横浜弁護士会新聞

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2003年10月号(2)

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元気印のひと 神奈川県監査委員 行政の無駄づかいをチェックする
 当会では、会内はもとより対外的にさまざまな分野で活躍されている多くの会員がいます。
 今回は、本年三月まで神奈川県の監査委員を務められた寺嶋由子会員と、後任として四月から新しく監査委員に就任された委員にそのお仕事ぶりなどうかがいました。
−神奈川県の監査委員とは、どういうものなのですか
寺嶋
知事と並ぶ執行機関のひとつで、各委員が権限を行使する独任制の機関です。ただし、地方自治法では一定の合議事項が定められています。
−委員は、何名いるのですか

四名で、現在、そのうち県会議員が二名、県のOBが一名、弁護士一名という構成です。任期は、原則として四年です。
−当会では、今までどのような方が就任されましたか
寺嶋
平成八年から平成一二年まで石川惠美子会員が務められ、その後私という順番でした。
−主にどのようなお仕事をされるのですか
寺嶋
財務監査と行政監査です。要するに、必要な事業なのか、人員の配置や費用が適正なのかなど、行政の無駄づかいをチェックする仕事といえばわかりやすいと思います。例えば、橋は造ったがそれに通じる道がないなど無駄なことがあるんですよね。また、住民監査請求に対応したりします。
会員は、就任後五か月近くなりますが、いかがでしょうか

就任直後は、連日、資料を提供されていて、担当職員の一般的なレクチャーがありました。直接出向く監査は本庁の他に全県下の出先機関、第三セクターなど、年に一〇〇か所くらい対象となり、その都度資料を検討、精査し、質疑応答し、必要があれば問題点を指摘して指導するといったことをします。今までに浄水場、下水処理場、水力発電所等赴き、社会科見学を思い出しました。
寺嶋
あと警察署、社会福祉施設、県立高校、病院、行政センターの各出先機関、漁港事務所などが対象となるんですよ。
−県立高校の校長室に監査委員の名前が掲げてあるというのは本当ですか
・寺嶋
それは、本当です。
−責任重大ですねぇ、時間的にも大変だと思うのですが

年間一〇〇日位とられるので平均すれば、ひと月に丸八日ぐらい拘束されるという感じです。議会の関係で、監査が入らない月もありますから週三〜四日丸々取られる時期もあります。本庁の監査が八月で、七月に各部署からの報告書が作成され、八月が一番忙しい時期だと思います。一一月には、本庁の決算報告があります。会員の先生にも住民監査請求を利用されて、行政のチェックをしていただきたいと思いますが、できればこの繁忙期を避けていただければ大変有り難いのですが。
−守秘義務があるので、核心部分はお話しにくいと思いますが、こぼれ話みたいなものはございますか
寺嶋
昼食が、一食千円で自腹です。

出先機関へ行くときには、毎朝公用車が迎えに来てくれます。あと冷暖房設備が今ひとつで、四月に就任したとき底冷えがして、足元に電熱器を用意してもらったくらいです。この冬が乗り切れるか心配です。
寺嶋・篠崎
多分心配ないと思います。
−出張が多かったり、暑さ寒さに耐えたりと、体力も必要なんですね。責任は重いけれど、弁護士業務だけでは味わえない貴重な体験をされていることがわかりました。月並みですが、両会員には、ますますのご活躍を期待しております。
(インタビュアー篠崎百合子)

あっせん・仲裁センター 和解に執行力
弁護士会を紛争解決の中核とするために
 七月一日、横浜簡易裁判所の岩田和壽裁判官を迎えて、あっせん・仲裁センター(以下「あ・仲」という)主宰の研修会が開催された。
 本年四月から、あ・仲と横浜簡裁の訴え提起前の和解に関する連携の手続ルートが設けられたことを受けての研修が主な内容となった。
 同手続ルートの概要は次のとおりである。あ・仲で、和解成立の見込みがたった段階で、仲裁人から横浜簡裁に電話をして、三週間程度の後に和解期日の予約を入れてもらい、その後起訴前和解を経ることで債務名義を取得できることになる。
 横浜簡裁に期日の予約をとってもらったら遅くとも二〜三日後には和解申立書等を裁判所に提出することになる。
 研修会の当日は、岩田裁判官より、訴え提起前の和解につき具体例も交え、また現実の運用上の問題や代理人の留意点も含めた詳細な解説があった。その後、井上嘉久・小島衛両会員からあ・仲で和解成立に至った実例報告がなされた。
 当日は、仲裁人を中心に六七名が参加し活気を帯びた研修会となった。
 ところで、二割司法といわれた従来の司法機能を補完するため、裁判外紛争解決機関の設置が急速に進められている(ADR法の制定等)。仮に、多くのADRの解決案等に執行力や時効中断効が与えられることになると、裁判所や弁護士会が関わった適正な民事紛争の解決がどれだけできるのか疑問もある。適法な手続の名の下に市民の権利や利益が侵害されていく虞れは無いだろうか。
 こんな問題意識もあり、また、大阪弁護士会で弁護士が民事紛争処理センター(当会のあ・仲に近い存在)の受付をして弁護士が申立書を作成する制度を発足させたということを聞いて、八月二九日にあ・仲の正・副委員長四名で、大阪弁護士会を訪ねた。大阪では平成一八年度に一七階建の会館を建設し、その一階を全て市民センターとして、法律相談の受付と民事紛争処理の申立受付を、公平性の確保に留意しつつ大量に受理していく構想をたてていた。我々四名は、大阪の熱意と、弁護士会が自ら積極的に紛争解決の主役になっていこうとする姿勢に圧倒されつつ、当会の今後の方向に一つのヒントを与えていただいたという思いを持ち帰路についた。
 当会の会員の皆さんには、是非、これからは弁護士会が主体となって紛争を解決していくという気持ちになっていただき、あ・仲に積極的に代理人として仲裁の申立をして下さるようお願いしたい。
(あっせん・仲裁センター 副委員長 田中隆三)

