横浜弁護士会新聞

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1999年5月号(1)

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 岡本秀雄会長に、多彩な趣味から司法改革まで語っていただきました。
司法試験を目指されたのは?
 一橋大学経済学部の四年生のとき、会社勤めは自分の性分にあわないと思い、自由業に憧れたこととできたら直接人の役に立てる弁護士にでもなりたいと軽く考え、一年留年して法学部に学士入学しました。もっとも、学士入学した直後は、法解釈にまったくなじめず選択を誤ったのではないかと不安に思った記憶があります。
印象深い事件は?
 弁護士二年目に私が事務局長をつとめた横浜新貨物線をめぐる訴訟です。一〇年間位訴訟が係属し、利害が厳しく対立する等大変でしたが、随分勉強になりました。
会務を経験されての感想は?
 平成二年副会長になってはじめて弁護士会全体が見えてきた気がしました。日弁連、弁護士会で今何が問題となっているのかまた他の会員がどういうことをしているのかがわかり、最新の情報に触れることもでき本当に勉強になりました。
横浜法曹テニスクラブに所属されていますが、テニスをされるようになったきっかけは?
 テニスを始めたのは三五歳位のときです。その当時は仕事人間で、自分でもストレスが随分溜まっていることを感じていました。何か運動でもしたいと思っていたところに、たまたま近所にテニススクールがあって、そこに通い出したのがきっかけです。
主にどのようなところでテニスをされているのでしょうか?
 今お話したテニススクールには現在でも通っています。二〇年以上通っていることになります。それ以外にテニスクラブに所属しており、週末にはクラブのメンバーとテニスを楽しみます。また、横浜法曹テニスクラブと東京法曹テニスクラブにも所属しておりますので、それらが主催する内部の対抗戦、対外試合等に参加しています。
個人レッスンを受けているのですか?
 各クラブが主催する試合も多く、横浜法曹テニスクラブ関係では、他の弁護士会、税理士会、裁判所等との対抗戦、東京法曹テニスクラブでも、名古屋、大阪、岡山、広島等に遠征しての全国法曹テニス大会等があります。年をとってからもテニスが楽しめるように、また、テニスがもっと上手くなりたい、試合にも勝ちたいという思いから個人レッスンを受けるようになりました。
負けず嫌いの性格ですか?
 自分ではよくわかりません。ただテニスに関しては、楽しんでやっているつもりですが、人からは「随分怖い顔をしてプレイしている。」と言われます。
テニスを二〇年以上続けられている理由は?
 汗を流した後の爽快感、ストレス解消、テニスを通じて人間関係が広がること、そしてテニスの奥の深さ等が理由です。
写真も趣味と聞いていますが…?
 子供が生まれて子供の写真を撮ろうと思ったのがカメラを始めたきっかけです。山や花の写真を撮っているうちにカメラがたくさん集まってしまいました。今、気に入っているのはハッセルです。最近は忙しくてなかなか写真が撮れないせいか、「写真じゃなくてカメラを集めることが趣味でしょう。」と言われるようになりました。
他にも趣味はありますか?
 山にゆっくり登ったり、クラシック音楽を聴くのが好きです。ベートーベンは力を与えてくれ、バッハは心を落ち着かせてくれる気がしますので、好んで聞いています。演奏家ではピアニストのギレリスやグルダそれにジュリアード弦楽四重奏団などを良く聴きます。クラシックのレコードを聴くために、マランツの真空管アンプにタンノイのスピーカー、オルトフォンのカートリッジと段々オーディオにも凝るようになりました。
 友人のピアニストから「バッハのインベンションを弾けるように」と勧められ、何年かピアノを習っていたこともあります。今も事務所にはクラビノーヴァが置いてありますが、練習時間が取れないのが現状です。
最近車の免許を取得されたとのことですが?
 平成六年、五二歳のときに取得しました。
 テニス合宿、旅行等の際、テニス道具、カメラ等の荷物が多くて大変なので、前々から免許を取得したいと考えていました。五〇歳を超えて、免許を取得するのならそろそろラストチャンスと思い、一念発起して取得しました。
取得されての感想は?
 活動範囲が広がり、本当に良かったと思います。ただ現在は車で通勤する等、車に頼りきった生活になってしまっており、酒量が減ったのはよいことですが、以前より歩くことが少なくなったのが気がかりです。

