横浜弁護士会新聞

2006年4月号  −3− 目次

こちら記者クラブ 【初心忘れるべからず】
 私がtvkに入社し、司法担当の記者となってようやく1年が経った。法学部の出身でもなく、裁判の傍聴もしたことがなかった学生あがりの私。そんな私が初めて関わった裁判は大きな話題を呼んだ川崎協同病院の元医師による筋弛緩剤事件だった。
 ざいじょうにんぴ…?ろんこくきゅうけい…?
 裁判の専門用語のオンパレードにただでさえ難しい医療裁判。新人の私が理解できるはずはなく、徹夜で全ての会社の過去の新聞を読みあさった記憶がある。
 あれから数々の裁判を取材し、今となっては耳慣れてきた裁判用語。しかし、まもなく開始が目前にせまってきた「裁判員制度」では1年前の自分のような裁判用語になじみがない一般市民が人を裁くことになる。
 入社当時の私は、今考えると本当に恥ずかしいくらいな無知な人間だった。しかしその当時の自分が、今の自分にとって計り知れないほどの大きな財産となっている。裁判を記事にする際、求刑や判決の重さも重要だが、どのように記事を書いたら分かりやすく、普通の一般市民にどう影響があるのか。裁判を身近に感じてもらおうと、日々原稿と対峙している。視聴者のモデルは1年前の自分だ。視聴者の多くが去年の私と同じ位の目線でテレビを見ているはずだからだ。
 まだまだ半人前にも満たない自分だが、ずっとこの気持ちを大切にしたい。
 このコラムを読んでいる30年後の私、入社当時の無知な自分は、まだ心に生き続けていますか?
(テレビ神奈川 報道部 竹野洋介)

法教育センター 開設
 4月の法教育センター開設に先立ち、出前授業等に関する研修会が3月10日に開催され、50名を超える会員が出席した。講師はいずれも出前授業等の第一線で活躍する50期代の若手会員が担当し、出前授業、模擬裁判指導及び裁判傍聴会における学生・生徒の反応や指導内容、指導のポイント等について、経験談を交えながら、実際の授業の様子を具体的にイメージできるような解説を行った。途中退出者もほとんど出ず、研修会終盤には途中参加者が座席を探すのが困難なほどの盛況であった。
 法教育センターは、弁護士が積極的に現場(学校等)に出向き、法や司法に関する教育を普及させることで司法の国民的基盤を強化し、司法制度改革を実効的なものとするという目的の下に設立されるものである。しかし、これを継続的、安定的に運営していくためには、出前授業の講師や、裁判傍聴会の解説等を行う担当者の確保が不可欠である。
 当センターとしては,今後とも,研修会・経験交流会を通じて,出前授業等の活動から得られる充実感やその魅力を会員に向けて発信し,また各担当者の負担をさらに軽減できるようなセンターの態勢を整えることによって,担当者名簿のさらなる充実を図っていく予定である。
(司法教育委員会委員 関本和臣)

常議員会レポート第13回(平成18年3月9日)
 今回は、緊急議案を含め17議案が上程されたが、主なものは次のとおりである。
 3名の当会入会申込者があり、入会を承認した。1名は東京弁護士会、他の2名は第1東京弁護士会からの登録換えである。
 横浜弁護士会会計規則の制定につき、承認した。会計処理については、これまで先例や慣行などに従って運用されてきたが、これを明文化すべく上程されたものである。また、これに関し付帯決議をした。規則案8条には、「相当額の予備費」を計上することができること、会長が予備費を支出したときは、会長が常議員会に報告する旨の規定があるが、これに関連し、委員から付帯決議の提案があり、付帯決議として、従前の会計慣行を尊重しつつ、予備費等につき常議員会等の決議を経る等、適正な会内合意の形成に努める旨の案を承認した。
 記録等管理保存規則一部改正の件につき、継続案件となった。同改正は、記録の一部について、保管期間の短縮を図るものであるが、期間短縮予定の弁護士会照会関係書類の保存範囲が明確でないため、継続案件となったものである。
 日弁連からの「地域包括支援センター運営協議会に関する都道府県・市区町村への要請について(依頼)」に対する対応につき、当会会員が同センター運営協議会の委員に就任するよう神奈川県及び県内の各市に要請することを承認した。本件は、本年4月施行の改正介護保険法により同センターが設置される予定であるところ、その運営につき協議、評価する場として、市区町村単位に運営協議会が置かれることになるが、高齢者の権利擁護業務についての評価や助言・支援、また、法的対応について、弁護士が委員に就任することが重要であるとの観点から県及び市に要請するものである。
 日弁連からの「日本司法支援センターにおける民事法律扶助事業の業務方法書について(照会)」に対する当会回答の件につき、法律扶助協会事務局が作成した業務方法書に対し、当会は、犯罪被害者支援委員会委員長・大河内秀明会員、日本司法支援センター対策特別委員会副委員長・佐藤昌樹会員作成の意見書を当会の意見として回答することを承認した。
 日弁連副会長に就任した会員に対し、活動費を支給すること及びその額につき承認した。
〈報告事項〉
 理事者から、以下の報告があった。
 関弁連、理事等7件の人事推薦をしたこと。
 綱紀・懲戒事務滞留問題に関する臨時総会の決議につき、日弁連総会に報告したこと。
 関東十県会正副会長会議・理事会が3月4・5日に開かれたこと。同月5日、日弁連平成18年度会長・事務総長懇談会が開かれたこと。
 3月2日、国会議員会館において、16名の国会議員あてにゲートキーパー立法及び、共謀罪の制定に反対の立場から要請行動をしたこと。
 横浜弁護士会ホームページ改良の進捗状況について。主な改正点は、会員向けページと市民向けページを明確に区分けし、それぞれの目的に添った情報を掲載する等の7点である。
 司法支援センターの準備状況について。当会職員から7名移行する予定であること等の説明があった。
 「悪質商法を助長するクレジット〜あるべきクレジット社会の実現に向けて〜」と題するシンポジウムを4月15日に日弁連と共催すること。
 横浜市から「震災時産業ワンストップセンター」の開設・運営協力依頼があったこと。

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