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貸したお金を返してくれません。

2022年01月05日更新債権回収

友人にお金を貸してほしいと頼まれたので,借用書を作ってもらった上で,200万円を貸しました。しかし,借用書記載の返済期限が過ぎても,「今はお金がなくて返せない。必ず返すから待って欲しい」と言って返済してくれませんでした。その後も全く返済してくれないので,何度も支払を催促しましたが,支払ってくれる様子はなく,そのうち連絡も取れなくなってしまいました。裁判所に訴訟を提起し,友人が最初の期日に欠席したため,友人に対する請求を認める内容の判決をもらいましたが,友人とは連絡が取れないままで,返済をしてもらえる気配はありません。このまま泣き寝入りするしかないのでしょうか。

まず,訴訟で判決をもらっても,相手方が任意に支払をしない限り,自動的に債権を回収することはできません。相手方からの任意の支払がなければ,強制執行手続を取ることを検討する必要があります。

強制執行は,対象となる財産によって取るべき手続が異なりますが,大まかな種類としては,①相手方の土地,建物を差し押さえて売却し,その代金を債権回収に充てる不動産執行,②相手方の自動車(軽自動車を除きます。)を差し押さえて売却し,その代金を債権回収に充てる自動車執行,③相手方の給与や預貯金等の債権を差し押さえて,雇用主や銀行等から取り立てて債権回収に充てる債権執行,④相手方の家財道具,貴金属等の動産を差し押さえて売却し,その代金を債権回収に充てる動産執行が挙げられます。

強制執行の対象となる相手方の財産は,自分で探す必要があります。相手方に金銭を貸す前に,勤務先などの情報を得ておくのが望ましいですが,相手方の財産に関する情報がなければ,専門家の力を借りるなどして財産調査を行うことを検討する必要があります。

調査をした結果,債権回収に足りる相手方の財産を見つけることができなかった場合,債権者が債務者の財産に関する情報を取得するための財産開示手続を取ることも視野に入れるべきでしょう。財産開示手続は,債務者が財産開示期日に裁判所に出頭し,債務者の財産状況を陳述する手続です。近年,民事執行法が改正され,債務者が財産開示期日に出頭しなかった場合などには,債務者に刑事罰が科されるようになったため,債権回収の実効性が高まるものと期待されています。

ただし,相手方が何らの財産も有していなければ,以上の手続を取ったとしても,債権を回収することができないおそれもあります。費用倒れとなる可能性がないかどうかも含めて弁護士に相談されることをお勧めいたします。

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回答者情報

弁護士名 谷 樹人
事務所名 法律事務所S
事務所住所 神奈川県相模原市中央区相模原2-1-5サトウビル5階

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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