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いい期日(e期日)とは

2016年05月20日三浦 靖彦弁護士

「裁判」のイメージはどのようなものだろうか?

法律の勉強を始めるまで、私が見聞きしていたのは、テレビドラマや法廷ミステリーでの刑事裁判であった。現在、弁護士会や裁判所主催でなされている裁判傍聴会でも、傍聴するのは刑事裁判である。

しかし、裁判所で行われている裁判で、刑事裁判以上に件数が多いのが民事事件である。にもかかわらず、民事事件の傍聴会というのは聞いたことがないし、傍聴席にいるのは、通常、訴訟関係者である。(例外的に、世間の耳目を集める訴訟では、傍聴人で埋まることもあるが・・。)

民事訴訟の法廷で行われている、ある日の一場面は次のようなものだ。

裁判官 「原告は、準備書面2を陳述しますね。」
原告代理人   「はい。」
裁判官 「被告はどうされますか。」
被告代理人   「次回までに、反論の準備書面と本人の陳述書を提出します。」
裁判官 「分かりました。では、次回期日を決めます。○月○日の午後1時30分、いかがですか。」
双方代理人   「結構です。」
裁判官 「では、終わります。被告は、期日の一週間前までに書面を出して下さい。」

時間にして3分間。ただ、この3分のために、代理人弁護士が東京から横浜の裁判所まで往復2時間もかけて来ていることがある。 もしこれが会社だったら、3分の会議のために、わざわざ往復2時間かけてまで、行ってこいとはならないだろう。

そこで考えつくのが、「電話でいいんじゃないか。テレビ会議というのもあるし。」ということだ。

実際、民事訴訟法や民事訴訟規則には、一定の条件の下、電話会議システムやテレビ会議システムを利用して手続を行うことができる条項があり、当事者や証人が遠隔地に居住しているような場合に利用されている(e期日と呼ばれている)。

ただ、片道1時間程度では、これらの利用は認められにくい。

望むらくは、上で挙げたような裁判期日の場合には、双方代理人とも出席せずに、電話会議やテレビ会議による裁判が可能となれば、代理人にとったら「いい期日」だと思う。

さて、ここで終わったら、単なる弁護士のぼやきである。そこで、最後に問題を出して終ろう。

双方代理人とも出席せずに電話会議やテレビ会議での裁判がすぐに実現しないのはなぜなのだろう。もちろん、機器の用意というハードの問題もあるが、民事訴訟法のある基本原則とも、密接に関係しているのだが、それは何か?

そして、家事事件では、双方が対席していなくてもテレビ会議により手続を進めることができるようになったが、家事事件ではなぜ先に実現したのか。

民事通常事件と家事事件とは何が違うのだろう。

 

執筆者情報

弁護士名 三浦 靖彦

 

 
 
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