市民に積極的にアピール
司法改革についてどうお考えですか?
 司法制度について抜本的改革があるでしょう。法曹人口問題、法曹一元制、陪・参審制など本当に大きな問題が検討されていくことになるでしょう。改革の動きも急ピッチです。その動きに弁護士会がどう対応していくのか、弁護士会としても真剣に考えないとずるずると流されてしまう危険があると思います。弁護士自治も問題になるかもしれません。そういう端緒の年に会長になりました。
 日弁連は昨年「司法改革ビジョン」を発表しましたが、当会もただ受け身ではなく、積極的に市民や世論に司法改革ビジョンの内容をわかりやすく訴え、理解してもらうように努力していく必要があると考えています。
 政府は「司法制度改革審議会」を設け、二週間に一度、場合によっては毎週、審議会を開き、二年以内に答申を出させることにしていると言われています。
 会員の皆様の御協力をお願いする次第です。
最後に、若手弁護士にアドバイスを。
 弁護士業は思ったよりきつい仕事です。とりわけ司法、弁護士をとりまく環境には厳しいものがあり、大変とは思いますが焦らずに着実に仕事をし、市民の信頼を得るような弁護士になってもらいたいと思います。そのためにも、趣味を持つこと、特にスポーツの趣味を持つことをすすめます。いい仕事を続けていくためには身体を健康にし、精神をリフレッシュする必要があると思います。

 平成一一年四月一日午後五時三〇分より、ホテル・ニューグランドにおいて、当会の新理事者就任披露懇親会が催された。出席者は会員一四八名、来賓一九団体一八名の合計一六六名であった。
 当日は、来賓の紹介に続き、平成一〇年度理事者を代表して井上嘉久前会長、平成一一年度新理事者を代表して岡本秀雄会長の各挨拶が行われ、その後来賓である加藤和夫横浜地方裁判所所長、岡崎洋神奈川県知事代理の山下長兵衛副知事から祝辞が述べられ、さらに高秀秀信横浜市長の祝辞が代理出席した岡本坦助役から述べられた。
 なお、他の来賓出席者は以下のとおり。
尾方滋 横浜家庭裁判所所長
五十嵐紀男 横浜地方検察庁検事正
渡辺徳平 横浜民事調停協会連合会会長
米田光子 横浜家事調停協会連合会会長
竹口秀夫 神奈川県県民部部長
村山瑛子 神奈川県県民部県民課長
佐藤雅亮 横浜市市民局市民局長
十河辰紀 横浜市市民局広報相談部長
金子勝 横浜商工会議所中小企業相談部長
佐藤純通 神奈川県司法書士会会長
水越昭平 東京地方税理士会副会長兼東京地方税理士会神奈川県会会長
椎橋浩 神奈川県土地家屋調査士会会長
辻不二男 神奈川県社会保険労務士会専務理事
飯田行雄 社団法人神奈川県不動産鑑定士会会長理事
松下道吉 株式会社テレビ神奈川取締役報道制作局長

山ゆり
 二月一九、二〇日の両日、東京で不正競争防止法の実務という講座に参加した。これは(財)日弁連法務研究財団の主宰する「専門家養成研修」の第一弾である
 両日とも朝一〇時から始まり、昼食休憩時間を除き夕方五時まで続く本格的な研修であり、午前一コマ、午後二コマ、合計六コマの講義に参加することになる。しかも、二日目の午後二コマは少人数(三〇人)討論方式による事例研究であり、事前にA判三百数十ページに及ぶ資料が送付され、研究・発表テーマを割り当てられるという過酷なシステムである
 こんなに長時間の学習は二〇何年振りかのことであるが、厳しくも合理的な時間割と充実した講義、そして三万円の受講料のおかげで居眠りすることもなく(本当です!)延一〇時間の研修を終えた。でも、不正競争防止法のプロというにはまだまだ…。今後の研鑽あるのみ、でしょうか
 それにしても収穫は多かった。ほとんど手がけたことのない専門分野に触れることができたというのが一つ。一部では既に着々と専門化が進んでいる東京の底力をかいま見たというのが一つ(講師の半分は私より期も年齢も若かった)。他の受講者達の熱意を感じ、あらためて私もさらに勉強を続けなければいけないと思ったことなど
 ところで、この四月から庄司前委員長の後を承けて広報委員長になった。この新聞の編集長を兼ねることになる。法律家集団にふさわしい紙面作りとは、などとあまり深刻に考えると眠れなくなりそうなので、気軽に楽しくやりたいと思う。ご意見、ご叱声をお寄せ下さい。(木村 良二)

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