横浜弁護士会新聞

2009年8月号  −2− 目次

一年間のおつとめ ご苦労様 木村前日弁連副会長 池田前関弁連理事長 退任慰労会
 木村良二会員の日弁連副会長退任、池田忠正会員の関弁連理事長退任の慰労会が、6月8日、総勢103名の会員が出席し、ホテルニューグランドにおいて開催された。
 会場受付では木村会員の就任中の各種あいさつ文・原稿を一冊にまとめた冊子「挨拶文・原稿集」と、池田会員の就任中の作句にかかる俳句集「関弁連理事長のつれづれ一年百句」が来場者にプレゼントされた。
 慰労会は、岡部光平当会会長による両会員に対する感謝及びねぎらいの言葉から始まり、次いで両会員から退任にあたってのあいさつが述べられた。
 木村会員からは、在任中の当会及び当会会員の協力に対する感謝の言とともに、出身弁護士会のサポートが副会長の任務遂行にどれだけ大切かが述べられ、同時に、当会の会長人事について、修習の期にとらわれない柔軟な人選により当会を活性化すべきとの提言がなされた。
 池田会員からは、関弁連に対する当会の協力への感謝と、自分がやり残したこととして、当会初の公設事務所開設についての期待とが語られた。
 宴もたけなわの中、山下光会員、石戸谷豊会員から木村会員に、小林嗣政会員、武井共夫会員からは池田会員に、慰労の言葉が贈られた。
 歓談中も次々と会員が木村・池田両会員の席を訪れ、慰労の言葉をかけていた。
 最後に、渡辺穣副会長の中締めのあいさつで退任慰労会は盛況のうちに幕を閉じた。

法曹それぞれの立場を知るきっかけに 裁判傍聴会
 6月25日、県立相模原総合高等学校の生徒30名が参加し、2班に分かれて裁判傍聴会を実施した。
 裁判傍聴会は、当会の法教育センターが運営・管理している。申込みのあった団体に対し、当会会員が(1)事前講義(刑事裁判手続の話など)(2)横浜地裁における刑事裁判の傍聴の引率(3)傍聴後の事後解説(傍聴内容を踏まえた感想・解説)などを行う。大体3時間程度のガイドツアーとなる。
 今回の事前講義であるが、私が担当した班の生徒は、全員高校1年生であり、裁判傍聴は皆初めてということであったので、テレビドラマを引き合いに出したりしつつ、わかりやすい講義となるように心掛けた。
 その後休憩をとり、裁判傍聴に向かった。私の担当する班が傍聴したのは、東海道線の車内での痴漢行為という、県迷惑行為防止条例違反の事件であった。高校1年生にはいささか刺激が強いかと思われたが、皆熱心に見聞きし、量刑や被告人の今後の生活について一生懸命考えていた。今回は幸運なことに、裁判終了後、裁判官・検察官・弁護人三者が法廷に残って、高校生を相手に15分ほど質疑応答に応じて下さったため、彼らにとってはとても貴重な体験になったと思う。量刑に悩む裁判官や、被告人に対し声を荒げて怒っていた検察官の素顔を知り、被告人の現在置かれた状況をどう伝えようか悩む弁護人の心境などを聞くことで、法曹三者がそれぞれの立場からどんなことに配慮しながら裁判に臨んでいるのかを知ることができ、法曹という職種にも興味を持ってもらえたのではないだろうか。
 裁判傍聴後は、「無料で傍聴できるのか?」「高校生でも自由に傍聴できるのか?」など、傍聴そのものについての質問が出た。皆機会があったら、今後も傍聴したいと考えているようで、裁判制度が意外に身近にあることを知ってもらえただけでもよかったと思う。私にとっても、自分の仕事を客観的に見直す良い機会になった。
 (会員 上平 加奈子)

女性の権利110番 おかげさまで電話殺到 48件の相談・離婚50%
 6月23日、当会会館で、女性の権利110番が実施された。これは、日弁連の呼びかけで毎年行っている全国一斉電話相談で、当会では今年も人権擁護委員会・両性の平等部会に属する弁護士を中心に、のべ15名(うち5名が女性弁護士)が午前10時から午後3時まで交代で電話相談に応じた。
 事前の広報は、例年通り司法記者クラブの協力を得て、新聞数紙に宣伝記事を掲載してもらい、また、当日地元テレビ局の取材を受け、その様子が昼のニュースで放映された。さらに今年からは、神奈川県も正式に後援に加わり、県の人権男女共同参画課を通じて、県内各自治体の相談窓口に広報用のビラを配布してもらうなどして組織的に広報活動を行った。
 その成果があって、今年も、当日限りの臨時特設電話にもかかわらず、合計で48件の相談があり、特に、テレビ放送があった昼以降はほぼ切れ目なく電話が鳴っている状態で、マスメディアの威力を実感した。
 相談内容は、例年と同様約50%が離婚に関する相談で、暴力を振るわれたといったいわゆるDVを内容とする相談も約10%あり、DVが深刻化していることがうかがわれた。また、会社から不当に解雇されたという相談や職場でセクハラを受け退職を余儀なくされたなど労働問題に関係する相談もあった。
 いずれの相談も担当した弁護士が時間をかけ丁寧に事情を聞き取り、適切な回答をしたことで、相談者からは「良いアドバイスをもらえた」「参考にします」といった声を頂けた。
 自宅に居ながらにして弁護士に相談できる機会は貴重であり、こうした電話相談の重要性を改めて痛感した。
 (会員 斉藤 秀樹)

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