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蒙曰く

2012年12月07日佐藤 睦巳弁護士

この間まで,私の勤務先事務所に勉強に来ていた司法修習生のGさんの就職が,とうとう決まりました。『何だ,そんなことか』と思われる方もいることでしょう。しかし,事はそう簡単でもありません。

弁護士になるためには,司法試験に合格した後,司法修習生という立場で約1年間,弁護士や裁判官,検察官の指導の下で,実際の仕事を勉強しなければなりません。ところが,修習生の法律事務所への就職は,以前に比べ,弁護士になる人数が年間で約4倍に増えたため,とても厳しい状況なのです。

就職できないことで,収入がないという経済的な問題が生じるだけではなく,先輩弁護士の下で技術を向上させ,経験を積むことができないという問題が生じます。弁護士は,医者と同じ専門職であり,仕事の覚え方も似ているため,後者の問題は,弁護士の質の低下,ひいては利用者の利益擁護が十分に果たされないことに繋がるかもしれません。

例えば,医師国家試験に合格したばかりの人が,先輩医師の指導なしに,診察,薬の処方,手術を行ったときのことを想像すれば,決して他人事ではないことをわかってもらえるのではないでしょうか。また,技術的な問題だけでなく,弁護士の不祥事を懸念すると,弁護士としての心構えや姿勢についても,見て学ぶことができる,時には相談することができる環境というのは,やはり望ましいと思います。なお,弁護士会では,就職問題だけでなく,新人弁護士や早期に独立した弁護士の支援も積極的に行っています。

Gさんは,神奈川ではなく青森の法律事務所で,弁護士としての第一歩を踏み出すそうです。
「士別れて三日なれば、即ち更に刮目して相待つべし」
Gさん,元気なお便り,お待ちしています。

 
 
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