横浜弁護士会新聞

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1999年4月号(3)

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論壇
 横浜弁護士会総合法律相談センター(相談センター)の七番目となる相談所が、二月一五日、海老名市商工会館内に開設された。
 相談センターの相談所は、これまでに本部(関内)、相模原、小田原、横須賀、川崎の五か所と、横浜東口(そごう内)にも開設されていたが、同所は地理的に本部の延長線に位置づけられ、事実上、六か所の相談所はほぼ裁判所所在地に対応していた。
 しかし、裁判所所在地は必ずしも交通の便がよいとは言えず、次の相談所の開設にあたっては、相談者本位の視点が考慮された結果、県央地区を候補地として場所の選定が進められていた。
 海老名相談所がある海老名市は、相鉄線、小田急線、相模線が乗り入れているため、相談者が各方面から来所しやすい交通至便の好立地にあり、相談センターでも「たくさんの相談申し込みがあるのでは」と予想している。
 これにともなって、二月一七日午後六時から「第一ホテル海老名」において、相談所開所式と懇親会が行なわれた。海老名市、厚木市をはじめとする関係自治体や各種団体からの出席者を前に、当会の井上会長は挨拶に立ち、開かれた司法と市民への法律サービスを提供する拠点として海老名相談所開設の持つ意義を強調するとともに、今後の協力を要請した。
 懇親会では、海老名相談所に配属される女性事務職員の紹介も行なわれ、まだ初々しい二人の挨拶に、会場はあたたかい笑いに包まれていた。 (記者 松井宏之会員)


常議員会レポート
委員会通則と公益活動に関する会規について議論
 第一一回常議員会は、前回に引き続き公益活動に関する会則改正、「会員の公益活動及び委員会活動に関する会規」と「横浜弁護士会委員会通則」について午後八時まで活発な議論が闘わされた。また「情報公開法の早期制定を求める決議」及び「裁判官増員を求める決議」の採択を神奈川県議会に請願する件も審議された。
 公益活動に関する会則・会規については、若干の質問があったが異論は少なかった。問題は委員会通則であった。そもそも、委員会通則制定の目的が第一条の「会員間の会務の公平な分担を図るとともに、委員会活動の公正かつ透明な運営を確保することにより」委員会活動の活性化を推進することにある。委員会活動の活性化を図ることには異論はない。その方法として、「 」内の方法をとって委員会の活性化を図るのか、従来通り委員の個人的なパワーを尊重するかの問題であったと思う。常議員会は、四つの修正動議が出されたが、執行部提案で可決された。しかし、後者の意見も強かったことも事実である。委員会活動は、個人のパワーも必要なことも確かであり、「 」内の手段との調整が必要であろう。執行部案も、運用による調整が可能であることを明示している。横浜弁護士会は、これら調整はスムーズであり、きっと新たなるパワーを導いてくれるものと期待する。
 また、委員会通則による新たな委員会活動は、従来の委員会活動とは考え方を変えねばならないことが多い。例えば、少人数による活動と委員の参加義務、会員の三を越える委員会の所属の制限などから考えれば、相当集中した委員会活動が求められる。また、委員会の運営についても、定足数、議事録作成、会員に対する報告など、従来の方法で済ませてはならないことも多い。広く会員の参加が期待されているので、これら会員との共通の理解を得る時間も必要となり、迅速さに欠ける点も出てくると思われる。これも、公正な意見の集約など横浜弁護士会のレベルアップのため必要なことであろう。これら新制度に早く慣れるために、会員の一層の努力が必要になってくると思う。
 「情報公開法」に関する請願は、請求者の住所地で裁判を起こせること、手数料を低廉にすることを内容とするものであった。情報公開法は、今国会で不十分ではあるが成立する見込みなので、今請願することの必要性は高い。また、「裁判官の増員」についても、弁護士ばかりでなく、裁判官の増員も必要であることがマスコミ等でようやく支持を得られてきたものであり、時宜に適ったものであった。
 今年もあと三月の二回の常議員会を残すだけとなったが、最後まで、大いに議論していただきたい。 (副議長 山本安志)

常議員からズバリひとこと
 常議員会に一年出席して思うのは「弁護士・弁護士会の存在意味」である。
 例えば、勾留中の被疑者の、実家の隣家に警察がことさらに電話をしたことについて、人権擁護委員会から警察に要望を出すか否かが議論されたことがあった。私の率直な感想は、確かにその被疑者は、取り調べる側にとっては「素直でない」「嫌な奴」だったんだろうと思う。嫌がらせをしたくなる気持ちは理解できなくもない。しかし、権力を持った警察が「腹立ち紛れ」の行為をしてはいけない。そしてそのようなときに、きちんと批判できるのは、やはり弁護士会なのだ。
 「こんな小さなことに弁護士会が口を出さなくとも」と気にする必要はない。深刻な人権侵害は、いつも、誰も見逃す「小さなこと」から始まったのだから。 (36期 小島 周一)

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