古宜春委員からは今後の会館維持運営の検討にあたっての各会員に対する協力の要請があった。
決算・予算
 第1号議案の平成16年度収支決算が前期会計担当本間前副会長から報告された。続いて第2・第3号議案の平成17年度予算案及び平成18年度4・5月分暫定予算案が会計担当前田副会長より一括上程され、審議された。
 これまで当会の収入源の1つとなっていた法律相談センターからの収入は、平成16年度の収支決算では会員への督促により最終的には増加しているが、法律相談件数自体は減少しており、平成17年度の予算案では、一般会計・特別会計ともに収入の減少を見込んでいる。本間前副会長は、今後センターからの収入を見込んだ予算組みは困難と思われるとの見解を示し、今後の健全な予算形成のため、センター相談に対する各会員の協力が要請された。法律相談センターについては、クレサラ相談の無料化、行政相談枠の減少等、今後の収入増が予測困難となる状況が想定されており、長期的に当会の予算組みをどのように考えるかについては今後の検討課題となろう。
 支出面においては、今年度の予算案で初めて公設事務所貸付金支出が設けられた。この支出には、前年度まで予算計上されたことのなかった特別積立預金4000万円のうち3000万円が取り崩され財源に充てられる。これは公設事務所の設置・運営が臨時総会で決議された当初より資金援助のための新たな負担を会員に求めないことが暗黙の前提であったことを受けたものであり、会員の特別会費を主たる原資とする司法改革関連特別基金からの公設事務所への支出は無かった。
会内人事
 第4号議案の懲戒委員会、綱紀委員会の委員及び予備委員の選任がそれぞれ辞任、欠員のために上程され、全会一致で提案どおり可決された。

法教育って何
 5月21日、横浜市教育文化ホールにて「法教育シンポジウム in KANAGAWA 〜教師と弁護士の新しい取り組み」が開催された。
 「法教育」という言葉に耳慣れない印象があるかもしれないが、ごく簡単に説明すると、法やルールの目的やその背景にある価値を学ぶことによって、互いの権利を尊重し、自由で公正な社会を実現するための人権意識と責任感を習得させることを目的とした教育を言う。このような法教育の重要性は多くの関係者が認識するに至っており、今回のシンポジウムは、当会のほか、日弁連、関弁連が主催するとともに、神奈川県教委、横浜・川崎市教委の共催、最高裁、法務省、文部科学省、神奈川県等の後援を得るというこれまでに前例のない程の大規模な催しとなった。
 シンポジウムでは、憲法学者で京都大学大学院法学研究科の土井真一教授による基調講演、全国の単位会による法教育の実施状況及び本間春代会員によるアメリカ視察の報告に続き、カラオケ店を題材とした身近な問題に関するルールを作るという市立中学校での授業風景を撮影したビデオを上映し、法教育を現場の教員が実践するためのモデルを提案した。
 パネルディスカッションでは、文部科学省、教育委員会、現場の教員及び弁護士の各パネリストにより法教育の普及発展のために不可欠な法律専門家と教育関係者との連携などにつき議論された。
 来場者は400名を超え、ホールはほぼ満員の盛況だった。
 シンポジウムの内容についても各方面から高い評価を受け、特に授業風景を撮影したビデオに関してはDVD化して欲しいといった要望も出ており、今後その企画につき協議を進めていく予定である。
 シンポジウムの企画、準備を進めてきた司法教育委員会は普段から若手会員を中心に熱心に中・高等学校に対する出前授業や裁判傍聴等の活動を行っており、日ごろの法教育活動に対する熱意が今回のシンポジウムの成功に結び付いたように感じる。
(司法教育委員会 委員 田丸明子)


山ゆり
 先日、遅ればせながら「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のスペシャル・エクステンデッド・エディションDVDをそろえて購入した。各巻とも未公開シーンが30分以上含まれて話の伏線等も豊富なので、一度映画を観た人でも二度おいしく楽しめる
「ロード・オブ・ザ・リング」といい「ハリー・ポッター」といい、最近ファンタジー作品の人気が著しい。私は昔からファンタジー物が好きで、以前なら児童文学書売場を気恥ずかしい思いで覗くしかなかったのが、今では何故か最新文庫売場で昔からある作品が表紙の装いも新たに発見されたりして、嬉しいやら可笑しいやらで思わず笑ってしまう
ファンタジー作品を映像化する場合、CGや特殊効果に失敗すると大変悲惨な結果となるが、最近の撮影技術は魔法や想像上の生き物を本物のように描き出す。こうやって観客は、現実を忘れて違う世界を彷徨う事に没頭できる。ファンタジー物の近時の人気は、果たして撮影技術の向上故か、はたまた現実を見たくない人間がそれだけ増えたせいか
今度は2007年にナルニア国物語シリーズの第1作「ライオンと魔女」が映画化される。全7作中、何作目まで映画化するかは未定のようだが、人が長く夢を見る事を望む分だけシリーズの映画化は続くのかもしれない。
(須藤由理)

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