いわゆるロマンス詐欺について

ここ数年、いわゆるロマンス詐欺といわれる手口がはやっています。

具体的には、外国人と名乗る人が、ＳＮＳ上で恋愛感情がある、金銭贈与するといって関心をもたせ、高額のお金をあなたに預けるために必要だからいったん一部を送金してほしい、あとで返すといって、送金させる手口です。すぐに騙されたことには気が付かず、数度にわたって送金し、被害額も数百万円から数千万円になることもあります。送金方法も、現金振り込み、仮想通貨の送金、ＰＯＳＡカードによる送金等多岐にわたっています。

ＳＮＳ上でのやりとりであるため、そもそも加害者の名前や住所が不明である（性別すら偽っているケースもあると思われます。口座についても送信者名義ではないことも多いです）ことがほとんどです。そのため、まずは加害者の特定が不可欠であり、口座名義人、ＳＮＳの発信者の情報、仮想通貨の送付先を調査したうえで、交渉や裁判をすることになります。なお、これらの調査は弁護士会照会をつかうことが多く、その調査の性質上弁護士が行うことになります。

もっとも、上記各手続の結果加害者が判明したとしても、実際に回収できるか否かについては、加害者が国内にいるか否か、仮に裁判に勝訴したとしても加害者にそもそも資力がない等、様々なケースがあり、結果的には回収できないケースも多いように思われます。

さらに、後日、ロマンス詐欺で被害にあった分を回収してあげるといったＳＮＳが届き、それを信じてさらに支払うといった被害もあり得ます（いわゆる二次被害です）。被害にあった人の名簿は加害者間で出回ることもあり、被害にあってから数年後とかに連絡がくることもあるので、ＳＮＳのアドレスを変更することも必要です。

詳細については弁護士と面談相談の上、見通しなどを確認していただくようお願いします。