横浜弁護士会新聞

2009年8月号  −1− 目次 

サポートステーションへのご理解・ご協力を 神奈川県における犯罪被害者支援
犯罪被害者支援委員会委員長 武内 大徳
被害者等支援条例の制定
 本年3月、「神奈川県犯罪被害者等支援条例」が制定された。この条例は、神奈川県における犯罪被害者支援の基本理念と、県や民間支援団体等の責務を定めるとともに、総合的支援体制の整備、経済的負担の軽減、弁護士等による相談体制の充実といった各種の施策を規定するもので、「犯罪被害者等基本法」の神奈川版ということができる。
 また、この条例に基づいて、支援施策の総合的・計画的な推進を図るための「犯罪被害者等支援推進計画」が策定され、本年4月より実施されている。推進計画には、6つの体系ごとに、のべ121に及ぶ具体的な支援施策が定められている。その中核をなす施策は「かながわ犯罪被害者サポートステーション」の設置である。
サポートステーションの開設
 サポートステーションは、県と県警被害者対策室、民間支援団体である神奈川被害者支援センターの三者が同じフロアーに常駐し、被害者に対するきめ細かい支援を提供しようとするもので、横浜駅西口のかながわ県民センター内に設置されている。執務スペースには関係機関の机が並べて配置され、パーテーションなどによる区切りもなく、三者が一体となって業務を行っているほか、被害者のための相談室や支援員のための研修室も併設されている。このように、都道府県が警察や民間支援団体と一緒に被害者支援拠点を設置・運営するのは、全国でも初の試みである。
 被害者からサポートステーションに支援の申し出があると、県警の被害者対策室が支援要員を付けるほか、民間支援団体の直接支援員が法廷傍聴同行等の支援を行う。また、県は、被害者の状況に応じて、生活資金の貸付や緊急避難場所の提供、県営住宅の一時使用といった中長期的支援を行うこととなっている。
関係機関の連携
 サポートステーションは前記の3団体によって運営されるほか、各種の支援関係機関とのネットワーク構築を図っている。
 民間支援団体である神奈川被害者支援センターは、神奈川県臨床心理士会と協定を締結しており、心理面のケアを希望する被害者は、臨床心理士によるカウンセリングを4回まで無料で受けることが可能である。
 また、当会もサポートステーションの運営に協力しており、被害者から申し出があれば、事前に相談担当として名簿登録した弁護士が法律相談に対応することとなっている。初回の相談料は県が負担するため、被害者は費用を心配する必要がない。
今後の課題
 サポートステーションの法律相談は、暫定的に当委員会の委員が担当しているが、今後は担当者を拡充していくことが必要である。今後、各位には名簿への登録をお願いする予定であるが、多くの会員にご協力いただけると幸いである。また、犯罪被害者等からの相談を受けた場合には、サポートステーションの利用についても、積極的にご検討願いたい。
 なお、サポートステーションの相談電話は045−311−4727、相談時間は午前9時から午後5時まで(日曜・祝日を除く)。また、神奈川被害者支援センターが独自に行っている相談電話は045−328−3725、相談時間は午前10時から午後4時まで(土日・祝日を除く)。

子どもと大人の討論会 「ケータイくらい自由に使わせてくれたっていいじゃん」!? 〜子どもが安全に携帯電話を使えるために〜
 6月6日、当会会館において、当会の主催による子供の日の記念行事として、学校関係者や当会会員、一般の方など約50名が参加して、子供の携帯電話利用について討論が行われた。
 討論会には、中学生9名と大人4名(新聞記者、中学生の子を持つ保護者2名、弁護士)が参加し、(1)高校生未満に携帯電話を持たせてよいか、持たせるとしても通話やメールに限るべきか、(2)フィルタリングの是非、(3)親が子どもの携帯メールやブログ・プロフを黙って見ることの是非等について、白熱した議論が繰り広げられた。
 参加した子ども達は、生き生きと発言し、説得力のある発言も多く、当日の参加者のアンケートでも、子ども達がしっかりしているのに驚いた、意識の高さに驚いたなどの意見が多数あった。携帯電話との関わり方は子どもによって様々であるが、子ども達からは、「携帯電話を持っていないと、部活等の急な連絡に対応できない」「有害サイト等の危険性については自分達も認識した上で防御している」、「危険なサイトを作るのは大人なのにそれによって子ども達の利用が制限されるのはおかしい」、「安全性に問題のないサイトまでフィルタリングをかけるのはおかしい」などの意見が出され、全体として、携帯電話の利用について一定の制限をされることについては納得しつつも、大人が子ども達の携帯電話の利用実態を十分把握しないまま抽象的一般的に規制をすることに疑問を呈する意見が多かった。
 他方で、プロフ等で本名や顔写真等を公開することに関して危機感が希薄である子どもが多く、子ども達の認識の甘さを感じる面もあった。
 子どもの生の声を聞き、子どもの視点から携帯電話の利用を考えるという本行事は、参加者からも大変好評をいただき、企画者の予想を超える盛り上がりとなった。大人と子ども双方が改めて携帯電話の問題を考えていく一つのきっかけになったように思う。
 (会員 松浦 ひとみ)

山ゆり
最近どちらを向いても「エコ、エコ、エコ」
確かに、こう暑いと嫌でも地球温暖化が気になる
私の「ちょこっとエコ活動」はペットボトル入りの飲み物をなるべく買わないこと。飲み物を買うときはできるだけ紙パック入りか缶入りのものを選ぶことにしている
紙パック入りで売っていないスポーツドリンクなどが飲みたいときは「マイ水筒+粉」。薬局などでスポーツドリンクの粉を買って自分の好みの濃さで作ろう。学生時代の部活を思い出して懐かしむこともできる
紙パック入りの飲み物をマイ水筒に移して飲むのもいいだろう。水筒に移せば一度に飲み切らなくても持ち運べる
最近はマイ水筒を「マイボトル」といってサイズもデザインも豊富らしい。これからの時代はお洒落なバッグに小さなペットボトルを入れているよりも肩から水筒をぶら下げて歩いている方が格好いいのだ! ひまわり
飲み物代の節約のために水筒を持っている人もエコ意識の高いインテリに見えてくるだろう
あれ?うちの事務所の冷蔵庫は緑茶・ウーロン茶・オレンジジュース・水ってペットボトルばっかりだ!
まずは身近なところからプチ啓蒙活動をしますかな。
(喜多 英博)

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