メルマガ送信始まる 将来は会員へのファックスと代替
 会員へのメルマガ送信が七月二四日に始まった。
 念のために当会のメルマガを説明すると、メールを利用して、会からあらかじめメールアドレスを登録した会員に常議員会議事内容、各種委員会情報、裁判所や理事会からの通知等及び会内スポーツ事情や囲碁・将棋等の結果などの情報提供をしていく。
 現在のところ、第二と第四木曜日に配信をしており、メールアドレスを登録した会員は約四〇〇名になる。
 そもそも、迅速な情報提供の問題は、一昨年の広報委員会の合宿で、現在の弁護士会新聞が月刊紙という制約もあって速報性に欠けるものではないかという議論がされたことに端を発している。弁護士会新聞は、編集、取材、紙面構成、校正及び印刷等の課程を経るため、例えば半月前の情報を掲載することは無理ではないものの非常に困難になる。
 そして、昨年の広報委員会の合宿で、速報性に重点をおいたメルマガの導入が決定された。
 その後、他会の広報事情等を検討し徐々にメルマガ発行体制が具体化し、冒頭に述べたように七月二四日からの配信開始に至った。
 ところで、現在は速報性を要する情報は主に会員への同時一斉ファックスという手段によって伝達している。
 皆さんもご承知のように膨大な量のファックスが事務所等に届いているのが実情である。また、このファックス料金も年々多額になってきている。
 当面は、会員への情報提供はメルマガとファックスを併用していくが、近い将来メルマガによってのみ会員への情報提供をしていく予定である。メルマガを見れば、そのときの会の内外の状況が人目で分かるというようにしていきたい。
 ただ、横浜弁護士会新聞は従来どおり発行していく。
 最後に、是非、会員の皆さんに、メールアドレスの登録を徹底していただくことと、委員会活動矢各種スポーツ記事等の情報をこまめにメルマガに掲載していただくよう御協力をお願いしたい。
 メールマガジン登録やメルマガへの情報掲載方法は小森担当職員(〇四五−二一一−七七〇七)まで問い合わせされたい。

横浜刑務所との意見交換会
 一九九九年一一月に横浜刑務所が改築され、かねてより当会としても刑務所内見学の要望はあった。そのような中、特に今回は刑務所側から、その実情を知ってもらいたいとの申し出があり、本年七月三一日、横浜刑務所と当会の意見交換会が開催された。当会の参加者は会員一六名であった。
 まず横浜刑務所長から、弁護士会の声を今後の施設運営に生かしていきたいとの冒頭挨拶の後、横浜刑務所の沿革と現状が語られた。特に現在の問題は過剰収容で、もともとの定員一二〇〇名のところ、全国的な収容者増の傾向を受けて教室を舎房に変えて定員一二三九名とし、さらに同日現在の収容人数は一四七五名(定員比一一九%)となっている。そのため定員六名の雑居房に八名収容して対応するなどせざるを得ず、職員にも、本来四週八休のところを四週六休にしてもらうなど、大きな負担となっている、とのことであった。
 その後、刑務所内の見学が行われた。工場、厨房、講堂、独居房、面会室等を見学したほか、雑居房や保護房は中に入ることもできた。新しいためキレイな印象を受けたが、中での受刑者の行動規律は相変わらず厳しいものを感じた。
 会議室に戻ってからの意見交換会ではまず、当会人権擁護委員会が刑務所に対して人権侵害として勧告をした事案について、それが刑務所側にどのように受け止められたかを尋ねた。刑務所側では、勧告は真摯に受け止め、受け入れられない部分もあったが、改善すべきことには耳を傾けているつもりであるとし、実際に勧告に沿うように改善を加えたという例が報告された。その他懲罰の手続と内容(革手錠は最近使用していないとのことである)、医療体制、面会の方法などについて質疑が行われた。
 最後に、今後もこのような意見交換会を開催したいという刑務所長の発言があり、終了となった。当会としても、このような意見交換会を継続し、単なる対立関係ではなく、刑務所内の人権保障に資するよう努力していきたい。
(人権擁護委員会副委員長 佐藤昌樹)

弁護士フェスタ 2003 in KANAGAWA
大規模無料法律相談会
模擬裁判
 あなたも裁判員です
 「ストーカーサンタ殺人事件」
日時/11月29日(土)午前11時〜午後6時
場所/横浜市開港記念会館(中区本町1−8)
   横浜弁護士会館(中区日本大通9)
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