横浜弁護士会新聞

2006年5月号  −1− 目次

木村良二 新会長に聞く 会として会員のために『何ができるかが課題』
〜会長就任おめでとうございます。現在の心境をお聞かせ下さい
 いろいろな面で大変な時期だと感じる一方、副会長たちと話をするだけでも楽しく感じています。また、先日十県会の集まりがあり参加しました。会員には馴染みが薄いですが、十県会は当会にとって重要な存在であると感じています。
〜今年度の執行部は、どのようなことに取り組もうとお考えですか
 これまで弁護士会は会員に対して注文を付けたり指導したりと、どちらかといえば厳しい存在でしたが、逆に今期は、会として会員のために何ができるのか、ということを問うていきたいと考えています。また、弁護士の職務の本質はその紛争解決能力にあると思いますから、弁護士としての能力に磨きをかけ、基礎を固めていくような活動を考えています。
〜就任披露の挨拶では法テラス、ADR、若手弁護士の育成支援を挙げておられましたが
 これらの問題も、会が会員のために何ができるか、弁護士の紛争解決能力という基礎をいかに固めるかという視点から取り組むべきものと考えています。
 法テラスについては、実施を目前に控え、運用マニュアル作りなど弁護士業務との関わりに極めて大きな影響がある段階にありますので、一時も目が離せない状態です。放っておけば最終的に弁護士に頼ってくるだろうという態度ではいられません。弁護士として存在感を発揮するには、我々も汗をかかなければならないと考えています。
 また、ADRについても、今年度内に認証を受け、紛争解決の専門家である弁護士にふさわしい制度に整えたいと考えています。
〜若手の育成支援というのはこれまでにない発想だと思います。
 法科大学院卒業生の受け入れにより、いよいよ年3000人時代が間近に迫っています。これからは競争も一層激しくなるでしょうし、経験の少ない弁護士が、弁護士としてのリーガルマインドをしっかりと持って仕事に就けるよう、いろいろと支援していくことを考えています。そのことが弁護士全体の信頼の維持にもつながると思います。
〜将来の弁護士・弁護士会像についてお聞かせ下さい
 将来の弁護士を取り巻く状況は決して楽観できるものではありませんが、一方で弁護士が社会に貢献できる場も飛躍的に増大する余地があると考えています。しかし、ただ手をこまねいてみているだけではそうならないと思いますので、弁護士会としても会員の職域拡大のために積極的に策を施すべきであり、弁護士会とはそういう存在であると考えています。
 また、弁護士も、紛争解決の担い手として社会から常に信頼される存在でなければならないと考えています。
〜趣味の話をお聞かせ下さい
 ゴルフが好きで昨年度は毎月4回くらいのペースでコースに出ていました。今年はそうはいかないと思いますが、ゴルフ仲間からは下手になったら教えるからと言われていますので、安心して会務に専念したいと思います(笑)。
〜県民へのメッセージはありますか
 あらゆる法分野に通じ、またリーガルマインドの訓練を受けた弁護士こそが実質的にも紛争解決の専門家であるということを県民の皆様にご理解頂けるよう、がんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〜最後に会員に対して一言
 競争社会の是非はともかく、そういう状況にあることは間違いありません。目先の利益にとらわれず、リーガルマインドの気持ちを忘れずに日々努力することが競争を勝ち抜くことにつながると思います。

新理事者就任披露懇親会
 4月3日午後6時より、ホテルニューグランド3階ペリー来航の間において、当会の新理事者の就任披露懇親会が行われた。
 披露に先立って、昨年度の理事者を代表して庄司道弘前会長から昨年度の活動内容や前副会長の業績などの報告がなされた。
 続けて新理事者が紹介され、代表して木村良二新会長より挨拶があった。新会長は、就任披露懇親会は例年4月1日なのに今回は3日だから嘘はつけないという先輩弁護士の話を紹介して参加者の笑いを誘った後、重点的に取り組む課題として、法テラス、ADR、若手弁護士の育成支援の3つを掲げ、木村会長らしいスマートな話しぶりで参加者に協力を呼びかけた。
 次に、淺生重機横浜地方裁判所長より来賓の挨拶があり、17年度執行部のキャッチフレーズである「県民との架け橋」を引用して法教育シンポ、裁判員制度における旧理事者の功績を称えた。
 続いて、大木宏之神奈川県副知事、金田孝之横浜市副市長、牧島功神奈川県議会議長、蒲谷亮一横須賀市長より、それぞれ含蓄のある祝辞を頂き、横浜地方検察庁松永榮治検事正による乾杯の音頭で懇親会に入った。
 今年は例年よりも参加者が多いように感じられ、盛況のうちに幕を閉じた(来賓として出席頂いた方々は2面のとおり)。

山ゆり
 「先生」とはいったいなんだろうと思って広辞苑を見た
先生=先に生まれた人。ははは、分かりやすい。でも、これはちょっと違うぞ
先生=医師・弁護士など、指導的立場にある人に対する敬称。う〜ん。問題は「先生」そのものの意味なんだよね
先生=学徳のすぐれた人、自分が師事する人。学徳って何だろう?さらに引いてみる。学徳=学問と徳行。徳行とは道徳にかなったよいおこない、だって!
ある弁護士から「先生と呼ばれることに抵抗がある。」という話を聞いたことがあるけど、自分としては余り抵抗なく「〜さん」と呼ばれるくらいの意味に思っていた。でも、よくよく考えてみると、重い言葉だな〜「先生」って。道徳にかなったよいおこないが優れている(?)ってものすごいプレッシャーだよ。どうやったら道徳にかなった良い行いができるのだろう
それから弁護士はバッジを付けたら「先生」になるのか、バッジを付けていなくても「先生」でなければいけないのか。これもいつも考えてしまう。私の説は前者。バッジはウルトラセブンの眼鏡みたいに「先生」に変身するための重要なアイテム。バッジを付けたまま漫画の立ち読みはできません。もちろん、変身前の自分も何でもアリではありません、念のため
そうそう、言い忘れたけど広辞苑にもう一つあった。先生=他人を、親しみまたはからかって呼ぶ称。これか!?
(岩田武司)

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