横浜弁護士会新聞

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1999年7月号(2)

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検察庁舎内に接見室設置
有言実行の人 五十嵐紀男検事正に聞く
 昨年一〇月九日に当会主催で行われた検事正歓迎会の席上、大河内副会長(当時)が庁舎内への接見室設置を要望したのに対し、五十嵐検事正が何とか実現したい旨断言されたことをご記憶だろうか。本年四月一日、わずか半年足らずの期間で検察庁地下二階に新設された接見室の運用が開始された。五月二四日、この接見室を見学し、検事正のお話しを伺った。
新設接見室の概要を
 地下二階の中で、従来県警の留置担当者等の事務処理や倉庫などのため利用されていたスペースのうち、一五m2の部分を約二〇〇万円かけて改修して接見室としました。警備上の問題があるため地下二階に設けたわけですが、広々として使いやすいものになったと思います。
利用方法は
 申入れを受けた担当検事が職員を指揮して接見の用に供することになります。昼食時間や押送準備時間などの制約もありますので、早めに申入れていただいた方がよいでしょう。
歓迎会の席上での突然の要望、これへの対処、さぞご苦労されたのでは
 この要望が従来からあることは、検事正の事務引継ぎにも含まれており、承知はしていました。予算とスペースの関係上困難であるというのが従来の見解です。しかし、私の着任時には、従来の庁舎が相当手狭になっており、特別刑事部と修習指導室の移転用の建物を探しているという状況でしたから、その処理にリンクさせれば、接見室新設の予算とスペースの問題も解決できそうに思えたのです。ですから約束は果たせると確信していました。
それにしても抵抗はあったのでは
 私は東京地検の総務部長時代に検察合同庁舎建替えに当たり、建設副委員長兼移転委員長として弁護士会との折衝等も行った経験から、接見室問題については十分理解していました。検察庁舎内の接見室設置は時代の流れでもあり、検察職員はもとより神奈川県警もこれを理解し、協力してくれました。折角設けた接見室ですから、弁護士の諸先生には、大いに利用していただきたいと思っております。
 (このほか、横浜での事件の特徴、ご家族の話から「則定」問題に至るまで、率直なお話しをたくさん伺ったが、残念ながら紙面の都合上割愛する。なお、最近上り調子だというゴルフの腕前については、五月二五日の法曹ゴルフ月例会で優勝し、見事に実証された。実に有言実行の人である。七月の弁護士会長杯争奪の夏合宿に参加されるのかどうか、楽しみである。)広報委員長 木村 良二

5/24新入会員研修会に参加して

新入会員玉越 浩美(51期) 

 今回の研修会のテーマは少年手続、当番弁護士、法律扶助制度であった。前二者については、いずれも四九期という若手の先生の一年目当時の実体験に基づくもので、具体的にいつごろどういう活動をしていたかが詳細に報告された。今まで、どういうことをする、ということを漠然としたイメージでしか考えていなかったが、現在の我々と同じ一年目の弁護士が実際に行ったことなので、身近でリアルな内容だった。
 話を聴いた感想は、正直なところ、「大変な事件に当たってしまったら、本当に大変そう。」というものである。でも、そのような事件を一年目の先生が果敢に乗り切ったという事実は、我々新人弁護士にとって大きな励みにもなる。技術も知識もろくに持っておらず、たよりになるのは熱心さ(というより要領の悪さか?)だけともいえる我々新人でも、その熱心さゆえにもしかすると出る幕があるかもしれないと思わせてくれた今回の研修会だった。

県民集会プレシンポ開催
本年度の県民集会のテーマは司法改革です。
そのプレシンポ第一弾は、法曹(弁護士)人口増加問題をテーマとします。
賛成派・反対派のパネリストによる問題提起をもとに参加会員の白熱した議論を期待します。
日時 7月21日(水)午後5時15分〜 
場所 横浜弁護士会館5階大会議室

山下前日弁連副会長 日弁連との距離を短縮
 五月一四日、山下前日弁連副会長の退任慰労会が催された。当会からは一〇年に一度の日弁連副会長のポストであり、山下会員は任期一年を無事務め上げられた。
 岡本会長は、山下会員の業績につき、日弁連において確実にその職務を果たしただけではなく、横浜弁護士会館に於いて報告会を五回開催するなど、当会と日弁連の距離を少しでも縮めようと努力していた点を高く評価した。そして、山下会員に対し、日弁連副会長退任は終わりではなくこれから新たなる発展の始まりであるとして益々の活躍を期待していると述べた。
 山下会員は、公私にわたり支えてくれた会員らに対し謝意を表すとともに、自らが日弁連において担当していた法律扶助制度の改革、綱紀委員会・綱紀手続の改正、預り金口座モデルケースの作成などについてその内容を説明し、日弁連副会長が弁護士制度や司法制度の中枢にあり極めて重要な職務を担っている事を解説された。そして、当会と日弁連の関係について触れ、日弁連において当会の個々の会員は優れた力量を発揮し業績を残しているが、会としての地位を考えたときはまだまだ不十分である、もっと積極的に地位を確立する必要があり自分はそのため若い人たちの捨石となる覚悟であると挨拶を結んだ。
 横浜弁護士会会長、日弁連副会長と重職を歴任した山下会員は、現場を長く離れていたのでしばらくはリハビリと述べてはいるが、早々に県民集会実行委員長に就任するなど周囲は容易に楽をさせてくれそうもない。
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