横浜弁護士会新聞

2011年6月号  −3− 目次

常議員会のいま 常議員会に喝
会員 森 卓爾(33期)
 昨年度1年間常議員を務めた感想を二つ。
 毎回議題が多い中で、本来もっと活発に議論を重ねても良い事案でも、発言があまりなく議案が承認されていくように感じた。その例として、日弁連からの意見照会「裁判員法における守秘義務規定の改正に関する立法提言(案)」に対する当会の意見を提出する件についてあげる。
 立法提言案は、裁判員の守秘義務の対象外とする範囲を拡大する提案であり、会内にも賛否の意見が色々とあった。理事者はその意見を集約する形で当会の意見を取りまとめた。法改正の必要性についての根拠が明確ではないので、より明確かつ具体的に提示すべきとの意見となった。そのようなまとめ方で良いのか、常議員会での議論を期待したが、ほとんど意見は出なかった。
 本来、裁判員の守秘義務の範囲はどうあるべきか、と言う根本的な問題であり、各常議員には多様な意見があるはずである。それがでなかったのは残念であった。
 もう一つは、常議員の欠席が多いことである(平均出席率70%)。常議員会は、手数料を納付して立候補し、選挙によって選ばれる常議員によって構成される総会に次ぐ議決機関である。
 立候補するというのは、意欲が有ると言うことである。立候補して常議員になったからには、毎回出席して議論に参加することが期待されているにもかかわらず、欠席が多いのは残念である。もちろん、私は、今回も全回出席した。

新こちら記者クラブ 映像の力
 10年前の9月11日。ニューヨークを象徴するツインビルに大型旅客機が突き刺さった。そして爆発、炎上。ビルは数時間後、驚くべきスピードで地面に沈む。巻き上げられた土煙がマンハッタンの街並を覆い隠す。煙が晴れたとき、2棟のビルはもうそこにはない。
 この映像は、世界中のテレビに繰り返し映し出された。誰もが目を疑う、現実とは思えないような映像だった。しかし、それはカメラがとらえた現実で、何の説明もいらない、どんな言葉でも形容しきれない映像の力に圧倒された。
 ことし3月11日。東北地方を非常に強い揺れが襲った。数十分後、大きく盛り上がったような海水が沖から陸に押し寄せる。波はしぶきを上げて陸を突き進む。海が人びとの生活を飲み込む。
 このときカメラは、自然の猛威を記録していた。みるみるうちに水位が上がり、いとも簡単に家屋を押し流す。これもまた、現実とは思えない。そのときの衝撃は10年前の記憶と重なった。
 現実を時間とともに切り取ることのできる映像の力は、テレビにとって大きな武器である。私自身そこに魅力を感じて、この仕事を選んだ。しかし、その力は時に残酷だ。テロや津波の衝撃的すぎる映像は、視聴者にストレスを与えることもある。配慮が足らなければ、被災者や被害者を傷つけてしまうこともある。当事者にカメラを向けるとなれば、なおさらだ。
 常に映像の持つ力を味方につけた報道に徹したい。
(tvk/テレビ神奈川報道局報道部 横堀 拓也)

義援金報告 今後も積極的な活動を
 当会では東日本大震災被災者支援のための義援金を会員に募集したところ、5月16日時点で合計966万8653円が集まった。
 当会災害対策チームにおいて検討した結果、日本赤十字社に対し500万円を寄付、関東弁護士連合会の被災者支援義援金に100万円を寄付し、300万円を当会の被災者支援活動費用とすることになった。
 そして、5月19日に小島会長が神奈川新聞厚生事業団を訪問し、同事業団を通じ日本赤十字社に対し500万円の寄付を行った。
 当会は主にボランティア弁護士により県内避難所及び被災地での出張相談等の被災者支援活動を行っているが、今後、派遣回数、派遣人数を増やすなどして積極的な活動をして行く予定である。
(副会長 服部 政克)

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