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デジタルとアナログ

2019年02月15日粟津 大慧弁護士

 私は僧侶である。
 周りからは、「見えない」と言われる。名前を言ってようやく、「そういえば、お坊さんっぽい名前だね」と言われる。
 私は浄土真宗本願寺派の広島の山の中の寺で生まれ育った。色んな縁で今は神奈川県弁護士会に所属している。
 そんな私の趣味は麻雀であり、麻雀にはそこそこ自信をもっている。
 ある時、ある先生から「毎回毎回、何でそんな手が入ってるんだ。」と言われたことがある。

 私は答える。
 「徳ですね。」
 さっきも言ったが、私は僧侶である。そのため徳も高い。
 ここでの徳が高いとは、善行を積んでいるというくらいの意味であると受け取って頂きたい。なぜ私の徳が高いか。
 私は毎年末、実家の寺に帰る。少子高齢化の波は、私の地元にもとっくに押し寄せており、私は雪の降る大晦日の夜、滅多に来ない参拝客を待ちながら、一人で除夜の鐘をつく。108回。それは、私の煩悩の数であると同時に、私のノルマでもある。
 滅多に来ない参拝客を待ちながら、私は心を込めてノルマを消化していく。

写真1

昨年末の実家の鐘撞堂です

 神奈川県弁護士会広しといえども、雪の中、一人でストイックに除夜の鐘をつく弁護士は私を置いていないであろう。
 私は小学生の頃から、年末をそのようにして過ごしてきた。
 一回つくごとに、心が洗われていく。徳も高まるというものである。そして積み上げた私の徳が、麻雀で発揮されるのだ。

 与太話はさておき、麻雀ではデジタルとアナログという考え方がある。
 デジタルとは、確率を計算して判断し、直感や経験則によっては判断しない立場である。これに対してアナログとは、「ツキ」や「勝負の流れ」という抽象的な要素を判断に取り入れる立場である。
 私は麻雀において、確率や期待値の計算が基本であると思いつつも、ツキなども麻雀の要素だと思っており、デジタルとアナログのバランスが大事だと思っている。

 これは弁護士業にも通ずるところがあると思う。
 デジタルとは、弁護士の業務に落としこめば、依頼者の経済的利益を追及することだろうか。これに対して、経済的合理性を離れた、あるいは定量化できない当事者の気持ちの問題、これが弁護士業におけるアナログな部分であろう。そのバランスをとることが紛争解決において重要である場合が多くあるように思われる。
 私は、このデジタルな部分とアナログな部分のバランスのとれた解決を導く弁護士となれるよう、暇さえあれば麻雀をしてそのバランス感覚を鍛えようとしている。

 

執筆者情報

弁護士名 粟津 大慧
事務所名 須藤法律事務所
事務所住所 横浜市中区南仲通4-39-2箕田関内ビル6階
TEL 045-201-2232
FAX 045-201-2258

 

 
 
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