横浜弁護士会新聞

2009年6月号  −4− 目次

中小企業との連携を引き続き検討 中小企業再建のためのシンポジウム、無料相談会開催
 3月19日、「経営難を乗り切るためのポイント〜中小企業再建のための法務・税務対策〜」と題して、シンポジウムと中小企業を対象とする無料法律相談会が開催された。これは、昨年に引き続き、中小企業への支援を強化するといった目的で、日弁連と歩調を合わせ開催したものである。
 シンポジウムは、横浜メディアビジネスセンターで行われ、基調講演とパネルディスカッションの2部構成となった。
 基調講演では、当会の仁平信哉会員が、会社を再建するために考えるべき重要ポイントや事業再生ADR等任意整理をするための複数の手続についてのメリット・デメリットなどを法的側面から講義した。税理士の方からは、融資なども含めた再建策を考えるにあたって、税務の面から見た考慮すべきポイントを講義してもらった。
 基調講演に続くパネルディスカッションでは、横浜市の融資担当者にも加わってもらい、具体的な問題を指摘しつつ、融資制度を効果的に使った再建策など議論がされた。中小企業の経営に携わる方にはもちろんのこと、弁護士にとっても、具体的な話が多く、非常に参考になった。
 弁護士会館で行われた無料法律相談会では、一般相談に加え、多重債務で苦しむ事業者のための相談会も企画された。一般相談では、債権回収や事業再生、企業統治等に関する相談が寄せられ、事業者の業務も製造業・運送業・アパート経営・コンサルタント・工事業など多岐に渡った。30分という相談時間であったが、相談者は概ね満足したようだった。
 アンケートの回答に「内容が具体的で役に立ったのに、来場者が少なくもったいない」とあったように、来場者は40数名と、多くはなかった。年度末の決算期にあたり、多忙であったことの影響もあるが、まだまだ中小企業にとって弁護士が身近とは言えない状況であることを示すものである。
 中小企業との連携について、業務改革委員会で引き続き検討したい。
(会員 畔柳 秀勝)

全国制覇への厳しい道のり 野球部・三港対抗戦
会員 関本 和臣
 4月18日、神戸市内みのたにグリーンスポーツホテル野球場において、三港対抗が開催された。横浜・名古屋・神戸による三港対抗は今年で9回目。春先恒例の巴戦であり、今季初の対外試合である。
 初戦の神戸戦の先発マウンドは三本柱の一角を担う堀口。2回裏神戸の強打者佐々木の本塁打や守備の乱れにより2点を先制されたが、その後持ち前の制球力で後続を断った。マリナーズで久し振りのマウンドに立ったベテラン西村が5回からリリーフし、球威ある直球、キレのある変化球で強力神戸打線を零封。堀口・西村と繋いだ投手陣は2回裏の2失点に押さえた。一方打線は投手陣の奮闘に答えられずに沈黙し、神戸の筧、茂木立両投手に完封リレーを許した。
 黒星スタートとなったマリナーズは、エース畑中で、いざ名古屋戦へ。1点を先制されたマリナーズは、3回表に新人永田の2点タイムリーで逆転に成功したが、直後に同点とされると、池本→新人高宮と繋いだリリーフ陣も名古屋打線に捕まり毎回の4失点。結局6対2で全国大会常連の名古屋に敗れた。
 横浜マリナーズは、3年前の日弁連野球北九州決勝大会で強豪大阪を破って3位に入り、昨年の同横浜決勝大会では準優勝したボルケーノ熊本と1回戦で接戦を繰り広げるなど成長を続けている。今季も、池田、桐野、高宮、永田、西村(千葉県弁護士会所属)といった有望な新人に加え、東京から移籍組である長谷山、石井晋一といった新戦力が加入した。
 三港対抗では、ベストメンバーを揃えられずに2連敗を喫したが、確実な戦力はアップしている。チーム内では激しいポジション争いが繰り広げられており、三浦監督もうれしい悲鳴を上げている。戦力も整った今年は全国制覇も夢ではない。三浦監督就任3年目、悲願の全国大会優勝を!

積極的な発表・発言が相次ぐ スプリングスクール2009
 昨年8月に開催されたサマースクールが大変好評であったため、県下の中高生を対象とする新しい体験企画を開催することとなり、スプリングスクールが、4月2日開催され、23名の生徒が参加した。
 生徒達は、入学式に続き、刑事手続に関する事前講義を受けた後、当会会員の法律事務所を訪問した。法律事務所訪問では、弁護士の仕事のやりがい等を聞くことができ、生徒達にとって、貴重な体験となったようである。
 その後、模擬接見が行われた。これは、生徒に架空の事件の新聞記事を読んでもらった後、生徒が当番弁護士になり、当会の法教育委員会委員が被疑者となって、接見をしてもらうという企画である。
 今回の企画の目的は、模擬接見を行った後、被疑者から聞き出した事柄のうち何が重要と感じたか、その事柄が被疑者にとって有利に働くのか、不利に働くのかを理由を含めて生徒に発表してもらい、生徒全員で検討してもらうことをにより、法的な考え方を身に付けてもらうことにあった。
 生徒にその意図が伝わるか不安であったが、生徒は、事前に準備された事柄にとどまらず、詳細な事柄まで聞き出そうと熱心に接見を行い、検討の時間には積極的な発表・発言が相次ぎ、企画の目的は十分に達成できたと思われる。
 最後に、卒業式が行われ、自分の名前が書かれた卒業証書を手渡されると、生徒達は、嬉しそうに受け取っていた。
 生徒達のアンケートでは、「模擬接見は、緊迫した空気の中でのやりとりがすごく楽しかった」「またこういう機会があったら参加したい」等嬉しいコメントが多く寄せられた。
 法教育委員会としては、今後も、法教育の普及のため、積極的に活動していきたい。
(法教育委員会委員 細貝 嘉満)

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編集後記
 韓国の時代劇にはまっています。時代は高句麗から李氏朝鮮まで幅が広く、おかげで朝鮮通史の本を読んでいます。
 李氏朝鮮は儒教を国教とし、朱子学の精神で国家統治をめざしたにしては、王朝末期に党派争いに終始し、王位継承も党派の闘いとなっています。党派といってももちろん政党ではなく、科挙合格家系の両班階層ですが、なにやらどこかの国の政治状況に似ている気もします。
デスク 國村 武司  1面担当 市川 統子  2面担当 長谷川篤司
     3面担当 勝俣 豪  4面担当 糸井 淳一

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