横浜弁護士会新聞

2008年6月号  −1− 目次


消費者庁の建設に向けて奔走
─今年4月に日弁連副会長に就任されて、まず現在のご感想をお聞かせ下さい
 日々新鮮で、非常に楽しいというのが率直な感想です。
 
─普段のスケジュールはどのような感じですか
 月曜日は事務所に出るように心がけていますが、それ以外の日は、ほぼ終日、霞が関の日弁連に詰めている状態です。日弁連での仕事の大きな比重を占めるのは、正副会長会議や担当委員会などの会議です。これらの会議は非常に中身の濃いものとなっており、事前に優秀な事務局からブリーフィングを受けたり、準備をした上で臨んでいます。
 
─日弁連では、どのような分野を担当されていますか
 消費者問題対策、民事裁判手続、ADRセンター、広報、非司法競売ワーキンググループなど合計13の分野に渡ります。現在は、消費者行政を一元化する新組織である消費者庁の創設に向けた活動に奔走しています。
 また、非司法競売手続の導入といった新しい問題については、既存の委員会だけでは十分対応できないので、複数の委員会から横断的に人材を集め、ワーキンググループを立ち上げて対応しています。明朝もこの問題について、ある政党本部へ行き、国会議員からヒアリングを受ける予定です。
 
─特に力を入れていきたい分野を教えて下さい
 やはり、まずは担当となった委員会の仕事をしっかりやっていきたいと思います。個人的には、ADR関係や法曹養成・法曹人口問題にも関心があります。
 
─日弁連執行部という立場になられて、新たな発見はありましたか
 今までは当たり前のように感じていた日弁連の業務が、実は、日弁連執行部や事務局など組織力を総動員して相当の準備をした上で、執行されているということを知ることができました。昨年度は日弁連理事として理事会に参加していたのですが、理事会を上回る濃い内容の議論が、正副会長会議で行われていることが分かりました。また、政治家や最高裁、法務省などとの協議、折衝が多いことにも驚いています。
 
─一番苦労されるのはどのようなことですか
 やはり業務量が膨大なため、日々、関連資料が積み重なっていくことでしょうか。これらをすべて隅々まで目を通すことは時間的にも不可能ですので、いかにメリハリを付けて資料を読み込んでいくかが工夫のしどころだと思います。
 
─県民へのメッセージを
 当会は今年度中に会員数が千人を超える見込みであり、着実に力をつけつつあります。県民の皆様から「県民の駆け込み寺」として頼りにしていただける弁護士会を目指します。
 
─逆に、一番楽しいのはどのようなことですか
 副会長仲間との交流ですかね。全国から色々な人が日弁連のために集まってきている。皆酒飲みのいいおじさん達ですが(笑)、非常に真面目で、一つひとつの課題に真剣に取り組んでいます。宮崎会長を筆頭にみんな和気あいあいとやっているので、雰囲気は非常にいいですね。
 
─とてもお忙しいようですが、横浜弁護士会新聞を読む時間はありますか
 もちろん読んでいます。日弁連にも配布されていますよ。
 
─最後に、当会会員へのメッセージをお願いします
 議員立法で次々と法案が成立し、個々の弁護士が対応するのは難しい時代に日弁連の役割はより重要になっています。その日弁連の中で、当会の存在感を高めるためにも、若い人が色々な委員会に所属して、頑張ってほしいと思っています。また、人権大会、関弁連大会などの行事には、積極的に参加してほしいと思います。霞が関の弁護士会館の16階に執務室がありますので、近くに来た際は、ぜひお立ち寄り下さい。お茶くらいは出しますので(笑)。

児童虐待問題等につき活発な意見交換
 4月5日、大阪弁護士会子どもの権利委員会「児童福祉と子どもの人権部会」と、当会子どもの権利委員会「児童虐待問題部会」との交流会が開催され、大阪からは13名、当会からは14名の参加があった。
 例年、テーマは各部会が自由に設定することになっており、大阪からは、(1)児童福祉法28条事件における選択的承認(家裁による複数の施設への入所承認の可否)(2)改正虐待防止法勉強会報告について、当会からは、(1)14歳未満の触法少年に対する警察による調査及び付添人のあるべき活動(2)児童相談所の施設入所児に対する面会制限処分とその不服申立(3)子どものためのシェルター「てんぽ」について、報告及び討論が行われた。
 どのテーマについても、活発な意見交換、議論がなされ、非常に勉強になった。児童虐待問題について先駆的に取り組んできた大阪の弁護士も、一つ一つの事件に悩み、心を痛めながら取り組んでいるということもよくわかり、どこでもみんな悪戦苦闘しているのだなあ、との思いを強くした。
 もう一つ印象に残ったのは、大阪の部会員の半分が男性で、年齢層も幅広いということである。それに比べ、当部会は7割近くが女性である。少しでも児童虐待問題に関心がある方は、女性男性問わず、いつでも大歓迎なので、お気軽に部会に顔を出していただきたい。
 そして交流会の最後は、中華街での懇親会も大いに盛り上がり、来年の大阪開催をまた楽しみに、虐待問題に取り組む決意を固めた次第である。
(会員 新井 聡子)

山ゆり
 「弁護士の仕事の醍醐味って、どんなところにありますか?」司法修習生や法曹を目指す学生から、よく尋ねられることがある。弁護士によって、その答えは十人十色であろうが、私は、司法修習中に、ある医師から聞いたこんな言葉を思い出す。「医師や法律家の仕事のいいところは、一生涯、勉強することができることだ。しかも、勉強することで収入を得ることができるのだから、こんなに恵まれた仕事はない」
 私も弁護士となり早6年目、仕事を通じて、たくさんのことを学ぶ機会に恵まれ、この言葉を身をもって実感している。法律のプロとして使いこなすべき道具である法令はもちろん(改正に日々対応していくのは大変なことであるが)、企業活動、複雑な金融取引、IT、会計、税務、夫婦関係、医療、犯罪実態、心理、英語、交渉、コミュニケーション等々挙げればきりがない あじさい
 冒頭の問いに対しては、そんな私の実感を話すことで、弁護士という仕事の魅力を伝えることができればいいなと考えている。「実際は、その何倍も苦労することの方が多いのだけどね(涙)」という言葉は胸にしまったままで。
(糸井 淳一)

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